コーキングとは?特徴や種類とメンテナンスが必要な劣化症状を解説

コーキングとは?特徴や種類とメンテナンスが必要な劣化症状を解説
コーキングとは隙間を埋めたり防水目的で施工される部材のことです。

屋外ですと外壁の隙間をコーキングで埋めて雨水の侵入を防ぎ、屋内ですと浴室やキッチンの防水目的に使用されています。

様々なシーンで使用されるコーキングについて、こちらのページでは以下の内容を解説しています。

こちらのページでわかること

・コーキングの特徴と役割
・使用シーンによって違うコーキングの主な種類
・コーキング工事が必要な外壁の劣化症状
・コーキング工事の工法と施工費用
・コーキング工事の施工事例

 

無料見積もりを依頼する

監修者情報
監修者 榎本悟

榎本悟

一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。


監修者 橋本卓哉

橋本卓哉

雨漏り診断士
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。

1.コーキングとは?

建物や水回りなどで使用されることが多いコーキングについて解説します!

1-1.コーキングは隙間を埋める材料

コーキング
コーキングとは隙間を埋めるための部材です。

上の写真の緑のテープの間にある白い部分がコーキングです。

1-2.コーキングは防水と割れを防ぐことが目的

サッシ周りにコーキング増し打ち
コーキングは主に水の侵入を防ぐ防水目的で施工されます。

目的1.隙間を埋める
目的2.揺れを分散させ破損を防ぐ

防水目的はもちろんですが、外壁にコーキングを施工することでわずかな揺れで起きる外壁の動きに合わせて伸縮してくれるので、緩衝材のような役割で外壁の割れを防ぎます。

1-3.コーキングをする箇所(屋内)

浴室で使用されるコーキング
屋内ですと浴室やキッチンの防水目的に使用されています。
触れるとゴムのような弾力性がある部分がコーキングです。

浴室床のコーキング
ちょうど筆者の浴室床のコーキングが剝がれてしまいました。
コーキングが取れている部分は、段差部分が角になっており踏むと痛いです。

コーキング打設後の浴室
プロの業者さんにコーキングを打ち直してもらいました。
コーキングがあるおかげで躓く心配もなく安心です。

1-4.コーキングをする箇所(屋外)

外壁のコーキング工事
使用シーンとして一番に挙げられるのが外壁です。

外壁の場合ですと…

・ボード同士の目地
・サッシ廻り
・幕板廻り
・軒天廻り
・入隅

上記のような部位にコーキングを打設します。

1-5.コーキングとシーリングは同じ

コーキングとシーリングは同義語
結論からお伝えすると、コーキングとシーリングは同じものです!
「コーキングとシーリングは何がちがうの?」といったご質問をよくいただくので、疑問に思われている方も多いでしょう。

建築業界では同義語として扱われています。
しかし職人や会社・地域によって呼び方が統一されていないことで、混乱を招いてしまうのかもしれません。

コーキング・シーリングは呼び方が違うだけで、どちらも同じものとしてご認識いただくといいでしょう。

2.コーキングの主な種類

コーキングと言っても使用する場所によって様々な種類があります。

たとえば屋外のDIYに紫外線に弱いコーキングなどを使用してしまうとすぐに劣化してしまいます。

種類 外壁使用 使用シーン
シリコン系コーキング 屋内・水回り
アクリル系コーキング 現在はほぼ使用されていない
変成シリコン 塗装が不要な付帯部など

ノンブリードウレタン 目地、サッシ廻り(塗装必須)

まずはどのようなコーキング材があるか種類を押さえておきましょう。

2-1.シリコン系コーキング(外壁NG)

屋内で使用するシリコン系コーキング
シリコン系コーキングはキッチンや浴室などに使用されるコーキング材です。
耐久性、耐候性、耐熱性、撥水性に優れており、水によるダメージを受けやすい場所での使用にピッタリです。

ホームセンターなどで簡単に入手でき、取り扱いも比較的容易なのも特徴です。

ただし、外壁のDIYには絶対に使用NGです!
なぜかと言うと、シリコン系コーキングの上からは塗装ができないためです。
仮に塗装できたとしても早期剝がれの原因になるので、外壁にはシリコン系コーキングを使用しないでおきましょう。

2-2.アクリル系コーキング(外壁NG)

アクリル系コーキングは1980年代以前に外壁に使用するコーキング材として普及していました。

シリコン系と違い上から塗装することはできますが、紫外線に当たると短期間でひび割れなど劣化を起こすので現在はほとんど使用されていません。

2-3.変成シリコン(外壁OK)

