現在、日本の外壁材の約70%を占める「サイディング」
この記事をご覧になられている方の中には「サイディングの外壁塗装って本当に必要なの?」「費用はいくらくらい?」などといった「サイディングの外壁塗装について」の疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
結論から申し上げますと10年に一度、サイディングの外壁塗装は必要で
サイディングの割れや欠け
サイディングのひび割れ
コーキングの劣化
サイディングのカビやコケ汚れ
サイディングの色褪せやチョーキング現象
これらの症状が見られましたら早急に外壁塗装が必要な状態であると言えます。
こちらの記事ではサイディングの外壁塗装にかかる工期や費用、施工事例など「サイディングの外壁塗装」について詳しくお話していきたいと思います。
1.サイディングの外壁塗装は築約10年で必要
2.外壁塗装が必要なサイディングの劣化症状を危険度順に並べました
2-1.サイディングの割れや欠け
2-2.サイディングのひび割れ
2-3.コーキングの劣化
2-4.サイディングのカビやコケ汚れ
2-5.サイディングの色褪せやチョーキング現象
3.サイディングの外壁塗装にかかる費用相場は90~120万円(一般的な30坪のお宅の場合)
4.サイディングの外壁塗装の実際の費用相場を事例別にご紹介
4-1.総額約75万円!築25年の25坪2階建て(窯業系サイディング)
4-2.総額約110万円!築20年の30坪2階建て(窯業系サイディング)
4-3.総額約88万円!築25年の40坪2階建て(金属系サイディング)
4-4.総額約102万円!築10年の50坪2階建て(窯業系サイディング)
5.サイディング塗装の工期は30坪のお宅で約7~10日
6.まとめ
サイディングの外壁塗装は築約10年で必要
サイディングは外壁塗装が必要不可欠です。なぜなら日々紫外線や雨風に晒され徐々に経年劣化してくるためです。
サイディングには窯業系・金属系・樹脂系・木質系の4種類があります。(日本の7割は窯業系サイディングを使用)
ですがどの材質のサイディングであっても、一般的に新築時や前回の塗装時から10年程度で外壁塗装が必要とされており、これは塗料の耐久性によるものとされています。
主な塗料は使用から10年が経過すると徐々に塗膜が剥がれ、防水性が低下していきます。防水性が低下した外壁は無防備な状態になり雨や紫外線から外壁を守る力がなくなってしまうのです。
そのためカビ汚れやひび割れ、最悪の場合雨漏りなどを引き起こしてしまう可能性があるため、塗料の耐久性が尽きる10年頃に再度塗装をされることをおすすめしています。
外壁塗装が必要なサイディングの劣化症状を危険度順に並べました
前回の塗装から10年が経過したサイディングは今からご紹介させていただく劣化症状が多く見られます。
こちらの項目では外壁塗装が必要なサイディングの劣化症状を危険度が高い順からご紹介していきたいと思います。
サイディングの割れや欠け
サイディングの一部が欠けたり割れたりしている場合は、隙間から雨水が侵入してしまい建物の雨漏りに直結しやすいため早急な対処が必要です。また、どんどんサイディングが反ってしまい剥がれの原因にもなってしまい大変危険です。
軽度の欠けでありましたら、外壁塗装でのメンテナンスが可能ですが、重度の欠けやサイディング全体で見られる場合は外壁塗装だけでは補うことができず、別途補修(張替えやカバー工法)が必要になる場合があります。
どちらにせよサイディングに欠けや割れが見つかりましたら、早急に業者に点検を依頼するようにしましょう。
サイディングのひび割れ
欠けや割れ同様、ひび割れも早急な対処が必要です。特に幅0.3mm以上のひび割れ(構造クラック)でしたら隙間から雨水が侵入しやがては雨漏りに直結するため、隙間を埋めてあげる必要があります。
弊社ではVカット工法での補修を推奨しております。
Vカット工法…ひび割れ部分をサンダーで拡げ、ひび割れの奥までコーキング材を充填させ隙間を埋めていく工法
幅0.3mm以下の軽度のひび割れでしたらすぐに雨水が侵入するといったわけではありませんが、時間の経過と共に徐々に幅は広がります。
そのため幅が広がる前に外壁塗装で保護し隙間を埋めてあげる必要があります。
コーキングの劣化
サイディングはパネル状の外壁材を組み合わせて仕上げているため、どうしても外壁と外壁の間には隙間ができてしまいます。その隙間を目地と呼び、その目地を埋めてくれているのがコーキングです。
お写真赤線の箇所にコーキングが打設されています。
このコーキングは雨水の侵入を防いだり、地震などの揺れや気温の変化による膨張と収縮の負担を減らしてくれる役割を持ちます。サイディングにとってこのコーキングこそが一番重要なんです!
