「DIYが得意で外壁塗装にチャレンジしたいが素人が手を出していいのか?」
「ただ塗るだけならDIYで費用を抑えられるかも!」
このような疑問はありませんか?
結論、建物のことを考えると素人は外壁塗装のDIYはしない方がいいです。
どれだけDIYの経験があっても、誤った知識で塗装してしまうと建物の寿命を縮める危険性が高いからです。
たとえば塗装前に行う下地補修は素人には到底行えるものではなく失敗する可能性が高いです。
下塗りを含めての塗料選定などの専門知識がないと早期の剥がれや、逆に建物状態を悪化させてしまう恐れがあります。
結果的にプロの塗装職人へ依頼した際に塗膜の撤去費用がかかるなど、お客様の費用負担が増えてしまうかもしれません。
せっかくDIYで外壁塗装の費用を抑えようと考えているのに、結果的に施工費用が高額になってしまうことは避けたいですよね。
そこで当ページでは外壁塗装のDIYについて、一級塗装技能士監修のもと以下の内容にまとめてみました。
・外壁塗装のDIYの手順(結論、素人では無理です)
・DIYをおすすめできない理由
・実際にあったDIYの失敗の事例
1.外壁塗装のDIYをする7つのステップ(素人では無理!)
1-1.足場仮設工事・飛散防止ネット張り
1-2.下地補修・コーキング工事など
1-3.高圧洗浄工事
1-4.養生
1-5.塗装工事(下塗り・中塗り・上塗り)
1-6.付帯塗装(雨樋や雨戸など)
1-7.足場解体
2.外壁塗装のDIYを絶対におすすめできない4つの理由
2-1.外壁塗装で一番大切な下地補修は素人では難しすぎる
2-2.知識がないまま塗装をすると建物の劣化を早めてしまう
2-3.DIYを失敗した後にプロにお願いすると施工費用が高額になりやすい
2-4.高所作業のため転落の危険性がある
3.DIYをして建物を傷めてしまった失敗例
3-1.DIYでベランダ床へ塗装をしたことで塗膜が膨れて撤去費用が発生
3-2.水切りの隙間にコーキングを施工したことで雨漏りが発生
4.知り合いに塗装職人がいても建物にはDIY厳禁!
5.まとめ
1.外壁塗装のDIYをする7つのステップ(素人では無理!)
外壁塗装は単純に塗料を塗り重ねていくというイメージがあると思いますが、本当の目的は補修をして建物全体の防水性を維持することです。
ただ塗料を塗るだけでは外壁のメンテナンスにならないのです。
具体的には雨漏りの原因となるひび割れへコーキングをするだけでなく、左官補修をして外壁との段差を埋めるなど複雑な工程があります。
1-1.足場仮設工事・飛散防止ネット張り
足場の組立てと洗浄水や塗料の飛散を防止するネットを取り付けます。
ちなみに足場をレンタルした場合の費用は以下のようになります。
一般的な2階建ての戸建ての場合、足場と飛散防止ネットを合計した足場のレンタル費用は30日間で大体15〜20万円ほどです。
引用:足場のレンタルにはいくら必要か?相場価格や算出方法もご紹介(株式会社ギアミクス)
1-2.下地補修・コーキング工事など
あらかじめひび割れなどの痛みを補修します。
サイディングやALCなどの外壁の場合は目地があるので事前にコーキング工事を行います。
外壁の防水性を維持するためには、塗装よりもコーキング工事などの下地補修の方が大切と言われているくらいです。
コーキング材はホームセンターで簡単に入手が可能ですが、誤ったコーキング材を選定してしまうと早期剥がれの原因になるので専門知識が必要です。
1-3.高圧洗浄工事
高圧洗浄は旧塗膜や長年の汚れを洗浄することで新しい塗料の密着が良くなり剥がれ防止に繋がります。
洗浄するというより、高水圧で塗膜を削るというイメージが近いです。
使い方を誤ると怪我をするほどの水圧です。
こちらは弊社で使用している業務用高圧洗浄機です。
家庭用の高圧洗浄の水圧では旧塗膜を削ることは難しいので、ガソリンを燃料とした業務用高圧洗浄を使用しなければなりません。
基本的に個人の方へ業務用高圧洗浄機のレンタルを行っている業者は少なく、購入かレンタルかは入念な下調べが必要だと思います。
1-4.養生
塗装をしない箇所をビニールで覆い保護します。
外装業界では「良い塗装は良い養生から」という言葉があるくらい、養生の善し悪しは塗装の品質を左右するくらい大切な工程です。
養生の丁寧さを見ればその職人さんの腕前が分かるとされています。
1-5.塗装工事(下塗り・中塗り・上塗り)
外壁塗装は基本的に下塗り→中塗り→上塗りの3工程で行います。