変成シリコン
変成シリコンは紫外線や雨など直接受けやすい場所に適しています。

耐久性は高いですが、一方で伸縮性は低いのが特徴です。

浴室などに使用されるシリコン系とは違い、常時水に触れる箇所には不向きです。
変成シリコンの上から塗装は可能ですが、後ほど紹介するNBウレタンの方が塗料との密着性が高いです。

笠木と劣化したコーキング
そのため、ベランダの手すり部分にあたる笠木(かさぎ)のコーキングなど、上から塗装をしない箇所に使用されるケースが多いです。

特に笠木は雨風や紫外線をダイレクトに受ける所なので変成シリコンが適しています。

2-4.ノンブリードウレタン(外壁OK)

ノンブリードウレタン
躯体や塗料との密着性が抜群なノンブリードウレタン
見積書などにはNBウレタンといった表記がされる場合もあります。

コーキングの劣化の原因となるブリード現象が起きにくい仕様です。

目地のブリード現象(黒ずみ)
ちなみにブリード現象はコーキングの成分に含まれる可塑剤が染み出てきて、表面がベタベタとする現象のことです。
写真のようにノンブリードではないコーキングを使用すると、写真のようにコーキング表面がベタつき汚れがついて黒っぽくなります。

伸縮性は高いですが、紫外線にはあまり強くないです。
そのため、上から塗装で保護することが前提となります。

3.コーキングの打ち直しが必要な外壁の劣化症状4選

様々な役割や種類があるコーキングですがもちろん寿命はあります。
紫外線や雨風の影響を受けやすいことから、約7~10年程度で徐々に硬化し劣化していきます。

コーキング施工当初はゴムのような弾力性がありますが、紫外線を受けること少しずつ硬くなりやがてひび割れなどの劣化となります。

具体的にどのような症状があればメンテナンスが必要であるか、危険度が高い順に詳しく紹介します。

3-1.コーキングの剝がれ

コーキングが剝がれた目地
コーキングの剝がれがある場合、内部のボンドブレーカーと呼ばれる青色のテープが見えます。

このボンドブレーカーはコーキングの密着を防ぐためのテープです。

コーキングが完全に剝がれている状態なので、サイディングボードの内部にどんどん湿気や雨水が侵入し、湿気が外部に逃げようとする力が働き外壁材を押し上げてしまいます。

浮いてしまったサイディングボードは完全に元通りにすることが難しいため、できれば剝がれてしまう前段階で外壁塗装工事を依頼された方が良いでしょう。

3-2.コーキングの破断

破断したコーキング
コーキングが破断は、ひび割れなどの初期の劣化症状が進行することで起きます。

お住まいの外壁でこのような症状があれば、すぐに点検依頼を検討しましょう。

3-3.コーキングのひび割れ

コーキングのひび割れ
コーキングにひび割れがある場合、できる限り早急なメンテナンスが必要です。

紫外線や雨の影響を受けることによって硬く硬化したコーキングはひび割れが生じてしまいます。
これは施工不良ではなく経年劣化の一種ですので避けては通れません。

外壁材がサイディングの場合はボードの下に二次防水の役割で防水シートが施工されており、ひび割れが雨漏りに直結するわけではありません。

しかし、写真のようなALCの場合は防水シートが施工されていないケースが多く、雨漏りの直接的な原因になりますので早急に点検依頼をしましょう。

3-4.コーキングの縮み

コーキングの縮み
コーキングが縮み、隙間が出来ている場合は注意が必要です。

これは弾力性がなくなり硬く硬化したことによってコーキングの厚みが薄くなってきたため生じます。

上記でご説明させて頂いた破断やひび割れに比べ緊急度はありませんが、今後どんどん劣化が進行してしまいますので早急な対処をされることをおすすめしております。

4.コーキング工事の2つ工法と施工費用

コーキング工事には2種類あり、既存のコーキングを撤去する場合は撤去・打ち替え工法。
既存のコーキングの上から施工する場合は、増し打ち工法を行います。

工事項目 1mあたりの単価
増し打ち工法 450円~750円
撤去打ち替え工法 750円~1,100円

4-1.コーキング増し打ち工法(450円~750円/m)

増し打ち工法とは、既存のコーキング材の上から新しいコーキング材を充填させていく工法です。

増し打ち工法の工程

ALCのコーキング増し打ち

  1. 既存コーキングの汚れを清掃しプライマーという接着剤のような役割のものを塗布する
  2. コーキング材を既存のコーキングの上から塗布する(養生からはみ出さないように丁寧に)
  3. 専用のヘラで平にならし乾燥させたら完成

増し打ち工法のよくある施工箇所

1.サッシ廻りなど

サッシ廻りにコーキング材充填
既存コーキングを撤去することによって、外壁材や内部の防水紙を傷つけるリスクのある場合には増し打ち工法を実施します。

2.入隅(いりずみ)

