✓ブログの概要
堺市西区の築30年になる戸建て住宅にお住まいのお客様。
約15年前に外壁塗装を失敗されたため、今回の塗装工事は非常に慎重になられていました。
前回別業者で光触媒の塗料をすすめられ塗装をされましたが、わずか数年でツヤがなくなり色落ちしてしまうという失敗談があります。
そのような失敗のご経験から今回の外壁塗装ではとにかく「長持ちする品質の良い塗料での塗装」と強くお考えになられ、工事のご相談をいただきました。
堺市の皆さま、こんにちは!
外壁塗装専門店 南大阪ペイントセンターのマナベと申します。
過去の外壁塗装の失敗のもと、弊社にご相談いただくお客様は少なくありません。
外壁塗装は高額な買い物なので絶対に失敗されたくないお気持ちは痛いほどよく分かります。
当ブログでは過去に外壁塗装の失敗をご経験され「今度こそ失敗しない良い塗料で塗装」とお考えのお客様に対し、10年後の品質まで考えた工事プランのご提案をした内容を掲載しています。
良い塗料だけでは建物は長持ちできません。
本当に重要なのはコーキングによる防水性なのです。
過去に別業者で外壁塗装の失敗をご経験
ご相談に伺った戸建て住宅
築年数 | 30年(15年前に別業者で外壁塗装済) |
きっかけ | 前回塗装から15年経過し、ひび割れや色褪せが気になりはじめた |
外壁 | ALC☜今回の重要ポイント |
屋根 | スレート瓦 |
建物の一番の特徴としては外壁材にALCが使われている点です。
ALC外壁は軽量気泡コンクリートを主な材料としています。
とても簡潔にお伝えすると、他の外壁材に比べると軽くて丈夫で火に強いすごい外壁材です!
ALCパネルを建築物に取付けて、パネル同士の継ぎ目にコーキングと呼ばれる部材を埋め防水性を確保します。
後ほど解説しますがこのコーキングの存在こそが前回失敗の最大の要因であり、今回の外壁塗装を成功へ導く鍵なのです。
別業者で光触媒での外壁塗装をすすめられたが失敗
15年前の塗装を失敗に感じられた一番の要因は塗料のモチの悪さです。
訪販業者から「良い塗料です」と勧められるまま塗った光触媒の塗料が、数年も経たないうちにツヤと色が落ちていき見る見るうちに建物全体の色褪せが目立つようになってしまったのです。
そのご経験から「今回は品質の高い長持ちする塗料での塗装」とお考えでした。
お客様からヒアリングした内容をもとに、建物全体を調査して今度こそ失敗しない外壁塗装へ導いてみせます!
失敗しない外壁塗装のため建物全体の調査を開始
ALC外壁の調査
約15年前に光触媒塗料で塗装済のALC外壁。
確かに築30年という年数を感じさせない美観は、前回に塗装でメンテナンスをしているお陰だと思います。
前回塗装から15年経過しているので、塗膜の傷みが見られ縦のひび割れが数か所見られました。
ALCのメンテナンスで重要なコーキングの存在
ALC外壁のメンテナンスは塗料の品質ももちろん大事ですが、最も重要なのが目地のメンテナンスです。
目地とはALCパネルの継ぎ目で、縦方向に線が入っている部分が目地なのです。
もっと分かりやすくするため、目地の部分に赤線を付けてみました。
こちらの写真だけでも目地の数は多いですよね。
ALCパネルの継ぎ目である目地には新築時にコーキングというゴムのような部材が埋め込まれており、雨や湿気が外壁に入らないように守ってくれています。
ですが一般的にコーキングの寿命は約10年。
寿命が過ぎたコーキングは徐々に弾力性がなくなり、硬くひび割れてしまうのです。
ですのでALC外壁には「目地のコーキングを新しくする」というメンテナンスが非常に重要になります。
前回業者ではコーキング工事が未実施のまま塗装
目地を近くで見てみましょう。
目地の凹みの中央が縦にひび割れているのが分かりますか?
これは塗膜の中のコーキングが寿命を迎えひび割れていることを表します。
ALCの場合は目地の溝が十分にあるので、メンテナンスの際は古いコーキングの上から新しいコーキングを打ちます。
ここで重要な事実に気付いてしまいました。
よく見ると目地の”溝”がしっかりありますよね?
本来過去にコーキング工事をされている場合、コーキング増し打ち(既存のコーキングの上から新しいコーキングを打つ工法)をするので目地の溝がほとんどなくなっているのが正解です。
こちらの目地を確認するかぎり前回の外壁塗装のときにコーキング工事をしないまま外壁塗装をしているようです!
写真は別建物のALC外壁の目地です。
今回のお客様と同様に過去に外壁塗装をされ、もちろんコーキング工事(増し打ち)も過去に施工済みです。
こちらの写真のように過去にコーキング工事をされている場合、目地の溝がほぼなくなり増し打ちが不可能なため撤去打ち替え工法でコーキング工事を行います。
撤去打ち替え工法とは、古いコーキングを取り除いてから新しいコーキングを打つ工法のことです。
▼こちらの写真の2回目の外壁塗装の参考事例▼
堺市堺区にて2回目の塗装工事(築33年のヘーベルハウス施工)
ですのでALCのコーキング工事は…
初回の塗装工事 | コーキング増し打ち |
2回目の塗装工事 | コーキング撤去・打ち替え |
以上が正しい形です!
