「イノセンスという塗料で塗装工事の提案があったどんな塗料?」
「イノセンスについて調べても情報がほとんどなく困っている」
といったお悩みはありませんか。
イノセンスとはジャパンホームワンド株式会社でのみ取り扱いがある塗料のことです。
厳密にはINNOCENCE JAPAN株式会社がアメリカの最高級塗料を日本国内向けに企画・開発したものがイノセンス塗料なのです。
愛知県名古屋市に本社を置くジャパンホームワンド社でしか取り扱いがなく、施工事例なども掲載されていないことからご不安を抱かれるお客様も多いと思います。
実際に年間200件近く様々な塗装会社の見積書を見てきている私でさえ「イノセンス」と記載のある見積書を目にしたことはありません。
そこで塗装専門店の視点から、イノセンス塗料について以下の内容を紹介します。
・外壁塗装の塗料「イノセンス」の特徴
・イノセンスで外壁塗装をする注意点
・イノセンスの外壁塗装の平米単価(yahoo!知恵袋より算出)
イノセンス塗料の特徴や費用感などを押さえることで、あなたの住宅に見合った適正な塗料かを判断することができるでしょう。
1.外壁塗装の塗料「イノセンス」とは
イノセンスとはINNOCENCE JAPAN株式会社がアメリカの最高級塗料を日本国内向けに企画・開発した外壁塗装の塗料のことです。
ジャパンホームワンド社へ独占販売されているため、イノセンスで外壁塗装をしてもらうにはジャパンホームワンド社へ依頼するしかありません。
イノセンスには主に以下の3つの特長があります。
- 30年超の耐久性を誇る
- 弾性塗料なのでひび割れが起きにくい
- 40色以上のカラーバリエーション
1-1.30年超の耐久性を誇る
外壁塗料INNOCENCE JAPAN(イノセンスジャパン)は外壁の塗り替えリフォームに最適な材料です。
ピュアアクリルによる30年超の耐久性で家を蘇らせます。
イノセンスはピュアアクリル塗料に分類される塗料のため、耐久性と耐候性は30年超の耐用年数が期待できます。
本来塗料には可塑剤と呼ばれる薬品を混ぜることで、柔らかく取り扱いがしやすい塗料を実現しています。
しかし可塑剤は紫外線で劣化しやすいので、徐々に柔軟性が失われた塗膜が硬くなりやがてひび割れへと繋がります。
ピュアアクリル塗料とはそんな可塑剤を一切取り除いた、純度100%のアクリル樹脂塗料です。
そのためジャパンホームワンド社の営業担当から「30年耐久性がある塗料」との説明があるようです。
1-2.弾性塗料なのでひび割れが起きにくい
イノセンスは高い弾性があり塗膜を延ばす力に優れているので、ひび割れが起きにくいです。
そもそも外壁はわずかな振動や、紫外線や湿気によりひび割れようとする動きが外壁に働きます。
弾性塗料は下地である外壁に追随して塗膜も一緒に動くので、ひび割れの発生を最小限に抑えます。
1-3.40色以上のカラーバリエーション
イノセンスは非光沢の上品な色展開が豊富で、そのカラーバリエーションは40色以上にものぼります。
特殊な調色技術を採用することで従来製品では表現が難しい濃色の生成も可能です。
2.イノセンスで外壁塗装を提案しているケースはかなりレア
年間約200件の他社の見積書を見てきていますが、これまでイノセンス塗料を提案している見積書はなかったので、正直かなり特殊なケースと思われます。
取扱い施工店であるジャパンホームワンド社とINNOCENCE JAPAN社の公式サイトを見ても、施工事例の確認ができないので、外壁塗装のプロですら全貌が掴めない謎が多い塗料なのは確かでしょう。
3.イノセンスで外壁塗装をする上での2つの注意点
謎が多いイノセンス塗料ですが、外壁塗装プロの見解から確かにお伝えできる注意点が2つあります。
イノセンスで外壁塗装をするか悩まれている方は是非以下の2つの注意点を押さえておかれた方が良いでしょう。
- 弾性塗料なので汚れが付きやすい
- 国内での実績が少なく口コミや事例を確認できない
3-1.弾性塗料なので汚れが付きやすい
イノセンス塗料は優れた弾性があるのでひび割れが起きにくい反面、弾性があるがゆえに汚れが付着しやすいというデメリットも存在します。
