防水工事の種類と耐久性の違いについて 第②回目の今回はFRP防水をご紹介したいと思います。
FRPとは繊維強化プラスチックといい、エポキシやポリエステル等の樹脂にガラスや炭素で出来た繊維を複合させて強度を高めた強化プラスチックの事です。
その強度と軽さから船の船底や、浴室の浴槽にも使用されている素材で、水を通さないという性質から防水材としても広く使用されるようになりました。
構造用合板(コンパネ)の上に直接施工出来るため、今現在の新築のベランダ床は、ほぼFRP防水が施工してあります。
FRP防水の工程
まずプライマーを塗ります。
そしてガラス繊維のマットを貼り付けていきます。
マットを全面に貼り終えたらポリエステル樹脂を塗ります。
下地とマットの間の気泡をヘラ等で押さえ抜いていきます。
そしてもう一度ガラスマットを貼り、ポリエステル樹脂を塗ります。
このうような脱泡ローラーも使用し、再び気泡を抜いていきます。
そしてさらにポリエステル樹脂を塗り込み
最後に専用のトップコートを塗布して
ようやく完了です。
使用材料や工法により、多少の違いはありますが、おおむねこのような工程です。
下地の状態が悪い場合や元の防水がめくれている場合等は、先に下地処理として浮いた塗膜をめくり
全体的にモルタルを塗ってから、上記の工程に移ります。
FRP防水 メリットデメリット
メリット
・ウレタン防水よりもかなり耐久性が高く、軽量。
・コンパネの上に直接施工出来るため新築・改修問わず施工可能
デメリット
・施工の際は独特の刺激臭が発生する
・素材自体が非常に硬いため、ひび割れにはあまり強くない(鉄骨造には不向き)
・塗り回数が多く材料費も高いため、費用がウレタン防水に比べ高額
・ウレタン防水と同じく湿気の押し上げによる塗膜の浮き・割れが発生する
.・専門の業者でないと施工が難しい
基本的には改修工事ではあまり選択されない工法です。