どれだけ言葉たくみに伝えても、塗装後の品質が私たちの価値を決めるバロメーターです。その場しのぎの品質ではまったく価値がありません。
かつての私は、目先の塗装しか考えていない時期がありました。
ここで正直に告白します。
私の父が塗装店を営んでいたこともあって、高校卒業後に塗装の世界に入りました。一通りの塗装ができるようになって、父に初めて任された現場が和歌山県田辺市の小さな学校でした。
私は仲間たちと塗装工事をはじめ、最初の工程である外壁の洗浄作業を終えたところ、社長であった父が現場につくやいなや、私に駆け寄りこう叫んだのです。
「なにやってんだ!これじゃあ、まったくダメだ!」
塗装をする前に外壁の洗浄という作業があるのですが、洗浄が不十分なことに腹を立てていたのです。私の経験上、このままでも大丈夫だと思いました。父と口論になりました。しかしすぐに決着はつきました。
「おまえは目先の仕事しかしていない。わしらの仕事は時間が経ってから評価されるもの。その場しのぎでは信用を失う」ほんのしばらく理解できなかったのですが、はっと気づきました。そしてハンマーで殴られたような衝撃が頭の中をかけめぐりました。そう今まで長持ちなんて考えたことがなかったのです。
将来の塗装品質。このような意識を持つようになったきっかけは、この出来事でした。もちろん最初はいろんな葛藤や問題があり簡単ではありませんでした。ただ塗るだけのその場しのぎの単調な作業だったのが、将来の品質ときれいな仕上げというパッケージになったサービスを意識しはじめたのでした。そして、今の南大阪ペイントセンターの職人魂につながってきたのです。
僕がかつて行っていた目先だけの塗装なら正直、誰にでもできます。誰でもいいなら塗装職人さんは星の数ほどいます。しかし、このような職人魂をもった職人さんは限られます。
近江商人にはこんな心得があると聞きました。
売り手よし、買い手よし、世間よしという三方よし。
10年後の品質いかんが、三方よしということになります。
もちろん、100人が100人とも三方よしにはできないかもしれません。
それは、工事だから不具合が起こることもあるからです。
ただ、その時はしっかりフォローをする。そして、三方よし。
南大阪ペイントセンターでは、お客さんよし、私たちよし、地元よしという、そんなサービスを提供し続ければなあと思います。
とても壮大な夢ですが、南大阪ペイントセンターや優良店の職人魂に刺激を受けて、職人魂が伝播していく。松原市発、大阪、関西、そして全国へと広がっていく姿をイメージするとなんだかわくわくします。そんな職人魂が広がるととても嬉しいなと思っています。
ある日、母から聞かされたことがあります。はじめて任された和歌山の現場は父が通っていた孤児院だったのです。とてもお世話になったということで、父の会社も大変だった時期のようですが、外壁塗装と室内リフォームを奉仕させていただいていたようです。私もいつかはそんな立派な人間になれればと思っています。
南大阪ペイントセンター
プロフィール
松原市立部で育つ
松原東小学校卒
松原第六中学校卒
大阪府立東住吉高等学校卒
高校卒業後、塗装見習いとして働く
1998年に南大阪ペイントセンターを創業
現在に至る
資格・経験
・厚生労働大臣認定 一級塗装技能士
・窯業サイディング塗替診断士
・(社)住宅保全推進協会認定 外装劣化診断士
・(社)雨漏り検診技術開発研究所認定 雨漏り検診アドバイザー
・有機溶剤作業主任者
・足場の組立て等作業主任者
・高所作業車運転士
・小型移動クレーン運転士
・車両系建設機械運転士(解体)
・塗装歴20年
・世界遺産検定4級