弾性塗料はゴムのように伸び縮みする柔軟性があり、その分粘着性も高いです。
そのため砂埃や排気ガスなどの空気中の汚れを吸着しやすく、結果的に汚れが目立ってしまうのです。
3-2.国内での実績が少なく口コミや事例を確認できない
取り扱い施工店であるジャパンホームワンド社の設立が2017年である理由から、イノセンス塗料の取り扱いは2017年以降と推測されます。
そのため「実際に日本国内でイノセンス塗料を塗って30年持った」という実績の確認ができないのです。
自社グループ独占販売の特殊塗料です。40年以上の歴史と世界中で実績を持つアメリカ産最高級塗料を、日本トップ塗料メーカーとの共同開発で異次元の性能を維持して国産化に成功、日本で15,000件以上の実績を誇る塗料のリニューアルバージョンとして高い防水性と高級感ある仕上がりが特徴です。
INNOCENCE(イノセンス) は、INNOCENCE JAPAN株式会社がお届けする塗り替えリフォーム専用プレミアム塗料です。
次世代多機能塗料イノセンスは、アメリカの最高級塗り壁材を基に日本リフォーム市場向けに新しく企画、開発 されました。現在は、米国生まれの特殊樹脂配合技術を応用、国内製造化を実現した INNOCENCE W-NEO(イノセンス ダブ リューネオ)を販売しています。
このように公式サイトでは海外の施工実績や歴史について言及されていますが、国内での実績について記載がありません。
これは弊社の見解ですが、海外の塗装工事と日本に塗装工事では、そもそもお客様が求める建物に対する考え方に違いがあると思います。
海外の方はひび割れや雨漏りなど特に気にされず「住めたらいい」といった価値観の方が多いと聞きます。
そのため汚れが付着しやすいというイノセンス塗料のデメリットに対するマイナス要素があまりないことからから、海外で広く使用されていると考えられます。
4.イノセンスで外壁塗装をする場合の平米単価を算出
イノセンスの施工費用についても、公式サイトでは掲載されておらず費用感を掴むことが困難でした。
そこでYahoo!知恵袋のデータをもとに、実際にイノセンス塗料で外壁塗装工事の見積もりしてもらった方々の金額をまとめてみました。
4-1イノセンスの平米単価は7,395~11,150円
以下の表はYahoo!知恵袋に寄せられた、イノセンス塗料で見積もりをされた方々の金額をまとめたものです。
建物によって塗装平米数や見積もり金額が異なるので、比較しやすいように平米単価を算出してみました。
その結果、イノセンス塗料の平米単価は7,395~11,150円という金額幅がありました。
塗装平米数 | 見積もり金額 | 平米単価 | |
ケース1 | 215㎡ | 159万円 | 7,395円 |
ケース2 | 217㎡ | 180万円 | 8,295円 |
ケース3 | 不明 | 不明 | 9,000円 |
ケース4 | 220㎡ | 220万円 | 10,000円 |
ケース5 | 178㎡ | 180万円 | 10,112円 |
ケース6 | 200㎡ | 223万円 | 11,150円 |
【ケース1の見積もり例】
外壁塗装工事が159万円の見積りがでました。イノセンスという塗料で20年から30年と長持ちするとの事でした。
家の面積が34坪なのですが、塗装する面積は屋根まで入れて215㎡(65坪)との事でした。適正なのでしょうか?引用:Yahoo!知恵袋
【ケース2の見積もり例】
外壁塗装で217平米、ピュアアクリル イノセンスで180万と出ました。こんなものなのでしょうか?わかる方、教えて下さい。
引用:Yahoo!知恵袋
【ケース3の見積もり例】
(一部省略)
そして、イノセンスという塗料を勧められました。
海外では40年とか耐用年数のある塗料だそうで、日本でもそう言っていいと言われているが、念のため(まだ実績がないため)20〜30年と言っているとか。ウレタンの期待耐用年数が5〜8年に対して、20〜30年とのこと。
(一部省略)
1㎡あたり9,000円の価格でした。