ですが、このコーキングは打設から7~10年程度で劣化していきます。打設当初はゴムのような柔らかい弾力性のある素材でできていますが、紫外線などの影響で徐々に硬く硬化してしまうのです。
硬く硬化したコーキングは上記お写真のようにひび割れが生じたり…
コーキングが縮んでしまうことで隙間があき、剥離してしまうことがあります。
これらのひび割れや隙間から雨水が侵入してしまいますと、雨水や湿気が侵入してしまい雨漏りなど劣化の原因になりますので、再度新しくコーキングを打ち替えてあげる必要があります。
サイディングのカビやコケ汚れ
サイディングのコケやカビ汚れも外壁塗装を行う目安の一つです。
コケやカビは水分を含み保水力があります。つまりコケやカビが発生したサイディングは水分を多く含んだ状態であることがわかります。
水分を含んだ外壁材は、反りや剥離・ひび割れなどが起こりやすく特にサイディング外壁では上記のお写真のように、サイディングとサイディングの隙間ができやすく注意が必要です。
ここまで劣化が進行してしまう前に、大掛かりな工事になる前に…外壁塗装を行うことで、外壁の防水性を向上させてあげることができます!
また、コケやカビは一度生えるとどんどん範囲が広がりやすくアレルギーの原因にもなります。特に小さなお子様や高齢者の方がいらっしゃるお宅では注意しましょう。
関連記事:外壁のコケは放置厳禁!正しい除去方法と予防のポイントをご紹介
サイディングの色褪せやチョーキング現象
サイディングの色褪せやチョーキング現象も外壁塗装を行う目安の一つです。
チョーキング現象…外壁を手で触ると白い粉がつく現象。この白い粉の正体は古い劣化した塗膜
水分を弾く力がなくなり塗膜が剥がれ落ちたことでサイディングの色褪せやチョーキング現象は現れます。
これらの症状は一般の方でも簡単に確かめることができますのでぜひ手で外壁を触ってみてください!水分を弾く力をなくした外壁は無防備な状態です。外壁塗装を行い防水性を向上させてあげる必要があります。
関連記事:チョーキング現象が起こっているかで壁の劣化状態を調べれるの?
サイディングの外壁塗装にかかる費用相場は90~120万円(一般的な30坪のお宅の場合)
ここからはサイディングの外壁塗装にかかる費用相場についてお話していきたいと思います。
サイディング外壁塗装の費用相場は90~120万円です。(一般的な30坪のお宅の場合)
ですが、上記のグラフは外壁塗装+屋根塗装の価格が含まれたデータです。外壁塗装のみの施工かその他の工事も同時に施工されるのかによっても価格は変動するため、一概に相場はこの値段です!と断定することは難しいのが現状です。
サイディング外壁塗装の相場を決める要素には以下のものがあります。
・塗装面積
塗装する面積によって価格は変動します。基本的に坪数だけで価格を決めることは難しく(お家の形状などが各建物によって異なるため)費用を定めるには、正確な塗装面積を算出する必要があります。
1坪=3.3㎡で計算
坪数(延床面積)×係数(1.7)=塗装面積
関連記事:30坪の外壁塗装の相場は?計算方法と内訳や実際の見積書を例に解説
・塗料のグレード
使用する塗料のグレードによっても価格は変動します。グレードが高くなるにつれて1㎡あたりの費用が高くなります。
塗料種別 | 耐久性 | 費用相場 |
---|---|---|
シリコン | 7~10年 | 2200円/㎡ |
ラジカルシリコン | 10~15年 | 2500円/㎡ |
超低汚染型シリコン | 12年~17年 | 2800円/㎡ |
超低汚染型無機フッ素 | 15~20年 | 3200円/㎡ |
・コーキング工事の有無
コーキング工事の有無によっても外壁塗装の費用は変動します。
先程お話させて頂いたとおり、コーキングはサイディングにとって非常に重要です。そのためコーキングが劣化していた場合工事は必要不可欠です。
