塗装工事を検討するために家の仕様書を見返すと「パワーボード」という外壁材が使われていると判明!
そんなお客様のために、パワーボードの塗装について徹底解説をいたします。
パワーボードについて専門知識がない業者に任せないためにも、ご自宅の外壁材をしっかり把握したいですね(^-^)
南大阪ペイントセンターのマナベと申します。
「パワーボードの塗装って何に注意すべき?」
「業者にコーキングが傷んでいないので工事は不要って言われたけど…本当?」
こんな疑問やご不安はありませんか?
パワーボードの塗装は適用下地がALCである塗料の使用や、コーキング工事が必須になります。
もっとパワーボードについて知るために、現場の職人さんやメーカーに問い合わせをした内容も掲載しています。
・パワーボードの塗装目安時期と注意点
・パワーボードとコーキングの深い関係性
・パワーボードの塗装の料金相場
・パワーボードの外壁塗装の事例
1.パワーボードのあらまし
1-1.旭化成建材が生み出したALCパネル
1-2.木造住宅専用の軽量で高耐久な外壁材
2.パワーボードの塗装の目安時期は築15年前後
3.パワーボードの塗装の抑えたいポイント
3-1.パワーボードには透湿性のある塗料を使用(直貼りの場合)
3-2.パワーボードの直貼り工法or通気工法
3-3.パワーボードは基本的に直貼りがほとんど
4.パワーボードはコーキング工事が重要
4-1.パワーボードはコーキング工事がマスト!
4-2.築15年程の初回工事はコーキング増し打ち工法(安価)
4-3.2回目の塗装工事はコーキング撤去打ち替え工法(高額)
4-4.パワーボードはウレタン系のコーキングを使用
5.パワーボードの塗装の費用は?
5-1.30坪の外壁塗装の平均相場は約95.8万円(税別)
5-2.パワーボードだからといって特別料金に変動はない
5-3.注意すべきはコーキング工事による費用変動
6.パワーボードの塗装についてのまとめ
7.パワーボード(ALC含む)の外壁塗装の事例
パワーボードのあらまし
旭化成建材が生み出したALCパネル
パワーボードは正式には「ヘーベルパワーボード」という名称で旭化成建材が販売しているALC外壁の一種です。
本コラムでは「パワーボード」と略してご紹介をいたしますね。
メーカー | 旭化成建材 |
素材 | ALC(軽量気泡コンクリート) |
サイズ | 主なサイズは600ミリ×1800ミリ 厚みは37ミリ |
使用シーン | 分譲や建売の一般的な工務店等が使用する |
木造住宅専用の軽量で高耐久な外壁材
特筆すべき特長はパワーボードは木造住宅専用ということ。
なぜ木造住宅専用かと言いますと、以下の特長があるからです。
・軽量なので木造住宅の構造体の負担が少ない
・37ミリの厚みで防火性と耐久性が◎
軽くて耐火性にも優れ耐久性も抜群と聞くと、まさに非の打ちどころのないパワーボード。
ですがパワーボードにも弱点があります。
それはパワーボード自体に雨水を弾く防水性がないので、パワーボード自体に防水塗装をする必要があるという点です。
パワーボードの塗装の目安時期は築15年前後
パワーボードの塗装は築15年前後を目安にされると良いでしょう。
理由としては築17~20年ほどでご依頼されるケースが多いのですが、ほとんどの場合目地のコーキングが傷み外壁にも何らかの不具合が起きていることがあるからです。
次項でもご紹介しますが、築15年でもコーキングに痛みがある場合が多いのです。
一般的に「外壁塗装は10年に一度」と言われていますが、10年を目途に少しつ塗膜やコーキングの劣化が進んでしまいます。
遅くても築15年前後には塗装工事をご検討されることで、結果的に基礎が傷まず家の寿命が延びてくれますよ。
▼築17年で塗装工事のご依頼をいただいたALC外壁の事例です▼
パワーボードの塗装の抑えたいポイント
パワーボード自体に防水効果はありませんので、塗装で防水効果をプラスしてあげることが大切です。
本コラムではパワーボードにピックアップしてご紹介していますが、実はパワーボードだけでなくALCやサイディングやモルタルなどほとんどの外壁に防水塗装が必要不可欠なのです。
パワーボードには透湿性のある塗料を使用(直貼りの場合)
パワーボードの塗装に注意する点は、透湿性のある塗料を使用するという点です。
難しく聞こえますが、要するに塗料のカタログの適用下地に「ALC」と書かれていれば問題ないのです。
なぜパワーボード(ALC)は透湿性塗料で塗る必要がある?
