屋根塗装は足場なしで施工できない?足場が必要な3つの理由

屋根塗装は足場なしで施工できない?足場が必要な3つの理由

「屋根塗装だけなら足場なしで施工できるの」

「屋根塗装の費用を節約したいから足場なしで施工は無理なのか」

以上のように本当に足場が必要なのか疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

一般的に屋根塗装での足場の設置は法律で義務付けられています。厚生労働省で定められた規定がある為、足場なしでの外壁塗装は不可能になります。また、足場は塗装工事で大きな役割を担っている為、足場の重要性をご理解いただきたいと思います。

当コラムでご紹介する内容
  • 屋根塗装は足場なしではできない?足場が必要な3つの理由
  • 折板屋根などの平坦な屋根は足場なしで屋根塗装が可能
  • 勾配が急な屋根は屋根足場も必要になる
  • 屋根塗装の足場に関するQ&A

屋根塗装の足場設置に関する疑問が解決できるよう、ご参考になさってください。

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監修者情報
監修者 榎本悟

榎本悟

一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。


監修者 橋本卓哉

橋本卓哉

雨漏り診断士
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。

屋根塗装は足場なしではできない?足場が必要な3つの理由

屋根塗装は足場なしで施工はできません。足場が必要な理由が3つございます。

屋根塗装に足場が必要な理由3つ
  • 2m以上の作業は足場設置の義務がある
  • 近隣への迷惑を防ぐ
  • 作業の効率や品質を高める

以上について詳しくご紹介いたします。

2m以上の作業は足場設置の義務がある

厚生労働省 労働安全衛生規則

引用:厚生労働省 労働安全衛生規則

厚生労働省の労働安全衛生規則では、高さ2m以上の場所での作業は足場設置の義務があると定められています。

この規定は、作業する人の転落防止を防ぎ、安全な作業環境を確保するために非常に重要になります。高さ2m以上が基準となっている理由は、以下の場合が考えられます。

▼高さ2m以上が基準の理由▼

人体への影響 2m以上から転落した場合、着地時の衝撃が人体に重大な損傷を与える可能性が高い
作業環境のリスク 2m以上でバランスを崩した際、自力で体勢を立て直すのが難しい
労働災害の統計データ 2m以上の作業が原因で転落事故が特に多い
作業員の安全確保 一般的に片足や両足を踏み外すと地面に直接落下する可能性がある高さの為

以上のように高さ2m以上を基準とするのは、作業員の安全を確保し転落事故のリスクを軽減するためなのです。

作業員の安全を守り安心して屋根塗装を任せるには、守るべき規定であるとご理解いただきたいと思います。

近隣への迷惑を防ぐ

塗料や高圧洗浄の水の飛散防止

屋根塗装を足場なしで施工すると、近隣の住宅の迷惑になる可能性が高くなります。

足場は屋根の軒より1m高く設置するので、高圧洗浄の水が飛散するのを軽減する役割をしています。足場を設置していないと近隣へ高圧洗浄の汚水が飛散し、トラブルの原因になってしまう可能性があるのです。また、近隣と密接している場合はさらに足場を使ってブルーシートで覆い、高圧洗浄の水の飛散対策を行っております。

高圧洗浄の工程は、汚れや古い塗膜を取り除き新しく塗る塗料の密着性を高めるために重要な作業になります。屋根塗装で高圧洗浄の工程を行わないと施工不良の原因になってしまうのです。

そのため、弊社では一般的な屋根の足場なしの屋根塗装はお受けしておりません。近隣とのトラブルを回避する為に足場を設置して丁寧に高圧洗浄の作業を行い、ご満足いただける塗装を施工しております。

足場なしでは高圧洗浄の水が飛散して、近隣とのトラブルの原因になる可能性があるとお考えいただきたいと思います。

作業の効率や品質を高める

作業の効率や品質を高める

屋根塗装では足場の設置が作業の効率や品質を高める役割をしています。

足場があると職人は安定した足場の上で作業ができ、細かな塗装もスムーズに行えます。しかし、足場がないと不安定な体勢での作業となり、作業に時間がかかってしまう可能性があります。

