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ハウスメーカーの点検を受けられ、外壁や屋上などの建物全体のメンテナンスに約600万円のお見積りがあったようです。
あまりに高額な金額にお困りになられていたところ、弊社のホームページをご覧になりお電話をいただきました。
お見積り点検のご依頼を賜り、現地調査に伺った内容をご紹介いたします。
南大阪ペイントセンターのマナベと申します。
当ブログでは豊中市のハウスメーカー施工住宅へ、建物全体の点検とお見積りに伺った内容をご紹介いたします。
ハウスメーカーから600万円の見積りを受け工事のご相談
住宅の概要
メーカー | 旭化成ヘーベルハウス |
築年数 | 26年(1997年建築) |
きっかけ | ハウスメーカーから工事の提案を受けた |
外壁 | ALC |
屋根 | 塩ビシート防水・スレート瓦 |
旭化成ヘーベルハウスの営業担当から「ヘーベルハウスで工事をすると30年は持ちます」との案内があったお客様。
ただしハウスメーカーに工事を依頼される場合、なんと600万円ほどの金額がかかるようです。
ハウスメーカーはどうしても中間マージンの関係で工事費用も高額になるケースが多いです。
ブランドの信頼料と思えば高額な工事費用も納得ですが、それでも600万円はあまりに高額に思われるのは無理もありません。
ヘーベルハウスから提案があった工事箇所は大きく分けて2箇所です。
- 外壁(ALC)への塗装工事
- 屋上の防水工事
以上の観点で、弊社で施工した場合のお見積りも含めて点検を進めていきます!
ハウスメーカー施工住宅への外壁点検とお見積り
調査の結果、メンテナンスが必要な箇所は大きく分類して以下の項目と判明しました。
・外壁材のALC
・付帯部(鉄骨・樋・軒天など)
・屋上
・屋根材のスレート瓦
外壁材(ALC)の点検
外壁材にはALC(軽量気泡コンクリート)が使用されています。
まずはALCのメンテナンスの注意点をご紹介しますと…
・目地のコーキング工事が最も重要
・ALCの防水性は塗装依存ですので塗装工事が必要
旭化成ヘーベルハウス施工の住宅の場合、ALCが使用されているケースがほとんどを占めます。
写真の赤線部分はALCの継ぎ目であり、防水目的にコーキングと呼ばれるゴムのような部材が施工されています。
新築時にはコーキングの上に、塗装をすることでALC全体の防水性が保たれるのです。
しかし新築時に施工されている塗料にもよりますが、多くの場合約10年が塗料の寿命です。
仮に耐久性の高い塗料を使用していたとしても、約20年目には塗料の保護効果が失われている状態です。
現状の築26年となると塗装の防水効果はほぼない状態と言えます。
コーキングにも塗料と同じく寿命があるので、コーキングの防水性もほとんどなくなっていることが窺えます。
以上の理由からコーキング工事とALCへの塗装工事が必要なのです。
ALCをメンテナンスする上で最も大切なことは目地のコーキング工事です。
写真で縦に延びる目地が黒ずんでいるのが分かりますか?
新築時に施工したコーキング材に含まれている可塑剤が経年劣化で染み出し、ベタついた目地表面に埃や汚れをこびり付いています。
この目地の黒ずみはコーキングの寿命を表すサインですので、コーキングへも適切なメンテナンスが必要なのです。
実はALC自体は非常に強度が高く厚みがあるので、仮にALC自体に雨水が染みたとしても簡単には変形したり劣化はしにくです。
問題なのはALC同士の継ぎ目にある目地の強度です。
いくらALCが頑丈だとしても、継ぎ目の部分から雨水が侵入してしまうと下地を傷める可能性が高くなります。
そのまま屋内に雨漏りする危険性も高くなるので、目地の継ぎ目にあるコーキングのメンテナンスが重要なのです。
もっと近くで目地の状態を見てみると、縦にひび割れているのが分かりますね。
このひび割れの原因もコーキングの経年劣化によるものです。
新築時は目地に触れるゴムのような柔らかさがあるのですが、年数とともに硬化して縮んでいきやがてひび割れへと発展します。
ALCのメンテナンスは塗料のグレードや耐用年数を重視されるよりも、いかに目地のコーキングのメンテナンスをきっちりするかが重要と言っても良いくらいです。
▼ALCについてもっと詳しく知りたい方はこちら▼
ALCのコーキング工事の工程と費用について
付帯部の点検
外壁材であるALC以外の状態も点検を実施します。
以下のような外壁以外の箇所を総称して付帯部と呼びます。
・雨樋
・雨戸
・シャッターBOX
・水切り
