東大阪にお住いの方から、「築11年ぐらいだけど外壁の表面がポロポロめくれてきているので、一度点検してほしい」とご依頼がありましたので、お伺いしました。
築11年と比較的新しいお家で、外からパッと見た感じでは特に劣化があるようには見えませんでした。
点検スタート!
いざ点検を開始し、外壁の状態を近くでよく見てみると、写真のようにセラミック塗料が細かくひび割れしてしまっています。
「数年前からひび割れしだして、ここ最近特にひどくなってききたので不安になって点検をお願いした」とのことでした。
表面を手でこすってみると、砂状になったセラミック塗料がサラサラーっと剥がれ落ちていきます。
外壁全体ではなく、正面の凸凹が激しい部分が集中的にこのうような状態となっています。
何故このような状態になってしまっているかというと、セラミック塗料は陶器や瓦と同じように粘土を焼き、それを細かく粉砕して樹脂と混ぜた塗料なので、樹脂成分が抜け落ちるとただの砂状のかたまりとなってしまい、このような状態になってしまいます。
また、亀の甲のような細かいひび割れが起きている原因としては、ALCのデザインボードの凹凸が激しいため、新築時の吹付塗装の際に規定以上の量を吹付てしまい、塗膜に厚みができすぎて割れやすい状態であったと想定されます。特にセラミック塗料は弾力がほとんどありませんので、割れやすい特徴があります。
ALCなので目地にコーキングが打ってあり、その上から吹付塗装してありますが、ボードやコーキングの伸縮についていけずに塗膜が割れています。
ただ、塗膜がわれているだけで中のコーキングは塗膜に守られている状態なので、築年数から考えてもコーキングの打ち替えは次回でも良いかもしれません。
軒天のケイカルは大きな劣化もなく、専用の塗料で塗っておけば長持ちできます。
基礎廻りも大きなひび割れや劣化は見られません。
スレート屋根はやや退色が見られ、水が染み込みやすい状態となっています。
反対側の屋根は北面なので、ややコケの発生が見られました。
正面の外壁にはセメント系のフィラーで下地を固めてから塗装のご提案
全体的に状態は良好でしたが、ご主人さまが気にされている通り正面の外壁は手で触るとサラサラとセラミック塗料が落ちていき、このままでは近いうちにALCボードの素地が見えてきてしまいます。
そうなると、外壁に非常に水が染み込みやすい状態となってしまいますので、早めの塗り替えのご提案をさせていただきました。
セラミック塗料が細かく割れている正面部分は、下地補修としてセメント系のフィラーを塗り一度ガチっと固める工法をご提案しました。
その他の面もセラミック塗料の上から塗装する際にはまずシーラーという塗料で下地を固めてから、通常の3回塗りを行います。(合計4回塗り)
そうしないと、通常の3工程だけではすぐに剥がれてきてしまう可能性があるからです。
外壁はラジカルシリコン塗料、屋根には遮熱シリコン塗料を選択され、工事をご依頼いただきました。