足場がある場合とない場合で作業効率と品質の違いをまとめるとこちらになります。

▼足場がある場合とない場合の違い▼

足場あり 足場なし
細かな作業がスムーズで作業効率が向上 作業に時間がかかる
屋根全体が均等でムラのない仕上がり 届きにくい所の塗装が不十分で耐久性に影響

以上のように、足場があるのとないのでは仕上がりにも影響を及ぼす可能性があります。

足場の設置は一時的な費用に見えるかもしれませんが、長期的に見ると美しい仕上がりと安心感を得るには大切な工程になります。

折板屋根などの平坦な屋根は足場なしで屋根塗装が可能

折板屋根は足場なしでも塗装可能

折板屋根のような平坦な屋根は、足場なしでも屋根塗装が可能になる場合があります。

2m以上の作業の場合、本来なら足場の設置が必要になってきます。折板屋根などの平坦な屋根は傾斜がほとんどない為、足元が安定し職人が滑り落ちるリスクが低くなります。そのため、安全面を十分に配慮する場合は、足場なしでも施工可能なケースもございます。

足場を設置しない平坦な屋根の場合、2階のベランダから梯子を使って屋根に上って作業します。また、ベランダがない住宅は2階までの長い梯子を使って作業をするケースもあります。平坦な屋根に足場を設置しない場合でも丁寧に下地処理を行い、十分な品質を確保できます。

しかし、平坦な屋根であっても、屋根の高さなどによっては足場の設置が必要になる場合があります。例えば、梯子が届かない高さの屋根などは、足場がないと屋根への上り下りができません。そのため、平坦な屋根でも足場が必要になるかもしれません。

平坦な屋根の屋根塗装は、事前の点検時に足場なしでも施工可能か業者に聞く必要があります。

勾配が急な屋根は屋根足場も必要になる

勾配が急な屋根は屋根足場も必要になる可能性があります。

通常、屋根塗装は屋根に上って行います。しかし、勾配が急な屋根は傾斜がきつく、塗装中に職人が落ちてしまう可能性が高くなってしまいます。

そのため、職人の安全確保と作業効率アップの為に、屋根に直接足場を設置する必要があるのです。

屋根足場について詳しくお伝えし、弊社で屋根足場を設置して施工した事例をご紹介いたします。

屋根足場とは

勾配が急な屋根は屋根足場が必要

屋根足場とは、勾配が急な屋根に設置する足場になります。

勾配が急な屋根は職人の安全確保ができず、作業に危険を伴います。職人の安全確保と作業効率の為に、勾配が急な屋根には屋根足場を設置する必要があります。

屋根足場が必要になる勾配は6寸以上になります。屋根の一番高い位置から水平距離10寸(303㎜)に対して、高さが何寸かで勾配を判断します。

勾配の判断方法

以上のように、勾配が6寸以上の屋根は屋根足場が必要になります。

勾配が急で屋根足場が必要な屋根と、屋根足場が不要な屋根を比較するとこちらになります。

▼屋根足場が必要な屋根と不要な屋根の比較▼

屋根足場が必要な屋根と不要な屋根

屋根足場が必要な屋根は勾配が急で、作業の安全面を考えると屋根足場の設置が必要であると判断できます。

屋根足場は勾配が急な屋根を塗装する際は、必ず必要であるとご理解いただきたいと思います。

弊社の屋根塗装で屋根足場を設置した事例

弊社で屋根塗装を施工した際に、屋根足場を設置した事例をご紹介いたします。

屋根の形は住宅によって特徴的で、一概に㎡数で計算するのは困難になります。そのため、屋根足場の単位は「一式」になってしまうとご理解いただきたいと思います。

✔屋根足場費用3万5千円(税抜)の事例

屋根足場費用3万5千円(税抜)の事例

詳しい内容はこちら>​​​

屋根足場を設置して施工した屋根塗装(大阪府住吉区)

こちらの住宅は両サイドの屋根の勾配が急で、屋根塗装は屋根足場を設置して施工しました。屋根足場費用を含んだ足場工事にかかった費用がこちらになります。

▼足場工事の費用(税抜)▼

項目 工事内容 数量 単位 単価 価格
足場工事 足場仮設 348 750 361,000
飛散防止養生シート 348 100 34,800
屋根足場 1 35,000 35,000
      合計 330,800

