「屋根塗装は何回塗るのが正解なの?」
「多く塗れば塗るほど安心なの?」
と疑問をお持ちの方も少なくはないのではないでしょうか?
結論から申し上げますと、屋根塗装は基本的に3回塗りを行います。ただし屋根の傷みが激しい場合は4.5回塗装することも…。
こちらの記事では、屋根塗装の適切な塗装回数についてや適切な塗装回数を守ることの重要性など「屋根塗装の回数」についてお話していきたいと思います。
こちらの記事を読むとわかること
・屋根塗装の回数について
・適切な回数を守らない時に起こるリスク
・塗装回数が多いからといって安心できない理由
・塗装回数が守られているか確認する方法 など
適切な塗装回数を守らないと起こるリスク3つ
1.塗膜が剥がれてしまう
2.塗装にムラが生じてしまう
3.耐用年数が短くなってしまう
屋根の塗装回数が守られているか確認する方法3つ
1.見積書や工程表を確認する
2.工事の写真を撮ってもらう
3.中塗りと上塗りの色を分けて塗装してもらう
屋根塗装は基本的に3回塗りを行います
屋根塗装は「下塗り→中塗り→上塗り」の3回塗りが基本です。
✅下塗りの役割
下塗りは接着剤のような役割を持ち、この後行う中塗りと上塗りの密着性を高めるために行います。また、塗装面の凹凸や傷補修・保証し、表面を平に整える働きも持ちます。
また、劣化した屋根材には細かな傷がたくさんありそのままの状態で塗装してしまうと塗料がどんどん吸い込まれてしまいます。そのため最初に下塗り材を吸い込ませておきこの後行う中塗りと上塗りの吸い込みを防ぎます。
下塗りには専用の下塗り材を使用します。色は主に白色です。
✅中塗りの役割
中塗りは塗料の性能を発揮させるために行います。また、下塗り材の色を消し上塗りの密着性をさらに高めるために塗装していきます。
塗料本来の性能とは…?
・防汚性や防水性など
・屋根を守るための塗膜を形成 など
✅上塗りの役割
中塗りで生じたムラや塗り残しを補修し塗膜の厚みを整えていきます。屋根の見た目を決定づける工程であり美観性を整える役割があります。
これら「下塗り・中塗り・上塗り」共にそれぞれの役割を果たして初めて、屋根塗装本来の機能性や耐久性を発揮することができるのです。
4回以上塗装が必要なケース
屋根塗装は基本的には3回塗りなのですが、4回以上塗装が必要なケースもございます。
✅屋根の劣化が激しい場合
屋根の劣化が激しい場合、塗装回数が増えることがあります。劣化が激しい屋根は傷などが多く下塗りを1度したとしても塗料の吸い込みが追い付かず吸い込みが収まらないまま中塗りや上塗りをしてしまうと均一な仕上がりになりません。
そのため1回の下塗りで補修しきれない場合は下塗りを2回・3回と増やすことがあります。
✅メーカー規定で4回以上の塗装が決められている場合
塗料にはメーカーが定めた適切な塗装回数がございます。基本的には3回塗りの塗料が多いのですが、塗料の仕様として塗装が4回以上必要な塗料もあります。
例:日本ペイントのハナコレクション・日進産業のGAINAなど
使用する塗料によっては2回塗りの場合もある
反対に、使用する塗料によっては「下塗り不要」の塗料や「中塗り不要」の塗料もあります。選んだ塗料の適切な塗装回数はパンフレットや塗料メーカーのホームページにて確認することができます。
ですが、やはり屋根の劣化が激しく塗料の吸い込みが激しい場合は、別途下塗りを行う場合もあります。
塗装回数が多いからといって安心というわけではない
「訪問業者に ” うちなら4回塗りや5回塗りで屋根塗装ができます ”と提案された。塗れば塗るほど安心なの?」
といったご相談を頂きました。結論から申し上げますと、塗装回数が多いからといって安心といったわけではありません。
塗料には適切な塗装回数がメーカーによって定められていると先程お話しました。そのため、塗れば塗るほど耐久性が向上されるといったわけではないのです。場合によって塗膜を厚く塗りすぎたことによってかえって施工不良が生じるケースもございます。
業者から3回塗り以上の屋根塗装を進められた時は