ですが前回にコーキング工事が未実施の状態で外壁塗装をされているので、今回は2回目の工事ですがコーキング増し打ち工法で工事を行う必要があります。
▼ALCのコーキングについてもっと詳しく知りたい方はこちら▼
ALCのコーキング工事の工程と費用について
コーキング工事が必要なサッシ周り
コーキング工事が必要なのは目地だけではありません。
サッシを囲むようにぐるりとコーキングが施工されており、サッシや玄関周りなどにもコーキング増し打ちが必要です。
サッシ周りの塗膜をよく見ると塗料がはみ出てガタガタになっています。
塗膜の境目はまっすぐに養生テープを貼ることで、塗装後に養生テープを取り外してからもまっすぐなキレイなラインがでるものです。
養生の技術だけで塗装職人の腕が分かるとされているくらい、養生の善し悪しは品質を左右します。
前回のような塗膜にならないように、今回はきっちりと美観にもこだわって仕上げますのでご安心ください。
寿命が過ぎて防水性がなくなった光触媒の塗膜
壁に触れると粉が付着します。
汚れだと思われるかもしれませんが、実は塗膜の顔料が粉状になって表面に出てきているのです。
粉が付着すると残念ながら塗膜の寿命のサインでもあるので、塗装時期が来たとご理解ください。
この現象を業界ではチョーキング現象と呼びます。
チョーキングの放置=雨水を弾く力がなくなった外壁を放置する、と同じ意味なので結果的にALCパネルに雨水が染み込み雨漏りの危険性が高まります。
特にALC外壁は二次防水の役割がある防水シートが施工されていないので、塗膜とコーキングの劣化は直接雨漏りの原因となってしまうのです!
付帯部の調査
雨樋を固定する部材もサビていますね。
研磨でサビを落として、サビ止め効果のある塗料で保護してあげましょう。
軒天(のきてん)も万が一傷んで割れてしまうと、そこから虫だけでなくコウモリや鳥が侵入し思いもよらない被害へと繋がりやすいです。
塗装をすることで軒天表面が保護されて耐久性が高まりますよ。
正面にある大きなシャッターもサビが見られるので、塗装でメンテナンスをしてサビを防ぐことがおすすめです。
屋根の調査
屋根材にはスレート瓦が使用されています。
スレート瓦の防水性は塗装依存です。
防水性も築10年を目安に失われるので、塗装をすることで防水性を復活させてあげましょう。
雨水を弾くことができなくなったスレート瓦は水分が常に染み込んだ状態になるのでカビが多く繁殖しています。
塗装をする前に業務用高圧洗浄でカビや旧塗膜を洗い流しますのでご安心くださいね。
前回の失敗を活かしコーキング工事のご提案
お客様のご意向としては前回の失敗談から「今回は品質の高い長持ちする塗料での塗装」とお考えでした。
- ALCは他の外壁材に比べると目地の多さは1.5倍
- ALCには防水シートがなく目地のコーキングと塗膜で雨漏りを防いでいる
以上の内容や建物の状態を考慮し「塗料の品質よりもコーキング工事が重要」という趣旨のご説明をお客様へいたしました。
ALCは他の外壁材よりもコーキングの重要度が高く、いくら塗料の品質がよくても目地に関してはコーキングが生命線です。
特に築30年を迎えるので、こちらの住宅にはコーキングは必須とお伝えいたしました。
その上で各塗料別の㎡数や㎡当たりの単価、塗料名などを詳細に明記した計4プランの見積書をお渡ししました。
お見積り内容
劣化部位 | ご提案 | 理由 |
ALC外壁 | 外壁塗装 | 塗膜の経年劣化と防水性低下 |
目地とサッシ周り | コーキング増し打ち | コーキングのひび割れ(築30年なのでコーキング工事は必須) |
スレート瓦 | 屋根塗装 | 防水性が失われたことによるカビの繁殖 |
付帯部(シャッター・雨樋・軒天など) | 塗装工事 | 美観の向上・防水性の維持のため |
お見積り金額
※使用する塗料のグレードによって1㎡あたりの単価が異なるので、お見積り金額も塗料によって変動します。
塗料別見積もり案 | 見積もり金額(税抜き) |
超低汚染フッ素塗料 | ¥1,884,850 |
超低汚染型シリコン塗料 | ¥1,748,150 |
ラジカルシリコン塗料 | ¥1,695,550 |
シリコン塗料 | ¥1,590,450 |
上記は外壁塗装と屋根塗装と共通工事などすべてを合計したお見積り金額です。
他数社と相見積もりを実施され、工事のご依頼を決意されるまで1年近く期間が空きました。
弊社よりも安価な業者があったようですが、営業担当の「塗料よりもコーキングが大切」という説明にご納得いただきご成約となりました!
外壁の塗り色
次にご検討されるのは外壁の塗り色です。
ツートンカラーの建物ですので、色の組み合わせ1つで印象が大幅に変わります。
ショールームへ何度も足を運んでいただき、最終的なカラーシミュレーションが決定いたしました!
ご足労をいただき、ありがとうございました。
1階はKP-376をもっと濃くするため、50%濃い目の塗り色です。
2階は05-80Dというローズダストのお色です。
ピンクベージュのような上品なくすみカラーで、白っぽくなりすぎないようにお客様と一緒にこだわって色選びをいたしました。
シミュレーションだけでなく、塗り板を塗料メーカーから取り寄せて太陽光に当たった色を考慮して選定しています。
Q.いろんな業者さんがある中で、何が決め手となって私たちにご依頼くださいましたか?
A.
安い業者はありましたが、説明して頂いた営業さんがペンキにこだわるよりコーキングが重要という事等、細かく教えて頂いたりとても信頼することができましたので決めました。
この度は南大阪ペイントセンターへご相談をいただきありがとうございました!
塗装工事後の様子は近日中に施工事例ページに掲載予定ですので、今しばらくお待ちください。
▼施工事例UPしました(2022/12/07更新)▼