通常の足場にプラスして、屋根足場費用3万5千円がかかりました。

✔屋根足場費用5万円(税抜)の事例

屋根足場費用5万円(税抜)の事例

詳しい内容はこちら>​​​

屋根足場を設置して施工した屋根塗装(奈良県香芝市)

こちらの住宅は、2Fから1Fまで屋根が繋がっていて勾配が急になっています。屋根足場費用を含んだ足場工事にかかった費用がこちらになります。

▼足場工事の費用(税抜)▼

項目 工事内容 数量 単位 単価 価格
足場工事 足場仮設 305 750 228,750
飛散防止養生シート 305 100 30,500
屋根足場 1 50,000 50,000
      合計 309,250

通常の足場にプラスして、屋根足場費用5万円がかかりました。

屋根塗装の足場に関するQ&A

屋根塗装の足場について疑問はございませんでしょうか。

そこで、皆様の足場に関する疑問を解決できるようQ&Aでご紹介いたします。

足場代を節約できる方法は?

屋根塗装と外壁塗装をまとめて同時に施工する

A:屋根塗装と外壁塗装をまとめて同時に施工する

屋根塗装だけでなく外壁塗装を同時に施工すると、足場代が1回で済むので節約することができます。屋根塗装と外壁塗装を別々に施工すると2回足場を設置するので、倍の足場代が必要になってしまいます。

また、屋根塗装と外壁塗装をまとめて施工すると個々の塗装単価が安くなるので、塗装全体の費用を抑えるのが可能になるのです。

足場代だけでなく塗装全体の費用を節約する為に、屋根塗装と外壁塗装をまとめて同時に施工するのをおすすめいたします。

屋根塗装をDIYする場合は足場なしでも大丈夫?

DIYで足場設置の義務はない

A:DIYする場合は、足場設置の義務はありません

厚生労働省の労働安全衛生規則では事業者に対して、2m以上の作業での足場設置を義務付けています。そのため、ご自身でDIYで屋根塗装をする場合は適用されない為、足場を設置しなくても違反にはなりません。

しかし、法律違反になりませんが、高所作業の安全対策は必ず行う必要があります。高所作業は転落のリスクが高い為、以下の対策をおすすめいたします。

高所作業でDIYする際の対策
  • 安全帯(ハーネス)を着用する
  • 2人以上で作業する
  • 脚立や梯子を固定する
  • 悪天候の作業は避ける
  • 勾配が急な屋根の作業は行わない

以上の対策を行い、無理な作業はお止めいただくようお願いいたします。

足場なしで屋根塗装できると言ってくる業者は信用できる?

足場なしで屋根塗装できると言う業者は危険!

A:信用できない

足場なしで屋根塗装できると言う業者は信用できません。

厚生労働省の労働安全衛生規則で、2m以上の作業は足場設置が義務付けられています。一般的な住宅で2m以下の屋根はないので、屋根塗装では必ず足場設置が必要になります。

このように、決められた法律を守らない業者は不誠実で、工事の品質も悪く施工不良を引き起こすかもしれません。また、工事中にトラブルが発生しても適切な対応ができない可能性もあります。

ご自宅の屋根が折板屋根などの平坦な屋根の場合は、足場がなくても屋根塗装が可能な場合がございます。しかし、足場なしで安く塗装できると契約を迫る業者は、契約を取ることしか考えいていない可能性もあります。そのため、直ぐに契約するのではなく、相見積もりを取って業者を見極める必要があるかもしれません。

足場は梯子で代用できないの?

足場設置が困難な場合のみ梯子で代用可能

A:足場設置が困難な場合のみ梯子で代用可能

足場は隣家との距離が40㎝以上ない場合は設置が不可能になります。そのため、隣家の壁や配管設備との間が狭すぎる場合、梯子や脚立で代用して作業を行います。

厚生労働省では、足場設置が困難な屋根上作業についてのマニュアルを作成しています。実際に必要な足場を設置せず作業を行うので、安全を確保して梯子で作業する際の細かな方法が明記されています。

そのため、梯子で代用できるのは、足場を組むのが物理的に不可能な環境のみ該当するとご理解いただきたいと思います。

ブランコ塗装とはどんな塗装方法?

