「外壁塗装の吹き付けって何?」
「吹き付けで塗装するメリット・デメリットは?」
以上のような疑問をお持ちの方がいらっしゃると思います。
外壁塗装の吹き付けは、スプレーガンを使用して塗料を塗布する施工方法です。外壁塗装の代表的な吹き付けの種類は5つあり、それぞれ違った雰囲気に仕上げるのが可能になります。
- 外壁塗装の吹き付けとはスプレーガンを使用した塗装
- 外壁塗装の吹き付け5選
- 外壁塗装の吹き付けのメリット
- 外壁塗装の吹き付けのデメリット
- 外壁塗装で吹き付けがおすすめの人
外壁塗装の吹き付けのメリット・デメリットをご理解いただき、塗装方法の選択肢の一つとしてお考えいただきたいと思います。
外壁塗装の吹き付けとはスプレーガンを使用した塗装
外壁塗装の吹き付けとは、スプレーガンを使用して塗装する方法です。
塗料を霧状に噴射して外壁に吹き付けます。細かい部分や複雑な形状にも塗料を行き渡らせるのが可能な施工方法になります。
外壁塗装で塗料を塗布する方法として、吹き付けの他にローラーがございます。吹き付けとローラーを比較するとこちらになります。
▼吹き付けとローラーの比較▼
吹き付け | ローラー | |
耐久性 | 短い(一般的で10年が目安) | 長い(30年持つ場合もある) |
材料費 | ローラーに比べてやや高い | 吹き付けに比べて安い |
作業時間 | ローラーに比べて約半分の時間 | 吹き付けに比べて約2倍の時間 |
塗料飛散 | 多い(塗布量の約10~20%が飛散) | 少ない |
作業時の音 | 機械音がする | 作業の音のみ |
仕上がり | 重厚感がある | 安定した美しさ |
適用範囲 | 凹凸のある外壁や細かい部分 | 平坦な外壁 |
※耐久性はあくまでも目安で、塗料のグレードや立地環境など様々な要因によって異なります。
以上のように、吹き付けとローラーには多くの違いがあります。
吹き付けとローラーの違いを理解して、自身に合った塗装方法を選択するのが重要です。
ローラーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参考になさってください。
外壁塗装でローラーは使い分けが大事!気をつけるべき4つの注意点
外壁塗装の吹き付け5選
外壁塗装の代表的な吹き付けの種類は5つあります。
- 多彩模様
- リシン
- スタッコ
- 吹き付けタイル
- 一般的な塗料
それぞれ違った雰囲気に仕上がるので、詳しくご紹介いたします。
多彩模様
多彩模様とは、塗料に多彩な細かいチップが配合されている塗料になります。
細かいチップが入った塗料を吹き付けて塗装することで、キラキラと輝く天然石のようなデザインに仕上げることができます。外壁に立体感や深みを与え、単色の塗装では再現できない高級感や独自性を演出する仕上がりになります。
同じ白色系の塗装で、多彩模様と単色を比較するとこちらになります。
▼多彩模様と単色の比較▼
どちらも爽やかな白色系に仕上がっていますが、多彩模様の方が細かなチップで白色の中に違う風合いを感じることができます。
凹凸のある外壁は重厚感があるので、多彩模様を吹き付けるとより一層高級感を演出するのが可能になります。ハウスメーカーの住宅にお住まいの方は、多彩模様をお選びになる方が多くいらっしゃいます。
他の住宅と違った雰囲気を出して外観を魅力的にしたい方は、多彩模様での吹き付け塗装をおすすめいたします。
リシン
リシンとは、セメントや合成樹脂が主成分で砂や細かな骨材を混ぜた塗料になります。この塗料をスプレーガンで吹き付ける塗装をリシン吹き付けと言い、モルタル外壁の仕上げとして使用されます。
外壁にざらざらとした独特な質感を与え、多少の凹凸をカバーする効果もあります。リシンは一般的な塗料と比べて安価で、費用を抑えられるメリットがあります。