・破風板
・軒天
付帯部も外壁と同時に塗装をされる方がほとんどです。
理由は美観が維持されるだけでなく、素材自体を保護するので割れや劣化を防いでくれるからです。
こちらのハウスメーカー施工住宅では珍しい鉄骨階段があります。
マンションでは見かけることが多いですが、一般の戸建て住宅で鉄骨階段は中々見ないです。
鉄骨階段の手摺を触れるとご覧のように白っぽくなります。
実は汚れではなく、塗料が劣化したことで顔料の粉だけ手に付いてしまっているのです。
この劣化状態をチョーキング現象と呼び、塗装の寿命が切れたサインです。
特に鉄骨素材は塗装でしっかりと保護をしないと、サビてしまう原因にもなります。
付帯部の素材の特性に合わせた塗料で塗装をご提案いたしました。
屋上の点検
ハウスメーカーで良く見られる仕様ですが、写真のような屋上があります。
屋上には塗装ではなく、防水工事が必要です。
床材の下には写真のような塩ビシート防水が施工されています。
塩ビシート防水の寿命は約15~20年ですので、築23年ですと寿命が過ぎたころですね。
塩ビシートが経年劣化で破けたり破損してしまうと、そこから雨水が侵入して天井からの雨漏り被害に繋がってしまいます。
特に屋上などの陸屋根は、傾斜がないので雨水が溜まりやすく雨漏り被害に直結しやすいです。
対策としては既存の塩ビシート防水の上から新しい塩ビシート防水を施工する増張り工法をご提案いたしました。
新しい塩ビシートを施工することで、更に屋上の防水効果が15~20年プラスされ安心です!
▼塩ビシート防水について詳しく知りたい方はこちら▼
塩ビシート防水【防水工事の種類と耐久性の違いについて】
屋根材(スレート瓦)の点検
メインとなる屋上(陸屋根)の他に、少ない面積ですがスレート瓦の屋根が存在します。
スレート瓦には防水性が備わっていないため、塗装でのメンテナンスが必要な屋根材です。
スレート瓦を近くで確認してみると、オレンジ色の苔がびっしりと付着していますね。
塗装で保護されていれば、本来は苔は繁殖しにくいです。
恐らく防水性が落ちたスレート瓦自体に雨水が染み込み、苔が繁殖する温床となっているのでしょう。
苔は高圧洗浄で取り除き、屋根塗装をしてあげれば美観もスレート瓦の防水性も復活します!
ハウスメーカー施工住宅へのご提案内容と見積り金額
お見積り内容
劣化部位 | ご提案 | 理由 |
外壁(ALC) | 外壁塗装 | 塗膜の寿命 |
目地・軒天廻り・サッシ廻り | コーキング増し打ち | コーキングの劣化 |
付帯部(雨樋・シャッターBOX・小庇・水切り・スリムダクト・軒天・破風板・鉄部) | 塗装工事 | 美観・防水性の維持のため |
屋上の防水層 | 塩ビシート防水 | 雨漏り対策と防水層の寿命 |
屋根(スレート瓦) | 屋根塗装 | 塗膜の寿命 |
お見積り金額
お選びいただく塗料によって㎡あたりの塗料単価が変動するため、塗料によってお見積り金額も変動します。
以下の金額は屋上の塩ビシート防水(120㎡)を含んだトータル金額です。
塗料別見積り | 耐用年数 | 見積もり金額(税抜き) |
超高耐久HRC次世代塗料 | 30年以上 | ¥3,965,390 |
超高耐久無機塗料 | 20年以上 | ¥3,779,490 |
吹付け多彩模様フッ素塗料 | 15~20年 | ¥3,632,090 |
吹付け多彩模様シリコン塗料 | 10~15年 | ¥3,467,790 |
ラジカルシリコン塗料 | 10~15年 | ¥3,196,590 |
ご提案した中で一番リーズナブルな塗料ですと、ヘーベルハウスの600万円の約半額近い金額で施工が可能ですね。
弊社で旭化成ヘーベルハウスのご依頼をいただくお客様のほとんどが多彩模様でのプランをお選びいただくケースが多いです。
多彩模様とは単色ではなく細かな模様を吹き付けることで御影石のような高級感のある仕上がりになる塗料のことです。
そのため、お見積りの中にもフッ素とシリコン塗料による多彩模様の塗装プランもご提案いたしました。
▼多彩模様について詳しく知りたい方はこちら▼
水性ゾラコートEXの外壁塗装は吹付けで多彩模様が魅力!
ご提案内容や営業担当の説明にご理解をいただけ、この度「吹付け多彩模様フッ素塗料」での塗装プランをご用命いただきました!
ハウスメーカーへ依頼されるか大変お悩みだったとの事でしたが、弊社をお選びいただき誠にありがとうございます。
塗装工事後の様子は近日中に施工事例ページに掲載予定ですので、今しばらくお待ちください。
▼施工事例UPしました!(2022/03/13更新)▼