「グリシェイドNEOとは？」
「グリシェイドNEOの最適なメンテナンス方法は？」
といったお悩みはありませんか？
グリシェイドNEOとはクボタ株式会社（現：ケイミュー株式会社）から2001年に発売された屋根材です。
戸建て住宅の屋根として使用され、特に積水ハウスや大和ハウスをはじめとした大手ハウスメーカーで使用されているケースが多いです。
南大阪ペイントセンターでは屋根にグリシェイドNEOが使用された住宅の点検に伺うケースが多いですが、残念ながらグリシェイドNEOは屋根塗装に不向きな屋根材なのです。
厳密には塗装はできないわけではありませんが、グリシェイドNEO自体の耐久性に問題があるため塗装をしても割れてしまい長持ちしないのです。
2000年前後のアスベスト規制によりどのメーカーでもアスベスト含有の屋根材の製造をストップして、ノンアスベストの屋根材を製造する動きがありました。
ですが当時アスベストの代わりに配合された成分が想定を大きく下回る耐久性であったため、早期にめくれや剥がれといった様々な問題が起きたのです。
グリシェイドNEOもノンアスベスト移行期に製造された屋根材の1つです。
そのためグリシェイドNEOに塗装ができないことはないのですが、耐久性の観点からして屋根塗装はおすすめしていないのです。
そこで塗装専門店の観点から、以下の内容をまとめています。
・グリシェイドNEOの特徴
・ご自宅の屋根がグリシェイドNEOかの調べ方
・グリシェイドNEOのメンテナンス方法
・グリシェイドNEOへ工事をした事例
グリシェイドNEOとは
グリシェイドNEOとはスレート瓦の商品名のことです。
グリシェイドNEOの概要を以下にまとめました。
- グリシェイドNEOはクボタ株式会社（現：ケイミュー株式会社）のスレート瓦の商品名
- アスベスト規制に対応したノンアスベストの屋根材
- ひび割れなどの劣化症状が多い
グリシェイドNEOはクボタ株式会社（現：ケイミュー株式会社）のスレート瓦の商品名
グリシェイドNEOは2001年にクボタ株式会社（現：ケイミュー株式会社）から発売されました。
グリシェイドNEOの取扱い期間である2001年～の約7年間、多くの戸建て住宅の屋根材として使用され、特に積水ハウスや大和ハウスをはじめとした大手ハウスメーカーで使用されているケースが多く目にします。
2008年に後継として「グリシェイドクァッド」の取り扱いを開始したことで、グリシェイドNEOが市場に出回ることがなくなりました。
アスベスト規制に対応したノンアスベストの屋根材
アスベスト移行期に製造されたノンアスベストの屋根材は、経年劣化とともにひび割れなどの劣化症状が発生し仮に補修して塗装をしてもひび割れが再発する危険性があります。
ノンアスベストの屋根材が開発された理由は、アスベストによる健康被害の対策としてです。
1990年後半〜2004年頃までアスベストを含まないノンアスベストの屋根材が多く開発されてきました。
ですがノンアスベストの屋根材を製造するにあたり1つの大きな問題に直面したのです。
アスベストの代わりに配合された成分が想定を大きく下回る耐久性であったため、早期にめくれや剥がれといった問題が起きました。
グリシェイドNEOもアスベスト問題の渦中で発売されたノンアスベストの屋根材の1つです。
同じようにアスベスト問題に対応するために発売された屋根材には以下のようなものがあります。
いずれも現在では早期劣化が問題視されている屋根材です。
グリシェイドNEO、コロニアルNEOなど「NEO」が含まれる屋根材はノンアスベスト移行期に開発された屋根材です。
「NEO」と含まれる屋根材もクボタ株式会社（現：ケイミュー株式会社）から発売されています。
いずれも同じ時期に発売されたスレート瓦ですので、割れや欠けといった症状が発生しやすい傾向にあります。
ひび割れなどの劣化症状が多い
一般的なスレート瓦の寿命が約20年に対し、グリシェイドNEOは築15年前後で欠けや割れといった症状が出やすいです。
アスベストの代わりとなる繊維などをスレートの中に取り入れて試行錯誤される中開発されてきたグリシェイドNEO。
ですが当時の技術ではアスベスト含有と同等の耐久性を確保することができず、ひび割れや欠けといった様々な症状を引き起こしています。
スレート瓦自体、約5mmの薄さですので他の屋根材に比べると割れやすい特徴があります。
加えてグリシェイドNEOはノンアスベストの屋根材が市場に出回った初期の屋根材ですので、耐久性に問題があり割れやすさに拍車がかかってしまったのです。
ご自宅の屋根がグリシェイドNEOかどうか調べる方法
より正確にグリシェイドNEOかどうか断定するために、以下の方法で確認されることをおすすめします。
- 家の仕様書で屋根の種類を調べる
- 下屋根の屋根材の形状を調べる
- 2001～2008年の間に建築された
家の仕様書で屋根の種類を調べる
一番確実は方法としては、建築時の仕様書で屋根材の種類を確認されることです。
上の写真は実際にグリシェイドNEOが使用された住宅の仕様書をお借りしたものです。
赤枠に「グリシェイドNEO」と記載があることが分かりますね。
下屋根の屋根材の形状を調べる
仕様書がない場合は、屋根材の形状でグリシェイドNEOか調べていただくという方法があります。