しかし、リシン吹き付けはデメリットを理解しておくのが重要になります。
- 汚れが付きやすい(カビやサビが発生し劣化が進行する)
- 塗膜が硬くて割れやすい(湿気や雨水が侵入しやすくなる)
- 耐用年数は8年程(一般的な塗装目安は10年のため短い)
リシン吹き付けは安く仕上げられるメリットがありますが、住宅を長持ちするにはデメリットを理解して施工するのが大切です。
スタッコ
スタッコとは、セメント・砂・石灰・合成樹脂などを混ぜ合わせた塗料になります。この塗料をスプレーガンで吹き付ける塗装をスタッコ吹き付けと言い、モルタル外壁の仕上げとして使用されます。
ざらざらとした質感はリシンと同じですが、リシンより凹凸があり立体的なデザインが特徴です。塗膜に厚みがあるので耐久性があり、耐用年数は比較的長く10年以上あります。
スタッコもリシンと同様凹凸がある外壁なので汚れが付きやすく、塗膜が割れやすいデメリットがあります。
▼スタッコの特徴▼
メリット | 凹凸がある立体的なデザイン |
耐久性があり耐用年数が長い | |
デメリット | 汚れが付きやすい |
塗膜が割れやすい |
スタッコは吹き付けた後、凸部をローラーで押さえて平らにする処理を行う場合もあります。吹き付け塗料が乾燥する前に行う必要があるので、職人の技術が必要になります。
平らな外壁でなく凹凸のある外壁に仕上げたい方にはおすすめですが、デメリットも考慮してスタッコを選ぶ必要があります。
吹き付けタイル
吹き付けタイルとは、塗料を吹き付けてタイルのような艶のある硬い仕上がりを実現する塗装方法です。タイルという名前ですが、タイルの模様や質感を再現するもので実際のタイルは使用しません。
吹き付けタイルは、複層仕上げ塗材という塗料を吹き付けて塗装します。塗料にセメントや骨材などを混ぜないので、ざらざらとした質感はありません。凹凸のある滑らかな質感の外壁になります。
実際のタイルを貼るよりも施工が簡単でコストを削減でき、タイルのような立体感やデザイン性のある仕上がりに施工できます。吹き付けタイルのメリット・デメリットはこちらになります。
▼吹き付けタイルのメリット・デメリット▼
メリット | 実際のタイルより安価でタイルのような風合いが出せる |
タイルに比べてひび割れや剥がれのリスクが少ない | |
デメリット | 凹凸があるので汚れが付きやすい |
吹き付けタイルは、実際のタイルよりコストを削減できるので取り入れやすい塗装方法になります。外壁に高級感を演出したい方には、艶のある吹き付けタイル仕上げがおすすめです。
一般的な塗料
一般的な塗料もスプレーガンを使用して吹き付けで施工する場合があります。
凹凸がある外壁の場合、ローラーで塗料を塗布すると重厚感のある外壁のデザインが損なわれてしまいます。凹凸のあるデザイン性の高い外壁をそのまま維持する為に、一般的な塗料でも吹き付けで塗装します。
お住まいの住宅が凹凸のある外壁の場合は、一般的な塗料でも吹き付け塗装になる可能性が高いとお考えいただきたいと思います。
外壁塗装の吹き付けのメリット
吹き付けで外壁塗装を施工する場合のメリットがあります。
- 立体的で多様な雰囲気を出せる
- 凹凸のある外壁でも均一な仕上がりになる
- 作業効率が良い
それでは詳しくご紹介いたします。
立体的で多様な雰囲気を出せる
吹き付けで施工すると、立体的で多様な雰囲気を出すのが可能になります。
上記の写真は多彩模様を吹き付け塗装した事例になります。多彩模様を吹き付けることで単色の塗装では得られない深みや陰影を生み出し、立体的で高級感のある印象を受けます。多彩模様のチップで異なる色を重ねることで、視覚的に豊かな表現が可能になります。
また、吹き付け塗装で模様を作ることができるので、吹き付け塗装で希望の雰囲気を演出するのが可能になります。模様を作ることができる吹き付け塗装は以下の通りです。