コーキング工事には新しいコーキング材に打ち替える「打ち替え工法」と既存のコーキング材の上から新しいコーキング材を被せる「増し打ち工法」があります。
打ち替え | 750~1000円/m |
---|---|
増し打ち | 450~800円/m |
・屋根塗装の有無
外壁塗装と同時に屋根塗装をされるかどうかによっても価格は変動します。塗装する屋根材や面積にもよりますが一般的な30坪の戸建て住宅で約15~25万円ほどの相場です。
弊社では、外壁塗装と屋根塗装を同時にされるお客様がほとんどです。なぜかと言いますと外壁塗装や屋根塗装には足場の仮設が必須です。この足場の仮設はおよそ20万円程度かかります。
屋根と外壁をわけて塗装した場合、この足場代が2度かかってしまうため屋根と外壁の塗装を同時に施工した方が足場代は1度で済み節約にも繋がるからです。
・付帯部の塗装
付帯塗装の有無も費用の変動に影響します。付帯部の塗装も屋根塗装同様、外壁塗装と同時に施工される方が多いです。
付帯部全体を塗装するとトータルで10万円程度加算される場合があります。ですが、外壁と同じく付帯部も経年と共に劣化していきます。そのため初めから付帯塗装も外壁塗装を安心して終えるには必要な経費であると考えた方が賢明です!
関連記事:外壁塗装の付帯塗装について 付帯とはどこ?付帯塗装の必要性は?
・補修工事の有無
外壁にひび割れがある場合や、別途左官補修が必要な場合は外壁塗装費にプラスして補修費用が必要になります。この費用によっても相場は変動します。
もしご自宅の外壁にひび割れなどがございましたら相場プラス数万円高くなることをご認識ください。
サイディングの外壁塗装の実際の費用相場を事例別にご紹介
ここからはサイディングの外壁塗装の実際の費用相場を事例別にご紹介していきたいと思います。
総額約75万円!築25年の25坪2階建て(窯業系サイディング)
築約25年、25坪の窯業系サイディング外壁のお宅です。使用した塗料は関西ペイント RSシルバーグロスSI水性ラジカルシリコン。
外壁塗装と同時にコーキング補修や付帯塗装もされ合計約75万円です。
河内長野市にてサイディングの外壁塗装を実施(費用は約75万円)
総額約110万円!築20年の30坪2階建て(窯業系サイディング)
築約20年、30坪の窯業系サイディング外壁のお宅です。使用した塗料は関西ペイント RSゴールドSI 水性2液超低汚染シリコン。
外壁塗装と同時にコーキング補修や付帯塗装もされ合計約110万円です。
総額約88万円!築25年の40坪2階建て(金属系サイディング)
築約25年、40坪の金属系サイディング外壁のお宅です。使用した塗料は関西ペイントアレスアクアセラシリコンONE。
外壁塗装と同時にコーキング補修や付帯塗装もされ合計約88万円です。
総額約102万円!築10年の50坪2階建て(窯業系サイディング)
築約10年、50坪の窯業系サイディング外壁のお宅です。使用した塗料は関西ペイント RSゴールドSI水性2液超低汚染シリコン。
外壁塗装と同時にコーキング補修や付帯塗装もされ合計約102万円です。
サイディング塗装の工期は30坪のお宅で約7~10日
サイディングの外壁塗装にかかる工期は一般的な30坪のお宅で約7~10日です。こちらは各工程をスケジュール別にまとめた表です。
補修の有無や付帯塗装の有無によっても工期は前後しますが、大体7~10日を目途にスケジューリングして頂けたらと思います。
まとめ
外壁塗装が必要なサイディングの劣化症状(危険度順)
1.サイディングの割れや欠け
2.サイディングのひび割れ
3.コーキングの劣化
4.サイディングのカビやコケ汚れ
5.サイディングの色褪せやチョーキング現象
サイディングの外壁塗装にかかる費用相場
90~120万円(30坪の場合)
サイディングの塗装にかかる工期
7~10日程度(30坪の場合)