下塗りには上塗り用の塗料と下地が密着する為の接着剤の役割にあります。
中塗りと上塗りで仕上げ用塗料を使用し、塗膜に厚みをつけて耐久性を確保します。
外壁塗料もコーキング材同様にホームセンターで簡単に入手は可能です。
ですが外壁材の特性を把握しないまま誤った塗料選定をしてしまうと、すぐに剝がれてしまう可能性が高いので要注意です。
1-6.付帯塗装(雨樋や雨戸など)
美観向上や保護が目的で外壁以外の付帯部にも塗装をします。
雨樋などは塩化ビニール素材で表面がツルっとしており、滑らかな表面に塗料を塗ってもすぐに剝がれてしまうのです。
ですので付帯部の塗装では事前にケレン作業(ヤスリがけ)で細かいキズをつけ塗料のひっかかりを良くさせる工程が特に重要です。
更にアルミやステンレス素材へは塗装をしてもすぐに剝がれてしますので、材質の特性を見極めることが必要です。
1-7.足場解体
足場を解体します。
万が一解体中に足場材が倒れてしまうと、通行人や車にぶつかる可能性もあります。
できれば解体は足場業者へ頼まれた方が安全です。
2.外壁塗装のDIYを絶対におすすめできない4つの理由
これまでの外壁塗装の手順を考えると、やはり外壁塗装のDIYはおすすめできません。
理由は以下の4つです。
- 外壁塗装は下地補修が一番大切なので素人では難しすぎる
- 知識がないまま塗装をすると建物の劣化を早めてしまう
- DIYを失敗した後にプロにお願いすると施工費用が高額になりやすい
- 高所作業のため転落の危険性がある
2-1.外壁塗装で一番大切な下地補修は素人では難しすぎる
下地補修は塗装職人でないと難しいので、どれだけDIYに慣れていても素人にはおすすめできません。
まずは上記の写真をご覧いただきたいのですが、特殊な機械を使用したり複雑な左官補修の工程があります。
写真にあるようなサンダーと呼ばれる機械を使用してV字型の溝になるように削らなければなりません。
その後溝をコーキングで埋めても、今度は外壁との段差を埋める左官補修の作業が待ちかまえています。
正直、素人ではこの下地補修の工程は難しすぎると思います。
1-2章でもあったように、外壁塗装には下地補修が一番重要です。
目に見えるひび割れだけでなく、塗膜が剝がれかかっている箇所も見極めなければなりません。
必要に応じてひび割れを深く削ったり、脆くなった塗膜を広範囲にわたって撤去する必要があります。
仮に剥がれかかった塗膜の上から新しく塗装をしても、せっかくDIYで塗った箇所が剝がれてしまいます。
下地補修の技量が塗装のモチを左右すると言っても過言ではありません。
下地補修は適切な塗料や工法の選定が必要なので、DIYには手を出されない方が賢明です。
2-2.知識がないまま塗装をすると建物の劣化を早めてしまう
職人レベルの知識がないまま施工をしてしまうと、大切なお住まいの寿命を早める危険性があります。
たとえばですが「雨の入り込みそうな隙間をすべて埋めれば問題ないのでは?」というお考えは危険です。
建物には万が一雨が入り込んでしまっても、雨が流れて建物内部に雨水が留まらない仕組みになっています。
具体的にはサイディングボードの横目地や基礎の取り合いにある水切りなどが挙げられます。
塞いではいけない隙間をコーキングなどで埋めてしまうと、雨が排出されず雨漏りの原因になり木材を腐食させてしまいます。
外壁の素材だけでなく建物全体の構造を熟知している必要があるため、安易なDIYはされない方が良いです。
2-3.DIYを失敗した後にプロにお願いすると施工費用が高額になりやすい
「DIYをしたけど自分ではどうすることもできなくなった!」
そういったDIYを失敗した状態でプロの塗装業者へ依頼すると施工費用が高額になりやすいです。
たとえば2-2章の例で水切りの隙間にコーキングをしたことで雨漏りした場合、コーキングの撤去費用がかかります。
コーキングに問わず塗料の場合でも、誤った施工をした場合すべて撤去する工程から開始します。
そのためDIYを失敗した場合、コーキングや塗膜の撤去費用が余分にかかるとお含みおきください。
2-4.高所作業のため転落の危険性がある
足場での作業に不慣れな方が作業をする場合、転落事故の可能性があり大変危険です。
足場を使わない軽微なDIYをお考えの場合でも、手の届かない補修箇所のDIYは脚立や梯子が必要なので危険を伴います。
不安定な高所でDIYを行うと素人なら失敗する確率も高まりますし、何より転倒での怪我のリスクがあります。