- リシン
- スタッコ
- 吹き付けタイル
外壁に模様を付けたり立体的に見せたい場合は、吹き付け塗装での施工をおすすめいたします。
凹凸のある外壁でも均一な仕上がりになる
吹き付けで塗装すると、凹凸のある外壁でも均一な仕上がりに施工できます。
吹き付けは塗料が細かい粒子になり均一に噴射されるので、表面全体に均等に塗布されます。そのため、凹凸のある外壁でも塗料がムラなく付着し、均一な厚さの塗膜が形成されます。
吹き付け塗装が均一に仕上がる理由として、以下のような理由があります。
- 塗料がムラなく付着する(細かな粒子が均一に噴射される)
- 高い浸透力(細かな凹部にも塗料が入り込み表面全体に塗料が行き渡る)
- 塗料が垂れにくい(塗料を噴射するので垂れにくく均一に仕上がる)
- 広範囲を一度に塗布できる(一度に作業でき均一に仕上がる)
凹凸のある外壁を活かした塗装をご希望の方は、吹き付け塗装だと均一な仕上がりが可能になると留意いただきたいと思います。
作業効率が良い
吹き付け塗装は、作業効率が良いこともメリットになります。
吹き付けはスプレーガンを使用して外壁全体に塗料を塗布するので、ローラーに比べて広範囲を一度に塗装できます。そのため、作業時間がローラーに比べると短縮できるので、作業効率も良くなるのです。
吹き付け塗装の作業効率が良い理由はこちらになります。
- 広範囲をカバーできる(一度に広い範囲を塗装できる)
- 複雑な塗装面にも対応できる(凹凸のある外壁や細かな部分にも対応できる)
大きな住宅や手作業では困難な箇所でも効率よく塗装ができるので、吹き付け塗装を採用することで作業が進みます。
吹き付けとローラーの塗装時間の目安を比較するとこちらになります。
- 吹き付け塗装=1.5~2.5時間
- ローラー塗装=5~8時間
※上記はあくまでも目安で、住宅の規模・職人さんの熟練度・天候などによって異なります。
条件によって作業時間は異なりますが、ローラーより吹き付けの方が作業効率が良いとお考えいただきたいと思います。
外壁塗装の吹き付けのデメリット
吹き付けで外壁塗装を施工する場合のデメリットがあります。
- 塗料が飛散する
- 耐久性が低い
- 高い技術や経験が必要になる
それでは詳しくご紹介いたします。
塗料が飛散する
吹き付け塗装は塗料が細かい霧状に噴霧される為、塗料の飛散が発生しやすくなります。そのため、塗装業者は塗料飛散防止の対策を行う必要があります。
弊社では塗料の飛散を防止する為に、飛散防止シートの内側をブルーシートで覆って塗料飛散を防いでいます。その写真がこちらになります。
風が強い日はブルーシートで覆っていても、塗料の飛散防止の為に作業は中止しております。
塗装業者が行うべき塗料飛散防止対策が以下の通りです。
- 養生作業(住宅を飛散防止シートで覆い、窓などを養生する)
- 風対策(風が強い日は吹き付け塗装の作業を中止する)
- 近隣住民への挨拶(塗料が飛散しやすい日など工事内容を説明する)
以上のような対策を行わない業者に依頼すると、お客様だけでなく近隣の方へも迷惑をかけてしまいます。
契約前の見積りの時点で、吹き付け塗装の塗料飛散の対策について業者に質問しておくのが重要です。
耐久性が低い
全体的に見て吹き付けとローラーを比較すると、吹き付けの方が耐久性が低い可能性があります。それは、意匠性だけを求めるあまり、耐久性が低い塗料を選択しているケースがあるからです。
契約を取る為にデザイン性や価格を重視し、耐久性の低い塗料を扱う業者が中には存在します。そのような塗料で吹き付け塗装を施工すると耐久性が低く、早期の劣化が発生するかもしれません。
弊社では、耐久性の高い塗料のみでご提案させていただいております。見た目はもちろん大事ですが、長持ちする為の外壁塗装を重視しております。
