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積水ハウス施工住宅にガスケット(コーキング)からバックアップ材使用のコーキング工事を実施した事例を掲載。
築20年の積水ハウスの住宅は現在お住まいになっていませんが、今後のことをお考えになり積水ハウスで工事見積りをしたところ大変高額な工事金額だったようです。
北側の外壁にのみ目地にガスケット、その他3面の外壁の目地にはコーキングが施工された珍しい仕様の建物です。
ガスケットは約30年の寿命とされるくらい耐久性が高く、北側の外壁にのみガスケットが施工されている理由は北側だけ隣家との距離が狭く足場が建てられないことにあります。
足場が建てられないと北側の外壁をメンテナンスできないため、建築時にあらかじめメンテナンスが必要ないようにガスケットが北側の外壁にのみ施工されていたと推測されます。
ただしガスケットは半永久的に持つものではなく、紫外線の影響で目地から剝がれてしまうので本来はメンテナンスは必須です。
積水ハウスでは「北側外壁は工事不可能」との案内があったようですが、弊社ではお隣様の承諾を得てお隣様の屋根に足場を建てて工事をする提案をしてご成約をいただきました!
現地調査時のブログ⇒大阪市阿倍野区でハウスメーカーの外壁調査(ガスケット目地)
外壁塗装の施工事例⇒大阪市阿倍野区で積水ハウスの外壁塗装(メーカーでは工事不可と案内)
屋上防水工事の事例⇒大阪市阿倍野区にて屋上防水工事で雨漏り対策(積水ハウス施工住宅)
南大阪ペイントセンターのマナベと申します。
当ブログでは積水ハウス施工住宅のガスケット(コーキング)が埋め込まれた目地に、バックアップ材を使用したコーキング工事(撤去打ち替え工法)を実施した内容をご紹介しています。
ガスケットとコーキングが混在した積水ハウスの建物の調査
ガスケットとコーキングが施工された目地の点検
こちらの積水ハウスの外壁には窯業系サイディングが使用されており、サイディングボード同士の継ぎ目に目地(写真赤線)があるのが特徴です。
積水ハウスに限らず、窯業系サイディングの外壁の場合この目地のメンテナンスをどれだけ入念に行うかが外壁の寿命を左右するくらい重要です。
北側の外壁の目地にはガスケットと呼ばれるパッキン状になった目地材が埋め込まれています。
ガスケットは積水ハウスをはじめとした大手ハウスメーカーで使用されているケースが多く、その耐久性は約30年とメーカーが謳っているくらいです。
ですが実際のところ紫外線の影響で30年の寿命より早い段階でガスケットが目地から剝がれて交換を余儀なくされるケースが多いです。
今年で築20年の積水ハウスの住宅は今回ガスケットの交換をしておかないと次回塗装までガスケットの耐久性が持ちません。
そこでガスケットの代わりとなるコーキング材を施工する工事をご提案いたしました。
より高い耐久性を維持するために、コーキングを打つ前にバックアップ材を設置して工事を進めさせていただきます。
▼目地のガスケットについて詳しくはこちら▼
目地のガスケットとは?積水ハウスなどで使われる乾式目地
東西南側の3面の外壁の目地にはコーキングが施工されています。
コーキングも紫外線の影響で徐々に縮み、隙間から雨や湿気の侵入を許してしまうと外壁材の痛みが加速してしまいます。
ですので外壁の防水性を高めるためにも、古いコーキングを撤去して新しコーキングを施工してあげましょう。
北側外壁にだけガスケットが使用されている理由
こちらの建物のように目地にガスケットとコーキングが混在するケースは珍しいです。
なぜ混在しているかの理由は北側の外壁にだけ足場が建てられないことにありました。
写真は北側隣家と隙間ですが、わずか10cmほどしかありません。
実際に積水ハウスの営業担当から「北側には足場仮設ができないので、北側の外壁だけメンテナンスはできない」との案内があったようです。
おそらく北側にのみガスケットが施工されている理由も、足場が建てられずメンテナンスができないことを見越して耐久性の高いガスケットが施工されていると推測されます。
こちらは別の積水ハウス(築20年程)のガスケットのお写真をお借りしていますが、ガスケットは決して半永久的に持つものではなく写真のように目地からガスケットが浮いてしまうケースが多いです。
ガスケット自体の耐久性は確かに高いですが、紫外線の影響で目地から剝がれてしまうと外壁の防水性が保てません。
ガスケットの浮いた目地に湿気や雨水が入り込むと、サイディングボードの内側に湿気が溜まって外壁の浮きや変形に繋がってしまうのです。
ですので北側のガスケットが施工された外壁にも、なんとかメンテナンスができないかと考えました。
お隣様の屋根をお借りして足場設置のご提案
お隣様の屋根(スレート瓦)をお借りして足場を建てることができれば、北側の外壁のガスケットも交換が可能です。
お隣様の許可をいただき北側の外壁にも足場を建てられることになりました!