パワーボード自体が吸湿性が高いので、透湿性のない塗料を塗ると湿気の外への逃げ道がなくなります。
結果、塗膜の中で湿気が籠ってしまい、塗膜の膨れなどの不具合に繋がります。
あくまで塗料の一例ですが弊社でパワーボード(ALC)を塗装する際に使用される、透湿性のある塗料です。
・関西ペイント アレスアクアセラシリコンONE
・関西ペイント アレスダイナミックTOP
・関西ペイント アレスダイナミックMUKI 水性無機
・関西ペイント RSゴールドSI 水性2液超低汚染シリコン
・プレマテックス タテイルαPE 2液弱溶剤無機
パワーボードの直貼り工法or通気工法
よくパワーボードを解説しているサイトで見かける情報としては…
直貼り工法 | 透湿性の高い塗料が◎ |
通気工法 | 防水性・弾性が高い塗料が◎ |
というように建築時の施工方法によっておすすめの塗料、避けるべき塗料が変わるとあります。
どんな工法で建てたかなんて、一般の方はなかなか知り得ない情報ですよね。
旭化成建材に問い合わせてみました
旭化成建材にも問合せてみたところ、パワーボードは直貼りor通気工法かは建築業者によって工法が変わります。
実際にどの工法で建てたかを知るには、新築時の仕様書を確認するか建てた業者に確認されるしか方法がない現状なのです。
パワーボードは基本的に直貼りがほとんど
これまで数多くのパワーボードの塗装実績がある営業さんに確認したところ、パワーボードは基本的に直貼りがほとんどでした。
わたしたち塗装業者も直貼りか通気工法かは、仕様書などの情報を見てはじめて分かります。
外壁と水切りの間にコーキングで埋めていれば直貼り、隙間があれば通気工法という見分け方法はあります。
ですが隙間が埋まっていても通気工法という可能性もあるので、一概に「〇〇だから直貼りです」という判断基準はないのです。
いずれにしても塗料メーカーのカタログに適用下地「ALC」と記載されていれば問題ありませんよ(^-^)
パワーボードはコーキング工事が重要
パワーボードはコーキング工事が何よりも大切で、コーキング工事の工法によっても料金が変動します。
パワーボードはコーキング工事がマスト!
パワーボードの塗装にコーキング工事はマストです。
塗装よりもコーキングが要といっても過言ではないくらいです。
コーキング工事についてはYahoo!知恵袋などでこのような質問を見かけます。
コーキング工事の見積もりをされて「高額なので塗装工事のみをしてコーキング工事は見送ろうか悩んでいる」というお悩みです。
コーキング工事を見送られるか悩んでいる方は、今からご紹介する内容をよく読んでからお考えください!
理由はコーキング工事をしないまま塗装をすると、結果的に雨漏りリスクなど家を傷める危険性が高まるからです。
築15年ほどで目地が割れているケースが多数
実際の事例ですが築15年~でパワーボードの塗装のお見積り点検に行くと、ほぼどこかの目地のコーキングが割れています。
パワーボードなどALCの場合は、二次防水の役割となる防水紙が設置されていないケースがほとんどです。
ですのでコーキングの亀裂を放置すると、簡単に雨水が侵入して雨漏り被害に直結しやすいのです。
コーキングの状態が良好でも次回塗装まで耐久性がもたない
仮に築15年ほどでコーキングの状態がまだまだ良好な状態だとします。
ですが次回塗装時期(築30年頃)にはコーキングがボロボロの状態になり、基礎木材まで雨水が入り込む危険性があります。
ですので築15年~で実施される初回の塗装工事には、コーキング工事を必ずされた方が良いです。
築15年程の初回工事はコーキング増し打ち工法(安価)
初回の塗装工事の場合は、コーキング増し打ち工法で行います。
なぜかと言うと目地の溝が十分に確保されているので、新築時に施工した既存のコーキングを撤去しなくても上から増し打つことが可能だからです。
既存のコーキングを撤去しない分、次項でご紹介する撤去打ち替え工法より安価で施工が可能です。
弊社のコーキング増し打ち工法の参考価格
コーキング増し打ち工法 | ¥450~¥750/m |
2回目の塗装工事はコーキング撤去打ち替え工法(高額)
2回目のパワーボードの塗装には、コーキング撤去打ち替え工法で工事をします。
理由は初回工事にコーキング増し打ちをしたことで、目地の溝がほぼ無くなっているからです。
目地の溝が十分に確保できないと、コーキングを充填するこはできません。
ですので既存のコーキングをカッターなどで取り除き、新しいコーキングを充填する撤去打ち替え工法で実施します。
※初回工事でも目地のコーキングのひび割れが酷かったり、増し打ち工法では確実な補修ができないと判断した場合、撤去打ち替え工法で工事を行うケースもあります。
下記参考価格のとおり撤去工程が増える分、増し打ち工法より高額になります。
弊社のコーキング撤去打ち替え工法の参考価格
コーキング撤去・打ち替え工法 | ¥750~¥1,100/m |
パワーボードはウレタン系のコーキングを使用
基本的にコーキングの上から塗装をするので、ウレタン系のコーキング材を使用します。
コーキングの上から塗装しない場合は変成シリコンのコーキング材を使います。
ちなみに変成シリコンはウレタン系に比べ高耐久ですが、コーキング自体の性能はウレタンに劣ってしまいます。(コーキングメーカーからの情報)
パワーボード(ALC)の場合、塗装が必須なのでウレタン系のコーキングを使用するの一択です。
▼ALCのコーキング工事について詳しく知りたい方はこちら▼
パワーボードの塗装の費用は?
