マンションの大規模修繕をお考えのオーナー様は、固定資産税が増額しないかご不安ではないですか。
今なら期間限定で固定資産税を減額できる制度、マンション長寿命化促進税制が利用できる可能性があります。当コラムでは、マンション長寿命化促進税制についてご紹介いたします。
- 固定資産税が減額できるマンション長寿命化促進税制とは?
- マンション長寿命化促進税制を適用する為の3つの条件
マンション大規模修繕で固定資産税が減額できる制度を活用できるよう、お伝えいたします。
マンションの外壁塗装についてはこちらの記事で網羅的に解説をしています。
マンションの外壁塗装が初めてでも安心!4ステップでミスなく実行
固定資産税が減額できるマンション長寿命化促進税制とは?
現在、築年数が経過し修繕が必要なマンションが増加していると言われいます。
マンションは適切な大規模修繕が行われないと、老朽化が進み周囲への悪影響が生じてしまいます。しかし、積立金が不足していると、マンション大規模修繕を行うのは不可能です。
マンション長寿命化促進税制は、必要な積立金の確保や適切な長期寿命化工事の計画を促進するために作られました。
マンション長寿命化促進税制とはどのような制度なのか、詳細をご紹介いたします。
条件を満たせば固定資産税が最大1/2になる制度
マンション長寿命化促進税制とは、条件を満たせば固定資産税を最大1/2~1/6の範囲内(参酌基準:1/3)で減額されます。
マンション長寿命化促進税制に必要な条件が以下の通りです。
- 築20年以上が経過している
- 総戸数が10戸以上ある
- 過去に長寿命化工事を行っている(2回目以降の大規模修繕である)
先ずは以上の3つの条件が必要になります。この条件をクリアできないマンションは、マンション長寿命化促進税制の対象にはなりません。
長寿命化工事とは、外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事を言います。全て同時に行っていなくても、過去に1回全ての長寿命化工事を行っている必要があります。
所有するマンションが3つの条件に当てはまるか確認することからスタートになります。
ただし期間は令和5年4月1日~令和7年3月31日までの工事完了が対象
マンション長寿命化促進税制を利用する条件を満たしていても、のんびりはしていられません。
マンション長寿命化促進税制は、令和5年4月1日~令和7年3月31日までに工事完了したマンションが対象になります。大規模修繕工事が期間内に完了するよう、早めに工事を進める必要があります。
条件を満たし固定資産税の減額を希望するオーナー様は、今すぐにでも大規模修繕が必要だとお考えいただきたいと思います。
工事完了後3か月以内に所在する市町村へ申告する必要がある
制度の利用期間内に工事が完了しても、工事完了後3か月以内に市町村へ申告する必要があります。
マンション長寿命化促進税制を申告するには、必要な書類を用意しなければいけません。工事完了後に書類を用意し始めると、3か月以内の申告に間に合わない可能性もあります。工事完了後に速やかに申告できるよう、必要な書類は早めに用意するのが肝心です。
マンション長寿命化促進税制の申告に必要な書類はこちらになります。
▼マンション長寿命化促進税制の必要書類▼
申告に必要な書類 | 詳細 |
固定資産税減額申告書 | 自治体のサイトから様式をダウンロード |
総戸数を確認できる書類 | 設計図など |
管理計画の認定通知書 又は 助言・指導内容実施等証明書(写しも可) |
自治体から発行 |
修繕積立金引上証明書 (写しも可) |
マンション管理士・建築士事務所登録をしている事務所に属する建築士から発行 |
過去工事証明書 (写しも可) |
マンション管理士・建築士事務所登録をしている事務所に属する建築士から発行 |
大規模修繕等証明書 (写しも可) |
マンション管理士・建築士事務所登録をしている事務所に属する建築士から発行 |
以上の必要書類を揃えて、自治体の申請窓口へ提出してください。
参考として大阪市の固定資産税減額申告書はこちらからダウンロードできるので、確認してください。
申告書を提出する際、マイナンバー記載+本人確認書類の提示又は写しの添付が必要になるので忘れないようにお願いいたします。
マンション長寿命化促進税制を適用する為の3つの条件
マンション長寿命化促進税制を適用する為に、クリアしなければならない条件が3つあります。
- 管理計画の認定をもらう
- 令和3年9月1日以降に修繕積立金の額を基準まで引き上げる
- 外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事の3つを行う
それでは、詳しくご紹介いたします。
管理計画の認定をもらう
マンション長寿命化促進税制を適用するには、管理計画の認定をもらうことが重要です。
管理計画の認定をもらうには、2つの方法があります。マンション管理計画認定制度を利用するか、自治体から助言・指導を受けるかになります。
✔マンション管理計画認定制度