足場設置にあたり万が一建物に破損があった場合は保証対応をいたしますのでご安心ください。
ご協力をいただきありがとうございます。
南大阪ペイントセンターではお隣様の屋根をお借りして足場設置をした経験は多数あります。
お隣様との隙間が狭く工事を断られた場合もお気軽にご相談ください。
▼外壁調査の内容をもっと詳しく知りたい方はこちら▼
ガスケットからバックアップ材を使用したコーキング工事
コーキング工事施工前の外壁の目地です。
目地に埋め込まれたパッキン状の乾式目地である「ガスケット」をまず取り除きます。
コーキングも取り除いて新しいコーキングを打つ準備をします。
本来でしたらプライマーを塗布してからコーキングを打つ作業に入りますが、今回はあらかじめ目地にバックアップ材を設置します。
バックアップ材を入れる目的は2つあります。
1.目地の深さの調整
2.コーキングの2面接着を防ぐ
特に重要なのが「2.コーキングの2面接着を防ぐ」でどういった意味かは具体的に以下のイラストで説明します。
コーキングは本来、目地の両サイド2面にのみ接着し、目地奥には接着しないようにする2面接着がベストです。
理由は目地奥の計3面接着になるとコーキングの動きが固定され、サイディングボードの縮みについていけなくなりコーキングのひび割れや剥がれの原因となるからです。
目地奥にバックアップ材を入れることで3面接着を防ぐことができます。
そのためサイディングボードが縮んでもゴムのような柔軟性を持つコーキングは伸びるのでひび割れを防げるのです。
写真は目地にバックアップ材を入れている工程です。
バックアップ材はスポンジ状のゴム製の部材で、わたしたちの身近なものですと見た目は網戸用の隙間テープに近いものがあります。
バックアップ材取り付け後の目地です。
バックアップ材の上からコーキング打ち替え工法を行うことで、バックアップ材とコーキングの密着を防げて2面接着を実現できコーキングの持ちが格段と良くなるのです。
専用の溶剤で目地内部をあらかじめ清掃します。
養生後にプライマーを目地内部に塗り込み、コーキングの密着性を高めます。
コーキング材を奥から空気が入らないように一定のスピードで打ち込みます。
ヘラで平らに均して養生テープを外し、コーキング工事の完了です!
目地、サッシ廻りなどのすべてのコーキング工事が完了しました。
もちろん北側の外壁もお隣様の屋根をお借りして足場が建てられたので、ガスケットからバックアップ材を入れてコーキング工事を施工いたしました。
バックアップ材を設置したコーキング工事後の外壁
外壁塗装後の全景です。
コーキングの白い跡も塗装をすることで、しっかりと保護されています。
バックアップ材を使用したことで、目地内部の厚みが保たれ2面接着でコーキングの耐久性が良くなります。
窯業系サイディングの弱点は目地と言っても良いくらいなので、目地のコーキングをどれだけしっかりメンテナンスをしたかで外壁の寿命が長くなります。
▼同現場の外壁塗装の事例▼
この度は弊社にご依頼をいただきまして誠にありがとうございます!
こちらのページに関すること以外でも、お住まいの外装工事のあらゆるご相談を承っています。
何か気になることがございましたら、お気軽にご相談いただけますと幸いです。