防水工事の種類と耐久性の違いについて① ウレタン防水
防水工事には主に大きく分けて3種類工法がり、ウレタン防水・FRP防水・塩ビシート防水があります。
今回は数ある防水工法の中からウレタン防水工事の工法や耐久性についてご紹介したいと思います。
ウレタン防水の最大のメリットは、複雑な形状の床にも防水工事が可能という点です。
最もよく知られた防水工法で、3種類の中でも最も安価で施工が可能でマンションやビルの屋上、ベランダの床等に広く使用されてきました。但し3種類の中で最も耐久性が劣ります。

榎本悟
一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。

橋本卓哉
雨漏り診断士
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。
基本的な工程
基本的な工事内容ですが
①まず下地の清掃やひび割れ処理を行い
②プライマーという接着剤を塗り密着性を高め
③立ち上がり部分は液垂れが発生するので先にウレタン樹脂を塗り
④平場部分にもウレタン樹脂を流し込みます。ウレタン樹脂は工法により2回・3回と重ね塗りする事もあります。
そして最後にトップコートを塗って完了です。
このような機器類がたくさん置いてある複雑な形状の床にも施工が可能で、FRP防水や塩ビシート防水には無い特徴です。
ウレタン防水の中にも種類がある
上でご紹介したのが、一般的な工法(密着工法)ですが、その他に
プライマーを塗った後に、補強用のクロスシートを貼り強度を高めるクロス工法や
下からの湿気の押し上げによる、ウレタン塗膜のめくれや割れを防ぐために通気緩衝シートという、メッシュ素材のようなシートを貼り湿気が逃げる空間を設けて
このうような脱気筒から湿気を逃がす通気緩衝工法があります。
いずれにしても、最後はウレタン塗膜とトップコートによる仕上げとなります。
ウレタン防水のメリットデメリット
メリット
・防水工事のなかで一番安価に施工できる
・複雑な形状の床にも施工できる
・塗料による防水なので熟練の技術を必要としない
デメリット
・耐久性が5~7年程度と他の防水工法に比べると短い
・下からの湿気の押し上げによる、塗膜のめくれや割れがおきやすい。通気緩衝工法で施工すれば解決できるが、ウレタン防水の最大のメリットである安価での施工が出来なくなる。(塩ビシート防水と同等の単価)
塩ビシート防水やFRP防水も以前より単価が落ち着き、最近では耐久性の低さからあまり使用されなくなってきています。