・なぜ基本回数よりも多い塗装が必要なのか
・どんな塗料を使用するのか、使用塗料の内訳
確認するようにしましょう。
悪徳業者の中には「塗り回数が多いと耐久性が高まる」「回数を増やしているから塗膜が剥がれにくい」と話す営業もいますがそれは間違いです!塗装回数が多い分、費用を高く請求する業者もいますので注意しましょう。
適切な塗装回数を守らないと起こるリスク3つ
ここからは、適切な塗装回数を守らないと起こるであろうリスクを3つご紹介していきたいと思います。
塗膜が剥がれてしまう
適切な回数を守られていない場合、塗膜と屋根の密着性が低く施工後すぐに塗膜がボロボロと剥がれてしまうことがあります。
こうした場合、屋根塗装本来の機能を発揮できず屋根は無防備な状態です。どれだけ高機能な塗料を使用したとしても、本来の力(防水性など)を発揮することが出来ていない状態ですので、雨漏りなどの原因となります。
塗装にムラが生じてしまう
適切な塗装回数を守れていない場合は、屋根表面の凹凸が残り綺麗に塗装することができません。
そのため塗り残しや塗りムラが生じ、どんな技術力に長けた職人が塗装したとしても綺麗に仕上げることは困難でしょう。
耐用年数が短くなってしまう
塗膜が剥がれ塗装にムラが生じた屋根の耐久性は本来の耐久性の半分も期待できません。高いお金を出して屋根塗装をしても何の意味もないのです。
メーカーが定めた適切な塗装回数をしっかりと守り、適切に工事を進めた場合のみ塗料の期待耐用年数が発揮されます。
屋根の塗装回数が守られているか確認する方法
とは言え、本当に適切な塗装回数が守られているのか不安ですよね。そこでここからは簡単に屋根の塗装回数を確認できる方法をご紹介したいと思います。
見積書や工程表を確認する
見積書に使用塗料の記載があるか確認しましょう。多くの業者の場合、使用塗料の覧に塗装回数も記載されています。上記は弊社の実際の見積書です。
もし見積書に下塗りの記載がない場合は要注意です。下塗りが不要な塗料もありますが基本的には下塗りは必ず行わないといけない工程であるため、下塗りの記載がない場合は手抜き工事をされる可能性もあることからよく確認しましょう。
また、工事の際には工程表が配られます。(工程表がもらえない場合は業者に提出を依頼しましょう)
工程表と実際の工事の進捗具合を確認することで予定通りの期間で塗装が進行しているのか確認することができます。
工事の写真を撮ってもらう
屋根はお客様から見えない高所にあります。そのため肉眼でなかなか工事の進捗を確認することが難しいでしょう。
そうした場合は、作業の工程を写真に撮ってもらって確認しましょう。職人に言いずらい場合は担当営業に声掛けをして頂くとすぐに対処してくれるでしょう。
写真に撮ることで、工事の進捗状況や作業内容を確認することができおすすめです。
中塗りと上塗りの色を分けて塗装してもらう
下塗りには専用の下塗り材(白色)を使用しますが、中塗りと上塗りでは同じ塗料を使用します。
そのため何回目の塗装であるのか把握することが難しいことから、確実に塗装回数を守ってもらうために少しだけ色を変えて塗布してもらう方法があります。
弊社の場合、適切な塗り回数を守るため以外にも、塗りムラや塗り残しを防ぐために中塗りと上塗りでは少し色を変えて塗装していきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
屋根の塗装回数は「下塗り→中塗り→上塗り」の3回塗りが基本です。ですが使用する塗料や屋根の状態によっては塗装回数が増えることもあります。
また、塗れば塗るほど耐久性が向上されるといったわけではないことも理解しておきましょう。
適切な塗装回数を守らないと起こるリスク3つ
1.塗膜が剥がれてしまう
2.塗装にムラが生じてしまう
3.耐用年数が短くなってしまう
屋根の塗装回数が守られているか確認する方法3つ
1.見積書や工程表を確認する
2.工事の写真を撮ってもらう
3.中塗りと上塗りの色を分けて塗装してもらう
最後までお読みいただきありがとうございました。