ちなみに外壁はサイディングです。引用:Yahoo!知恵袋
【ケース4の見積もり例】
(一部抜粋)
20年〜30年もつので、塗り直し回数が少なくすむこと、特許を取得しているため、他では取り扱いがないこと、保証が手厚いこと、イノセンスは、耐久性、柔軟性において優れていること、納得してしまい、220平米220万で契約してしまいました。引用:Yahoo!知恵袋
【ケース5の見積もり例】
先週外壁の営業が来て見積もりを取りました。
イノセンスとゆう塗料を使っているみたいで178m2で180万の見積もりを貰いました。
初めて外壁塗装をやろうと思い見積もりを取ったのですがこの金額はだとうな金額でしょうか?引用:Yahoo!知恵袋
【ケース6の見積もり例】
先日ジャパンホームワンドという外壁塗装会社の方が訪問にきました。イノセンスという30年耐久性がある塗料で、200平米ほどで223万円ほどの見積が出ました。
その後色々調べていると30年ももつ塗料はないなど書いているものを見つけたりしましたが、実際に塗装した方や、詳しい方よろしければどのようなものなのか教えていただきたいです。
引用:Yahoo!知恵袋
4-2.平均平米単価は9,325円なので一般的な無機塗料と同等な金額
Yahoo!知恵袋の6つの見積もり例の平均値を計算したところ、平均平米単価9,325円と算出されました。
南大阪ペイントセンターの場合、平米単価の平均値は8,175円ですのでイノセンス塗料での塗装は相場よりも高額と分かります。
ちなみにイノセンス塗料の平均平米単価9,325円に近い平米単価の事例ですと、耐用年数約20年の無機塗料や御影石のような意匠性のある外壁デザインの吹付け多彩模様などがありました。
以下に弊社の事例をまとめています。
施工事例 | 塗料種別 | 塗装平米数 | 見積もり金額 | 平米単価 |
泉大津市で窯業系サイディングの外壁塗装(無機塗料を使用) | 無機フッ素塗料 | 154㎡ | 150万円 | 9,740円 |
堺市南区で旭化成ヘーベルハウスの外壁塗装(多彩模様のツートンカラー) | 吹付け多彩模様フッ素塗料 | 175㎡ | 164万円 | 9,416円 |
Yahoo!知恵袋のデータからもイノセンス塗料は相場よりも高めなので「イノセンス塗料で絶対に塗装をしたい!」といった方以外は、他の塗料も選択肢に入れて視野を広くもたれても良いかもしれません。
たとえば上の表を参考にすると、国内で実績のある無機塗料やハウスメーカーの方に人気の意匠性の高い多彩模様など様々な選択肢があります。
5.まとめ
- 外壁塗装の塗料「イノセンス」とは
1.30年超の耐久性を誇る
2.弾性塗料なのでひび割れが起きにくい
3.40色以上のカラーバリエーション - イノセンスで外壁塗装をする上での2つの注意点
1.弾性塗料なので汚れが付きやすい
2.国内での実績が少なく口コミや事例を確認できない - イノセンスの平米単価をYahoo!知恵袋をもとに算出
1.イノセンスの平米単価は7,395~11,150円
2.平均平米単価は9,325円なので一般的な無機塗料と同等な金額
大阪府に本社を置く南大阪ペイントセンターでは、これまでイノセンス塗料の提案を受けたお客様の対応をしたことがありません。
実際に年間200件近く様々な塗装会社の見積書を見てきている私でさえ「イノセンス」と記載のある見積書を目にしたことはありません。
イノセンス塗料を取り扱っているジャパンホームワンド社の本社が愛知県名古屋にあるので、立地の関係でまだ大阪府内には見積もり事例が少ないのかもしれません。
※ジャパンホームワンド社には大阪支社があります。
30年の耐用年数が魅力のイノセンス塗料ですが、「実際に日本国内でイノセンス塗料を塗って30年持った」という実績の確認ができません。
Yahoo!知恵袋のデータを見る限り、イノセンスでの外壁塗装は他の一般的な塗料に比べると相場が高めなので、様々な塗料を提案してくれる業者と相見積もりをされると良いでしょう。
耐用年数や費用などお客様が重視されることを踏まえて、依頼先の業者や使用する塗料をしっかりと検討していくことが大切です。