30坪の外壁塗装の平均相場は約95.8万円(税別)
パワーボードに限らず、一般的な戸建ての広さ(30坪)の外壁塗装の平均相場は約95.8万円(税別)です。
ほとんどの事例が90~120万円以内で収まっています。
ですが家の広さや痛み具合によって、塗装面積や補修費用が異なりますのであくまでの参考金額です。
もっと高額になるケースもあるので、詳しくはお見積りをご相談くださいね。
最近ではLINEを利用されたお見積り相談もご好評で、家の写真と建物のメートル数が分かれば概算にはなりますが費用を知ることができますよ。
▼30坪の外壁塗装の相場についてもっと知りたい方はこちら▼
パワーボードだからといって特別料金に変動はない
パワーボード(ALC)だからといって、塗装自体の料金が高くなることはありません。
ですが外壁材の種類によってコーキング工事のm数が異なるので、その分コーキング工事費用の変動は多少あります。
画像の赤線が目地の位置です。
パワーボードの場合は一般的なサイディングボードの外壁より目地が約1.5倍多いので、コーキング工事だけで考えればパワーボード(ALC)の方が高くなります。
注意すべきはコーキング工事による費用変動
初回の塗装工事と2回目の塗装工事では、コーキング工事の方法が変わるので費用が変わります。
具体的にご説明しますと…
初回の塗装工事 | コーキング増し打ち工法 | ¥450~¥750/m |
2回目の塗装工事 | コーキング撤去・打ち替え工法 | ¥750~¥1,100/m |
あくまでも弊社の料金目安ですが、2回目の塗装工事で実施する「コーキング撤去・打ち替え工法」の方が高いです。
ですので初回の塗装工事とまったく同じ金額で2回目の塗装工事ができるわけではないので、注意が必要な部分です。
パワーボードの塗装についてのまとめ
- パワーボードは旭化成建材が生み出した正式名称「へーベルパワーボード」
- パワーボードは木造住宅専用の軽量・防火性・耐久性に優れた外壁材
- パワーボードの塗装時期は築15年前後がおすすめ
- パワーボードは直貼り工法の場合、透湿性のある塗料の使用が必要(適用下地にALCと記載あればOK)
- 初回工事でもコーキング工事をしないと2回目の塗装時期までコーキングの寿命が持たない
- 初回工事はコーキング増し打ち工法(安価)、2回目の塗装工事はコーキング撤去・打ち替え工法(高額)
- コーキング材はウレタン系の一択
- パワーボードに限らず塗装の平均相場は約95.8万円(税別)
- パワーボードだからといって追加料金などは発生しないが、目地が多いのでコーキング工事費用が高くなる傾向
パワーボードの類似品として、スーパーボード(住友金属鉱山シポレックス)やクリオンエースボード(クリオン)などのALC外壁があります。
今回は旭化成建材にお問合せをしてみた結果も含め、パワーボードに焦点を置いてご紹介させていただきました。
もしご自宅のボード名が分からなくても、外壁材がALCであれば本コラムのほとんどの内容が当てはまります。
弊社でもパワーボードを含めた各メーカーのALCの塗装事例があります。
ページ下部にALC施工(パワーボード含む)の外壁塗装の事例をまとめていますので、少しでもお役に立てれば幸いです。
「パワーボードの知識がある業者に確実に任せたい」
「もっと詳しく塗装のプロについての見解が聞きたい」
など、塗装や家のご相談はお気軽にお申しつけくださいね(^-^)
パワーボード(ALC含む)の外壁塗装の事例
外壁塗装 | |
松原市
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Before 施工前 |
After 施工後 |
松原市でパワーボード(セラミック仕上げ)の外壁塗装工事
価格 | 142万円 | 工事期間 | 18日間 |
塗料名 | 関西ペイント RSゴールドSI 水性2液超低汚染シリコン | 塗料種別 | 超低汚染型シリコン |
面積 | 166m2 | 築年数 | 15年 |
工事期間 | 18日間 | 面積 | 166m2 |
塗料名 | 関西ペイント RSゴールドSI 水性2液超低汚染シリコン | 塗料種別 | 超低汚染型シリコン |
築年数 | 15年 |
外壁塗装,コーキング増し打ち工事 | |
東大阪市
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Before 施工前 |
After 施工後 |
東大阪市にてALC施工の外壁塗装で大幅イメージチェンジ!