マンション管理計画認定制度は適切な管理の為に必要な項目を審査し、自治体に認められると認定をもらえます。認定に必要な主な認定基準はこちらになります。
- 管理組合の運営状況(集会を定期的に開催しているなど)
- 管理規約を定めている(緊急時における専有部分の立入りなど)
- 経理にかかる資金計画(管理費と修繕積立金を分けれ経理しているなど)
- 長期修繕計画の作成・見直し(長期修繕計画を7年以内に作成・見直ししているなど)
マンション管理計画認定制度の詳しい認定基準はこちらを参考になさってください。
自治体によって必要な認定基準が異なる場合もございますので、所在する自治体のホームページで確認する必要があります。
✔自治体から助言・指導を受ける
基本的には、マンション管理計画認定制度を利用する必要があります。しかし、マンション管理計画認定制度の認定に不十分な場合は、自治体から助言・指導を受け基準を満たすと認定をもらえます。必要な主な基準はこちらになります。
- 長期修繕計画の内容や修繕積立金が集会で決められている
- 長期修繕計画の計画期間が30年以上で2回以上の工事が計画されている
- 長期修繕計画で将来の一時金の徴収を予定していない
- 長期修繕計画の計画期間全体の総修繕積立金の平均額が低額過ぎない
- 計画期間の最終年度に借入金の残高がない計画になっている
マンション管理計画認定制度に不十分な全てのマンションが、自治体から助言・指導を受けれるとは限りません。自治体が判断したマンションのみ、助言・指導を受けて認定をもらえる可能性があります。
自治体から助言・指導を受けた場合の詳しい認定基準はこちらを参考になさってください。
自治体から助言・指導を受けた場合の認定基準(外部リンク)
詳しい内容は自治体によって異なる場合があるので、所在する自治体に確認してください。
令和3年9月1日以降に修繕積立金の額を基準まで引き上げる
マンション長寿命化促進税制を適用するには、令和3年9月1日以降に修繕積立金の額を基準まで引き上げた場合に限ります。
マンション管理計画認定制度の認定を受けた場合と自治体から助言・指導を受けた場合とでは修繕積立金の額の基準が異なります。
マンション管理計画認定制度の認定を受けた場合の修繕積立金の額の目安の水準下限値がこちらになります。(機械式駐車場分を除く)
▼マンション管理計画認定制度の認定を受けた場合▼
地上階数/建築延床面積 | 月額の専有面積当たりの修繕積立金額 | |
【20階未満】 | 5,000㎡未満 | 235円/㎡・月 |
5,000㎡以上 10,000㎡未満 |
170円/㎡・月 | |
10,000㎡以上 20,000㎡未満 |
200円/㎡・月 | |
20,000㎡以上 | 190円/㎡・月 | |
【20階以上】 | 240円/㎡・月 |
自治体から助言・指導を受けた場合の修繕積立金の基準額がこちらになります。(機械式駐車場分を除く)
▼自治体から助言・指導を受けた場合▼
地上階数/建築延床面積 | 月額の専有面積当たりの修繕積立金額 | |
【20階未満】 | 5,000㎡未満 | 91円/㎡・月 |
5,000㎡以上 10,000㎡未満 |
63円/㎡・月 | |
10,000㎡以上 20,000㎡未満 |
69円/㎡・月 | |
20,000㎡以上 | 73円/㎡・月 | |
【20階以上】 | 69円/㎡・月 |
令和3年9月1日以前に修繕積立金の額を引き上げていた場合は対象外になります。
修繕積立金を引き上げた場合は、引き上げを証明する為に「修繕積立金引上証明書」が必要になります。マンション管理士又は建築士事務所登録をしている事務所に属する建築士に発行を依頼しましょう。
外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事の3つを行う
マンション長寿命化促進税制を適用するには、長寿命化工事と言って3つの工事全てを行う必要があります。3つの工事とは以下の通りです。
- 外壁塗装等工事
- 床防水工事
- 屋根防水工事
マンション長寿命化促進税制は令和7年3月31日までの工事完了が対象の為、上記の工事を同時に実施する必要があります。
まとめ
マンション大規模修繕で固定資産税を減額するには、マンション長寿命化促進税制を利用する方法があります。
マンション長寿命化促進税制を適用するには条件があります。必要な条件がこちらになります。
- 築20年以上が経過している
- 総戸数が10戸以上ある
- 過去に長寿命化工事を行っている(2回目以降の大規模修繕である)
- 管理計画の認定を受けている
- 令和3年9月1日以降に修繕積立金を基準まで引き上げている
- 外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事を実施する
制度の対象は、令和5年4月1日~令和7年3月31日までに工事が完了したマンションになります。
工事完了後3か月以内に所在する市町村への申告が必要な為、早めの対応をおすすめいたします。
南大阪ペイントセンターでは、多数のマンション大規模修繕を施工しております。ぜひ一度、ご相談ください。