コーキングとは外壁の継ぎ目の事!シーリングも同じ意味です 入隅
入隅(いりずみ)まわりなども外壁材を傷つけるリスクがありますので増し打ち工法を推奨しています。

3.ALC外壁の一度目のメンテナンス

コーキング工事後のALC
ALC外壁のコーキング工事にも増し打ち工事を実施しております。
ALC外壁は他の外壁材に比べ厚みがあるため溝が深く、上からコーキング材を充填する増し打ち工事でも十分とされているからです。

2回目の塗装工事のALCの目地
しかし二度目のメンテナンスをされるALC外壁では厚みがほぼなくなっているため、増し打ち工法ではなく打ち替え工法を実施します。

4-2.コーキング打ち替え工法(750円~1,100円/m)

打ち替え工法とは既存のコーキング材を撤去したあと新しいコーキング材を充填させる工法です。

打ち替え工法の工程

コーキング撤去打ち替え工法

  1. 古い既存のコーキングをカッターで撤去する
  2. 溝に溜まった汚れを清掃する
  3. プライマーという接着剤のような役割のものを塗布する
  4. 新しいコーキング材を奥までしっかりと充填させ専用のヘラで平にならしたら完成

5.コーキングの劣化が原因で外壁塗装を実施した事例

「コーキングの剝がれが気になる」といったコーキングの劣化に気づかれ、塗装工事をご依頼いただくケースは非常に多いです。

そこでコーキングの劣化がきっかけで外壁塗装を実施した事例を紹介いたします。

岸和田市でサイディングへ超低汚染型シリコン塗料使用の塗装工事

岸和田市でサイディングへ超低汚染型シリコン塗料使用の塗装工事

価格 126万円 工事期間 19日間
塗料名 関西ペイント RSゴールドSI 水性2液超低汚染シリコン 塗料種別 超低汚染型シリコン
面積 173m2 築年数 20年

価格 126万円
工事期間 19日間

羽曳野市で築15年のサイディング外壁に鮮やかなグリーンへ塗り替え

羽曳野市で築15年のサイディング外壁に鮮やかなグリーンへ塗り替え

価格 126万円 工事期間 15日間
塗料名 関西ペイント RSシルバーグロスSI 水性ラジカルシリコン 塗料種別 ラジカルシリコン
面積 178m2 築年数 15年

価格 126万円
工事期間 15日間

6.コーキング工事でお困りなら南大阪ペイントセンターにお任せください

コーキング工事をしている職人
コーキング劣化は雨漏りなどお住まいの寿命を左右してしまうため、適切なメンテナンスが必要です。

DIYでのメンテナンスも可能ですが、素人の方が補修されますと細部まできちんと隙間を埋めることが難しく再度劣化が進行してしまうケースが多いです。

南大阪ペイントセンターでは塗装工事以外は専門の職人さんにお願いしています。
理由はコーキング工事は国家資格があるほど専門性の高い技術が要求される作業だからです。

塗装職人でも塗装以外もできることはありますが、「餅は餅屋」という言葉もあるように専門工事は専門職人にお願いするのが一番だという結論になりました。

弊社以外を見渡しても専門の職人さんに依頼するケースが多いです。
逆に塗装職人が見様見真似でコーキング工事をしてコストを安くおさえようとするケースもありますがおすすめできません。

コーキングの劣化に気づかれたら、一度南大阪ペイントセンターへ是非ご相談ください!

7.まとめ

  • コーキングとは隙間を密閉した防水目的で施工
  • コーキングとシーリングは同義語
  • コーキングの主な種類

    ・シリコン系コーキング
    ・アクリル系コーキング
    ・変成シリコン
    ・ノンブリードウレタン

  • コーキング工事が必要な外壁の劣化症状

    ・コーキングの剝がれ
    ・コーキングのひび割れ
    ・コーキングの破断
    ・コーキングの縮み

  • コーキング工事の工法と施工費用

    ・増し打ち工法(450円~750円/m)
    ・打ち替え工法(750円~1,100円/m)

コーキングは非常にシンプルな工程に見えますが、国家資格があるほど非常に専門性の高い工事です。
南大阪ペイントセンターでは職人歴20年以上のベテランのコーキング職人が在籍していますので、お困りごとがあれば是非相談いただけますと幸いです!

監修者情報
監修者 榎本悟

榎本悟

一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。


監修者 橋本卓哉

橋本卓哉

雨漏り診断士
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。

お問い合わせ tel:0120-306-912 無料見積もりを依頼する LINEで相談する
お問い合わせ
0120-306-912
【受付時間】9:00〜18:00 【定休日】日・祝
無料見積もりを依頼する LINEで相談する