価格 | 96万円 | 工事期間 | 14日間 |
塗料名 | 関西ペイント RSゴールドSI | 塗料種別 | 超低汚染型シリコン |
面積 | 154m2 | 築年数 | 14年 |
工事期間 | 14日間 | 面積 | 154m2 |
塗料名 | 関西ペイント RSゴールドSI | 塗料種別 | 超低汚染型シリコン |
築年数 | 14年 |
外壁塗装,コーキング打ち替え工事 | |
堺市
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Before 施工前 |
After 施工後 |
堺市にて無機塗料アレスダイナミックMUKIで外壁塗装を実施
価格 | 198万円 | 工事期間 | 15日間 |
塗料名 | 関西ペイント アレスダイナミックMUKI | 塗料種別 | 無機フッ素塗料 |
面積 | 397m2 | 築年数 | 約30年 |
工事期間 | 15日間 | 面積 | 397m2 |
塗料名 | 関西ペイント アレスダイナミックMUKI | 塗料種別 | 無機フッ素塗料 |
築年数 | 約30年 |
外壁塗装(ALC外壁)・コーキング工事 | |
堺市
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Before 施工前 |
After 施工後 |
堺市美原区の外壁リフォーム(ALC外壁のビフォーアフター)
価格 | 114万円 | 工事期間 | 15日間 |
塗料名 | 関西ペイント アレスアクアセラシリコンONE | 塗料種別 | 超低汚染型シリコン |
面積 | 197m2 | 築年数 | 17年 |
工事期間 | 15日間 | 面積 | 197m2 |
塗料名 | 関西ペイント アレスアクアセラシリコンONE | 塗料種別 | 超低汚染型シリコン |
築年数 | 17年 |
外壁塗装 | |
藤井寺市
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Before 施工前 |
After 施工後 |
藤井寺市 大和ハウスALC外壁塗装 参考価格や工程について
価格 | 102万円 | 工事期間 | 10日間 |
塗料名 | 関西ペイント アレスダイナミックMUKI | 塗料種別 | 超耐候低汚染型無機フッ素 |
面積 | 231m2 | 築年数 | 20年 |
工事期間 | 10日間 | 面積 | 231m2 |
塗料名 | 関西ペイント アレスダイナミックMUKI | 塗料種別 | 超耐候低汚染型無機フッ素 |
築年数 | 20年 |
外壁塗装,屋上塗り替え | |
堺市
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Before 施工前 |
After 施工後 |
堺市にて外壁塗装と屋上塗り替えを実施した事例(費用約120万円)
価格 | 120万円 | 工事期間 | 15日間 |
塗料名 | エスケー化研水性セラタイトSI(外壁),田島ルーフィングVTコートC(屋上) | 塗料種別 | 超低汚染型ハイクラスシリコン(外壁),遮熱塗料(屋上) |
面積 | 225m2 | 築年数 | 約25年 |
工事期間 | 15日間 | 面積 | 225m2 |
塗料名 | エスケー化研水性セラタイトSI(外壁),田島ルーフィングVTコートC(屋上) | 塗料種別 | 超低汚染型ハイクラスシリコン(外壁),遮熱塗料(屋上) |
築年数 | 約25年 |
コーキング打ち替え 外壁ラジカル塗装 屋根遮熱シリコン塗装 破損スレート瓦差し替え | |
大阪市阿倍野区
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Before 施工前 |
After 施工後 |
阿倍野区 ひび割れが目立つALC外壁塗装と屋根遮熱塗装
価格 | 127万円 | 工事期間 | 14日間 |
塗料名 | 関西ペイント アレスダイナミックトップ | 塗料種別 | ラジカルシリコン塗料 |
面積 | 192m2 | 築年数 | 22年 |
工事期間 | 14日間 | 面積 | 192m2 |
塗料名 | 関西ペイント アレスダイナミックトップ | 塗料種別 | ラジカルシリコン塗料 |
築年数 | 22年 |
戸建住宅の外壁塗装 | |
松原市
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Before 施工前 |
After 施工後 |
松原市にてALC外壁のシリコン塗装で満足頂いた施工事例
価格 | 116万円 | 工事期間 | 14日間 |
塗料名 | 関西ペイント アレスシルクウォール | 塗料種別 | シリコン |
面積 | 188m2 | 築年数 | 15年 |
工事期間 | 14日間 | 面積 | 188m2 |
塗料名 | 関西ペイント アレスシルクウォール | 塗料種別 | シリコン |
築年数 | 15年 |