ただし大屋根の部分は高所で確認ができないので、下屋根がある場合のみに屋根材を詳しく見ることができるでしょう。
1階の下屋根であれば、2階のベランダや窓から確認いただきやすいです。（下屋根の位置は上の図参照）
グリシェイドNEOには以下のような3つの特徴があります。
特徴1.木目調
特徴2.切れ端がまっすぐな長方形
特徴3.瓦同士に約1cmの隙間
それでは1つ1つの特徴について写真付きで解説します。
【特徴1】
表面にうっすらと木目調の模様が見られます。
【特徴2】
瓦の形状がまっすぐな長方形になっている。
【特徴3】
瓦同士に約1cmの隙間がある。
2001～2008年の間に建築された
グリシェイドNEOが市場に出回っていた2001～2008年の間に建築された住宅は、グリシェイドNEOが使われている可能性があります。
実際に弊社で点検をさせていただくお客様の事例では建築時期が2004年前後の住宅に、グリシェイドNEOが使用されているケースが多いです。
一概にその時期に建てられた住宅すべてにグリシェイドNEOが使用されているというわけではありませんが、ひび割れなどの劣化症状が多い場合はグリシェイドNEOである可能性を疑っても良いかもしれません。
グリシェイドNEOのメンテナンス方法
ではグリシェイドNEOにはどのようなメンテナンス方法が最適かについて解説します。
通常のスレート瓦などの屋根材は基本的に屋根塗装でメンテナンスを行います。
塗装によって屋根材の防水性を復活させて屋根材の寿命を延ば目的があります。
ただしグリシェイドNEOの場合は屋根塗装をおすすめしていません。
グリシェイドNEOの素材自体に耐久性に問題があるため塗装をしても長持ちせず、ひび割れなどの劣化症状の根本的な解決にはならないためです。
グリシェイドNEOのお客様には必ず上記の内容をお伝えします。
そこで屋根塗装以外の選択肢として、おすすめしているメンテナンス方法が以下の2つです。
| 工事名 | 工事内容 |
写真
|
| 屋根カバー工法 | 傷んだ屋根の上から新たな屋根材を作る。 廃材撤去費用がかからないので、屋根葺き替え工事よりは安価。 |
 |
| 屋根葺き替え工事 | 古い屋根を撤去して新しい屋根を新設する。 屋根工事の中で一番高額な工事。 |
 |
グリシェイドNEOの施工事例
実際に南大阪ペイントセンターでグリシェイドNEOへ屋根カバー工事を実施した事例がありますので紹介いたします。
| 屋根カバー工法 | |
|
大阪府
|
 |
  |
|
| Before 施工前 |
After 施工後 |
大阪府でグリシェイドNEOへ屋根カバー工法（トップライトあり）
| 価格 | 141万円 | 工事期間 | 29日間 |
| 塗料名 | アイジー工業 スーパーガルテクト | 塗料種別 | ガルバリウム鋼板 |
| 面積 | 87m2 | 築年数 | 20年 |
| 工事期間 | 29日間 | 面積 | 87m2 |
| 塗料名 | アイジー工業 スーパーガルテクト | 塗料種別 | ガルバリウム鋼板 |
| 築年数 | 20年 |
| 屋根カバー工法 | |
|
豊中市
|
 |
 |
|
| Before 施工前 |
After 施工後 |
豊中市の積水ハウスでガルバリウム鋼板を使用した屋根カバー工法
| 価格 | 93万円 | 工事期間 | 30日間 |
| 塗料名 | アイジー工業 スーパーガルテクト | 塗料種別 | ガルバリウム鋼板 |
| 面積 | 68m2 | 築年数 | 20年 |
以下は屋根カバー工法をご提案しましたが、お客様と相談の上「美装目的」で屋根塗装を実施した事例です。
| 屋根塗装 | |
|
岸和田市
|
 |
 |
|
| Before 施工前 |
After 施工後 |
岸和田市にてグリシェイドNEOの屋根塗装（塗装に不向きな屋根材）
| 価格 | 29万円 | 工事期間 | 18日間 |
| 塗料名 | 関西ペイント RSルーフ2液F 2液弱溶剤遮熱フッ素 | 塗料種別 | 遮熱フッ素 |
| 面積 | 104m2 | 築年数 | 18年 |
まとめ
グリシェイドNEOに限らず、ノンアスベストの屋根への移行期である2000年前後に製造された屋根材は耐久性など様々な問題を抱えているケースが多いです。
2001～2008年に建築された住宅で、屋根材に欠けやひび割れといった劣化症状がある場合はグリシェイドNEOである可能性があります。
特に大手ハウスメーカー建築の住宅にお住まいの方は比較的グリシェイドNEOの住宅が多いので建築時の仕様書を今一度確認されるのがおすすめです。
屋根材について正しい知識のない業者に依頼されると、「グリシェイドNEOに屋根塗装しか提案がなく、塗装をしてもすぐに割れた」といった事態に陥る危険性があるでしょう。
そのためグリシェイドNEOへのメンテナンスは、ご自宅に使用されている屋根材がグリシェイドNEOとしっかり理解した上で特徴やメンテナンス時の注意点を案内してくれる業者を選ばれると良いでしょう。
南大阪ペイントセンターではグリシェイドNEOの調査事例も多く、その他アスベスト問題当時に製造された様々な塗装できない屋根材について精通しています。
▼塗装ができない屋根材の例▼
ご自宅の屋根についてご不安やお困りごとがございましたら、ご相談だけでも大歓迎です。
お気軽にご相談をいただけますと幸いです。
