こんにちは!
南大阪ペイントセンターキタヤマです
パミール屋根とはニチハ株式会社が製造している屋根でノンアスベストとして1996年から全国に普及しました。
しかしひび割れや剥がれなどの不具合が多く報告され、現在は新規製造はされておりません。
そんなパミール屋根は他の屋根材と違って、塗装でのメンテナンスができず主にカバー工法や葺き替え工法でのメンテナンスが必要になってきます。
そこで今回のこちらの記事ではパミール屋根のカバー工法について詳しくお話していきたいと思います。

榎本悟
一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。

橋本卓哉
雨漏り診断士
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。
パミール屋根とは?
パミール屋根とは1996年~2008年にニチハ株式会社が製造していた屋根材です。種類は化粧スレート屋根になります。
当時アスベストが有害な物質であると騒がれていた時代だったため、このパミールはアスベストを含まない屋根材である事から発売当初は大きく期待されました。
しかしアスベストを含まない商品を早急に開発するべく不十分な検証のまま販売してしまったパミール屋根は、7年ほどでボロボロと剥がれ耐久性に大きな問題がありました。
14~26年前に発売された屋根材ですので現在でもパミール屋根のお宅が多く見られます。
パミール屋根によく見られる劣化症状
パミール屋根の剥がれ(層間剥離)
パミール屋根は薄いミルフィーユを何層にも重ねたような造りをしています。本来はこの層の多さが屋根材の強度を発揮する造りになっているのですが…
パミール屋根では、屋根材が膨らみミルフィーユ状に層が剥がれていく層間剥離と呼ばれる劣化症状が一番多く見られています。
この層間剥離が起こってしまいますと、屋根の下地は剥き出しの状態ですので雨や紫外線の影響を直接受けてしまいます。
釘の劣化
パミール屋根はラスパート釘と呼ばれる釘を使用していました。
本来ならばこのラスパート釘にはメッキ処理を行いますので錆びにくいのですが、パミール屋根に使われていたラスパート釘の一部に十分なメッキ処理が施されていないものが混ざっていたたため問題になりました。
当然釘が錆びてしまうと屋根材を支える強度も下がり屋根材の落下などの問題も起きてしまいます。
ですので、「うちのパミール屋根は層間剝離が起きていないし大丈夫!」と安心していても釘が錆びている場合もありますので早急な対処をおすすめしております。
パミール屋根には塗装出来ない
屋根のメンテナンス方法として一番メジャーであるのはやはり屋根塗装ではないでしょうか?
しかし今回お話しているパミール屋根では残念ながら塗装でのメンテナンスは出来ないのです(;O;)
屋根自体がパリパリとミルフィーユ状に剥がれている状態で上から塗装をしてもすぐに塗装ごと剥がれてしまいます。
パミール屋根に塗装をしてしまった事例
ご自身の屋根がパミール屋根である事を知らず業者に屋根メンテナンスのご依頼をされたそうです。
その際パミールについて無知な業者であったため「塗装でのメンテナンスが可能です!」と言われ何も疑うことなく塗装メンテナンス(約100万円)をされました。
その結果、すぐに剥がれ屋根自体の層間剥離も止めることができませんでした。
こんな事なら「初めからカバー工法をしておけばよかった」と後悔されておりました。
実はニチハのパミールは他のスレート屋根との見分けが付きにくく専門家でないと判断できない事もあります。
そのため知らずに塗装をしてしまったといったケースもよくあるため、屋根のメンテナンスを行う際は専門的な知識を持つ業者に依頼するようにしましょう。
パミール屋根のメンテナンスはカバー工法が主流
塗装ができないパミール屋根のメンテナンスはカバー工法でのメンテナンスが主流です。
カバー工法とは?
カバー工法とは既存の屋根材を撤去することなく、既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せる工法です。
屋根の補強を行い、既存の屋根材の上に防水シート(ルーフィングシート)を10㎝幅間隔で設置します。その後新しい屋根材を敷き詰めていきます。
カバー工法のメリット
屋根を撤去しないので葺き替えよりも安価 |
屋根が2重なので断熱性・遮音性に優れている |
工事期間が短い |
廃材が少ない |
カバー工法は元々ある屋根材を撤去する必要がないため廃材が少なく撤去費用もかからないためコストパフォーマンスに優れています。
また屋根が2重になるため断熱性や遮音性にも優れた特性を持ちます。
パミール屋根のカバー工法の費用は70~150万円
パミール屋根のカバー工法の費用は30坪の一般的なお宅でおよそ70~150万円程度とされています。
しかしお住まいの屋根の形状や使用する屋根材によっても費用は変動致しますので、カバー工法を実施する前に一度無料点検やお見積り提示をご活用することをおすすめしております😊
▼参考記事
無料点検のご案内
カバー工法できないパミール屋根の状態
パミール屋根の状態によってはカバー工法ができない場合もあります。
・新しい屋根材を固定できないほどパミールの劣化が激しい
・耐震に不安がある場合(ガルバニウム鋼板などの金属屋根は瓦の1/4の軽さなのでこれらの屋根を選べば耐震性に問題ありません)
・すでに雨漏りなどが起きている場合
・既にカバー工法をしたことがある場合
カバー工法できない場合は葺き替えをご提案
以上のカバー工法できないパミール屋根には葺き替え工事での屋根メンテナンスをご提案しています。
葺き替え工事とは、既存の屋根材を全て撤去し新しい屋根材を設置する工法でカバー工法より価格は高くなります。
また、既存の屋根材を撤去しますので工期もカバー工法に比べ長くなり廃材も多くでます。
しかし屋根材も下地も全て撤去しますので長い目でみると安心感はありますね😊
パミール屋根のカバー工法の施工事例
場所 | 松原市 |
築年数 | 約10年 |
外壁材 | パミール屋根 |
面積 | 62㎡ |
松原市のお宅でパミール屋根のカバー工法を実施しました。
築10年程度ですがやはり劣化が激しく層間剥離も起きかかっていました。
棟板金を撤去し防水紙(ルーフィングシート)を軒先から設置していきます。その後スーパーガルテクトを設置しカバー工法完成です!
嬉しいお客様の声も頂きました😊
パミール屋根のカバー工法について まとめ
層間剥離や釘などの劣化がでやすい |
塗装でのメンテナンスができない |
カバー工法がおすすめ |
費用は70~150万円程度(30坪) |
パミール屋根は他のスレート屋根ととても似ていて業者でも判断しにくい場合がございます。もし知らずに塗装してしまうとすぐにボロボロと剥がれてくるでしょう…。
屋根メンテナンスをご依頼される際は屋根の知識をしっかりと持った専門業者に依頼するようにしましょう。
南大阪ペイントセンターではどんな些細なことでもかまいません!何かお困り事やご相談ございましたらお気軽にお問合せくださいね😊
最後までお読み頂きありがとうございました。