危険な高所作業はプロの塗装職人に任された方が安全です。
3.DIYをして建物を傷めてしまった失敗例
弊社にもDIYをしてからの塗装工事のご相談は少なくありません。
そこで実際にお客様がされたDIYの例を紹介いたします。
3-1.DIYでベランダ床へ塗装をしたことで塗膜が膨れて撤去費用が発生
ベランダの床をホームセンターの塗料で自分で塗装されている方は非常に多いですが、かなりの高確率で塗膜の捲れ発生しています。
ホームセンターでも様々な種類のベランダ塗料が陳列されてるので、「DIYができるかも」と思われるお気持ちもよく分かります。
しかしホームセンターで売ってる塗料で塗装されたケースを多くみてきましたが、すぐに捲れている印象を受けます。
膨れが起きた塗膜を撤去してからでないと塗装ができないため撤去費用がプラスでかかります。
膨れの原因は様々ですが、下地処理が不十分だったり乾燥しきらない状態で塗装して湿気がこもったたことで膨れが生じたと考えられます。
DIY後にプロの塗装職人へ依頼すると元の塗膜を捲ってからでないと施工ができず、最悪の場合施工ができないなどの手遅れになる可能性があります。
3-2.水切りの隙間にコーキングを施工したことで雨漏りが発生
上記写真はDIYをされた方の写真ではありませんが、基礎と外壁との取り合いにある部材を水切りと言います。
DIYで壁のひび割れを埋めるついでに、余ったコーキング材がもったいないため水切りの隙間を埋めてしまいました。
水切りの雨水の逃げ道が塞がり雨漏り被害へ発展してしまいました。
コーキングの撤去費用自体は数千円程度ですみましたが、雨漏りによって建物へは深刻なダメージを残す結果となりました。
DIYで雨漏りが発生しやすい事例ですと、サイディングボードの横目地をコーキングで埋めてしまうと雨漏りへと繋がりやすいです。
横目地は水切りの隙間同様に、雨水を逃がす抜け道のような構造になっています。
万が一サイディングの横目地をコーキングで埋めてしまうと、雨水が内部に留まりボードを傷めてしまう原因になります。
誤った知識でDIYをすることで、雨漏りなどの劣化原因を作り建物の寿命を縮めてしまうのです。
4.知り合いに塗装職人がいても建物にはDIY厳禁!
建物へのDIYはお客様の大切な資産を損ねてしまう可能性があるため、絶対にしない方が良いです。
仮にお知り合いに塗装職人さんが居たとしてもDIYは手を出されない方が賢明です。
最近ではYoutubeやブログなどで、外壁塗装のDIYを取り上げられている例も多いです。
その多くが「知り合いの職人さんへ聞きながらDIYをした」といったケースが目立ちます。
建物への影響がないDIYでしたら、プロ監修のもと試してみる価値はあるでしょう。
しかし冒頭でお伝えしたように外壁塗装のDIYは大切な建物(資産)を傷つけてしまう可能性がもあるため、お客様の資産を守るためにもDIYは厳禁とご理解ください。
営業担当より一言
建物のことを考えると外壁塗装のDIYは素人は手を出さない方がいいです。
専門知識が無いと早期の剥離や、逆に状態を悪化させてしまう恐れがあります。
DIYの塗装ではイスや小物程度までの方が賢明だと思いますよ。
5.まとめ
- 外壁塗装は下地補修が重要で、DIYでは下地補修が難しすぎる
- 塗料や外壁だけでなく、建物の構造を熟知していないままDIYをすると雨漏り被害へと繋がる
- 誤ったDIYをすると、塗膜やコーキングの撤去費用がプラスでかかり復旧費用が嵩む
- 不慣れな足場での作業や脚立からの転落の危険性がある
一般的な戸建て住宅の外壁塗装はプロの職人が施工しても1~2名の人員で約2週間かかります。
”ただ塗るだけ”ですとDIYレベルでもできるかもしれませんが、塗装の本来の目的は建物の防水保護です。
塗料メーカーが推奨する決められた塗布量を計算して、繊細な力加減で調整して塗り重ねます。
「一級塗装技能士」という国家資格があるくらい、細かい技術や知識が必要なのです。
知識や技術がないままDIYをすると、たとえば埋めてはいけない隙間をコーキングで塞いでしまうと雨水の逃げ道がなくなって雨漏りする、といった事態も起こり得るのです。
ですが「それでもDIYにチャレンジしてみたい!」というお気持ちもよく分かります。
実際に弊社でも「自分で外壁塗装をしたいのですが…」といったご質問をいただきます。
▼お客様からよくいただく質問をまとめています▼
お客様からQ&A
どんな些細なことでもお気軽にご相談いただけると幸いです。