ブランコ塗装は宙吊り状態で行う塗装

A:ロープや安全帯を使用して宙吊り状態で行う塗装作業です

高所作業の一種で、足場の設置が困難なビルや橋で採用されています。足場設置の費用を抑えられ、ロープを移動させながら広範囲の塗装が可能になります。

ブランコ塗装の他に同じような塗装方法で、ゴンドラ塗装という方法があります。昇降式の作業台のゴンドラを使用して、ビルや大型施設の塗装作業を行います。足場を設置しなくても安定して作業ができ、広範囲を移動しながら効率的に塗装できます。

▼ブランコ塗装とゴンドラ塗装の違い▼

項目 ブランコ塗装 ゴンドラ塗装
安全性 低い(宙吊り作業) 高い(作業床あり)
作業効率 低い(移動に時間がかかる) 高い(広範囲を効率的に作業可能)
塗装対象 高層ビル・橋(狭小部など足場設置が困難な場所) 高層ビル・大型施設
費用 低い(ロープ作業のみ) 高い(ゴンドラ設置が必要)

どちらもビルなどの大きな建物を塗装する際に採用される方法になります。一般的な住宅では採用しない方法だとご理解いただきたいと思います。

足場の費用はどのくらい?

足場の費用はどのくらい?

A:一般的な2階建て30坪の住宅で約20万円

足場の設置は、1㎡あたり750~850円が目安になります。そこに飛散防止養生シートの設置が必要で、費用は1㎡あたり100円程必要になります。

住宅の坪数別で飛散防止養生シートの費用を含んだ足場設置費用の目安がこちらになります。

※足場費用750円+飛散防止養生シート100円の合計850円で計算しています

▼坪数別の足場設置費用▼

坪数 概算平米数 足場面積 養生を含んだ足場費用(850/㎡)
20坪 66㎡ 170㎡ 144,500円
30坪 99㎡ 237㎡ 201,450円
40坪 132㎡ 305㎡ 259,250円
50坪 165㎡ 373㎡ 317,050円
60坪 198㎡ 440㎡ 374,000円

以上の足場費用は目安にお考えいただきたいと思います。

また、住宅の階数が高いと足場費用も高くなります。同じ坪数でも2階建てより3階建ての方が足場費用が高くなるとご理解いただきたいと思います。

まとめ

屋根塗装は足場なしでは施工できない理由があります。

屋根塗装で足場が必要な理由3つ
  • 2m以上の作業は足場設置の義務がある
  • 近隣への迷惑を防ぐ
  • 作業の効率や品質を高める

本来は足場の設置が必要ですが、折板屋根などの平坦な屋根は傾斜がほとんどない屋根になります。そのため、転落するリスクも低くなるので、足場なしでも塗装可能になる場合があります。

屋根塗装の際に勾配が急な屋根は、通常の足場にプラスして屋根足場が必要になります。ご自宅の屋根が三角屋根など勾配が急な場合は、屋根塗装時に屋根足場も必要になるとお考えいただきたいと思います。

南大阪ペイントセンターでは、安全確保と品質を重視した屋根塗装を施工しています。皆様に安心して屋根塗装の施工をおまかせいただいております。

屋根塗装の施工をお考えのお客様は、ぜひ南大阪ペイントセンターにご相談下さい。

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監修者 榎本悟

榎本悟

一級塗装技能士・外装劣化診断士
1998年に「南大阪ペイントセンター」を創業し、住宅塗装の専門家として20年以上の経験を持つ。外壁診断や雨漏り診断の豊富な知識を活かし、耐久性と美観を両立させた高品質な施工を提供。さらに、窯業サイディング塗替診断士や雨漏り診断アドバイザーの資格も取得し、住宅の外装全般に関する幅広いアドバイスを行っている。


監修者 橋本卓哉

橋本卓哉

雨漏り診断士
学生時代に塗装業に携わり、大学卒業まで職人として経験を積む。卒業後は外装リフォームの営業・現場管理に従事し、これまでに1,000棟以上の施工を担当。豊富な知識と現場経験を活かして外装診断・施工に取り組んでいる。

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