吹き付け塗装をお選びいただく際は、耐久性の高い塗料かを確認していただけますようお願いいたします。
高い技術や経験が必要になる
吹き付け塗装は、職人さんの中でも任せられる人と任せられない人がいるほど高い技術が必要な施工方法になります。
私の肌感覚的には、世の中の20~30%程の職人さんしか吹き付け塗装を完璧に仕上げられないかもしれません。弊社は多くの職人が在籍していますが、弊社の職人の約30%しか対応できないほど吹き付けは難しい作業になるのです。
弊社では、実際にお客様へ吹き付け塗装のデメリットについても詳細にご説明しております。弊社では吹き付け塗装ができる職人を見極めて、吹き付け塗装をご希望のお客様の住宅を施工しております。
吹き付け塗装に高い技術や経験が必要とされる理由がこちらになります。
- 均一な仕上がり(均一に仕上げる技術)
- 塗料の配合(塗料の配合が仕上がりに影響)
- 下地処理(塗装前の下地処理が重要)
- 天候の管理(風・温度・湿度の管理が仕上がりに影響)
- 塗料飛散対策(養生の善し悪しが仕上がりに影響)
業者を選ぶ際は吹き付け塗装の施工事例があるか確認し、口コミの評価をチェックする必要があります。
外壁塗装で吹き付けがおすすめの人
外壁塗装で吹き付け塗装がおすすめの人をご紹介いたします。
- 独自性のある美しさを出したい人
- 住宅のデザインをそのまま残したい人
それでは、詳しくご紹介いたします。
独自性のある美しさを出したい人
吹き付け塗装は、住宅に独自性のある美しさを出したい人におすすめです。
吹き付けは塗料で多様な雰囲気を出し、多彩な質感を表現できます。模様を付けることも可能で、他の住宅と一味違った存在感を出すことができます。
さらに吹き付け塗装で、独自性のある美しさを出したい人におすすめの塗装方法がこちらになります。
▼独自性のある美しさを求める人の吹き付け塗装▼
吹き付け塗装はお客様のお好みに合わせて、独自性のある美しい仕上がりにするのが可能です。
他の住宅と少し違った外観にしたいとお考えの方は、吹き付け塗装でお客様独自の美しい住宅に塗装してみてはいかがでしょうか。
住宅のデザインをそのまま残したい人
外壁のデザインをそのまま残したい人は、吹き付け塗装での施工がおすすめです。
上記のような意匠性のあるデザインの外壁にローラーで塗料を塗布すると、本来のデザインが損なわれてしまう可能性があります。お客様のお気に入りのデザインをそのまま残す為には、吹き付け塗装で施工するとデザインはそのままでメンテナンスできます。
積水ハウスのダインコンクリート住宅は外壁に凹凸があり意匠性を保つ為に、弊社では吹き付け塗装を採用しております。
意匠性のある外壁を吹き付け塗装で施工して、外壁のデザインをそのまま残した施工事例がこちらになります。
▼意匠性のあるデザインを残した吹き付け塗装▼
詳しい内容はこちら>
外壁の色を変えても吹き付け塗装で施工することで、凹凸のある外壁のデザインをそのまま残した塗装が完成しました。
凹凸のある外壁のデザインをそのまま残す為には、吹き付け塗装での施工がおすすめと留意いただきたいと思います。
まとめ
外壁塗装の吹き付けとはスプレーガンを使用して、塗料を霧状に噴射する施工方法です。
外壁塗装の吹き付け5選がこちらになります。
- 多彩模様
- リシン
- スタッコ
- 吹き付けタイル
- 一般的な塗料
吹き付け塗装にはメリット・デメリットがあるので、施工前に理解しておくのが重要です。
吹き付け塗装は、独自性のある美しさを出したい人や住宅のデザインをそのまま残したい人におすすめの施工方法になります。
南大阪ペイントセンターでは、吹き付け塗装の施工事例が多数ございます。吹き付け塗装に熟練した職人も多く在籍しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。