マンションのオーナー様は、「外壁の種類によって塗装に違いがあるのか」と疑問に思ったことはございますか?
結論!マンションの外壁は種類によって特徴が異なります。外壁の種類別で塗装に向いている塗料がございます。また、外壁の種類によって起こりやすい危険な劣化の特徴もご紹介いたします。
- タイル
- ALC
- モルタル
- 窯業系サイディング
- コンクリート打ち放し
所有するマンションの外壁の特徴について、ご参考になれば幸いです。
マンションの外壁塗装については、こちらの記事で網羅的に解説をしています。
マンションの外壁塗装が初めてでも安心!4ステップでミスなく実行
1.1つ目:タイル
1-1.特徴
1-2.タイルの外壁塗装で抑えておくポイント
1-3.外壁塗装が必要なタイルの危険な劣化
2.2つ目:ALC
2-1.特徴
2-2.ALCの外壁塗装で抑えておくポイント
2-3.外壁塗装が必要なALCの危険な劣化
3.3つ目:モルタル
3-1.特徴
3-2.モルタルの外壁塗装で抑えておくポイント
3-3.外壁塗装が必要なモルタルの危険な劣化
4.4つ目:窯業系サイディング
4-1.特徴
4-2.窯業系サイディングの外壁塗装で抑えておくポイント
4-3.外壁塗装が必要な窯業系サイディングの危険な劣化
5.5つ目:コンクリート打ち放し
5-1.特徴
5-2.コンクリート打ち放しの外壁塗装で抑えておくポイント
5-3.外壁塗装が必要なコンクリート打ち放しの危険な劣化
6.まとめ
1つ目:タイル
タイルの外壁の場合、どのような疑問をお持ちでしょうか。
- タイルはメンテナンス必要ない?
- タイルに塗料を塗らなくても大丈夫?
- 塗料を塗布してもデザインをそのまま残したい
以上の疑問を解決する為に、詳しくご紹介いたします。
特徴
タイルは自然素材の石や土からできている為、紫外線による劣化に強い材質になります。
建物の劣化は、紫外線が大きく影響します。タイルは、紫外線に強く耐久性があり機能性と美観を兼ね備えています。また、タイルは耐候性が高く、変色しにくい特性があります。
タイル自体は長持ちするのですが、全くメンテナンス不要というわけではありません。タイルの周りは劣化してくるので、10年に一度を目安にして点検を行いメンテナンスする必要があります。
タイルへの塗料の塗布は基本的に不要になります。しかし、タイルに塗料を塗って塗装すると美観が蘇るだけでなく、塗料によるタイルの長期的な保護が期待できるでしょう。
タイルの外壁塗装で抑えておくポイント
タイルの素材がお気に入りで、塗料を塗ってデザインを変えたくないとお考えのオーナー様もいらっしゃるでしょう。
タイルに塗料を塗布する場合、おすすめしたい塗料がクリア塗料になります。クリア塗料は無色透明の塗料で、外壁のデザインをそのままにして艶のある仕上がりに塗装できます。
タイルにおすすめのクリア塗料がこちらになります。
- 日本ペイント「UVプロテクト4Fクリヤー」
- 関西ペイント「RSプレシャスクリヤーフルグロス」
チョーキング現象やひび割れがあるタイルは、クリア塗装で劣化を保護するのは不可能です。美観を損ねてしまうのでクリア塗装できないと、留意いただきたいと思います。
クリア塗装について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になさってください。
外壁塗装のクリアでデザインそのまま!クリア塗装できない外壁とは?
外壁塗装が必要なタイルの危険な劣化
高耐久・高耐候のタイルでも外壁塗装のメンテナンスが必要な場合がございます。
メンテナンスが必要なタイルの危険な劣化がこちらになります。
- タイルを接着している下地(モルタル)の劣化
- 目地のコーキングの劣化
- タイルのひび割れや浮き
前回のメンテナンスから10年経っていなくても、以上のような劣化を確認したら早めのメンテナンスをお願いいたします。
2つ目:ALC
ALCの外壁の場合、どのような疑問をお持ちでしょうか。
- ALCの外壁で気を付けることは?
- ALCの外壁のリスクは?
- ALCの外壁で多い劣化は何?
以上の疑問を解決する為に、詳しくご紹介いたします。
特徴
ALC(軽量気泡コンクリート)の外壁は、軽量でありながら強度が優れています。断熱性や耐火性が高いのが特徴です。また、ALC外壁は保温性能があり、エネルギーの効率が良いと言われています。
ALC外壁は、ALCのパネルを繋ぎ合わせているので目地が多く存在します。その為、コーキングの劣化やひび割れが雨漏りの原因になってしまいます。
また、ALC自体に防水シートが施工されていないので防水機能がなく、防水力を高めるには塗装が必須となっています。
ALCの外壁塗装で抑えておくポイント
ALC外壁をメンテナンスする場合、コーキング工事が大事になってきます。前項でもお伝えしたように、ALC自体に防水機能はなく、目地の多さからコーキング工事は欠かせません。
コーキング工事には、増し打ち工法と撤去・打ち替え工法があります。
▼コーキング工事(増し打ち工法)▼
増し打ち工法とは、古いコーキングの上から新しいコーキング材を打つ方法です。ALCは溝が深いので、メンテナンスが1回目の場合は施工可能です。
▼コーキング工事(撤去・打ち替え工法)▼
ALCの2回目のメンテナンスは溝がなくなっている場合が多いので、撤去・打ち替え工法となります。撤去・打ち替え工法は手間が多くなる分、費用も高くなってしまいます。
1回目のコーキング工事でも、劣化が激しい場合は撤去・打ち替え工法になる場合もございます。
ALCの弱点であるコーキング工事が建物を長持ちさせる秘訣になります。ALCのメンテナンスでは、コーキング工事は施工必須と留意いただきたいと思います。
ALCのコーキング工事について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になさってください。
外壁塗装が必要なALCの危険な劣化
防水機能を持たないALCにとって、雨水や湿気の侵入に直結する劣化が危険度が高くなります。
ALCの危険な劣化がこちらになります。
- コーキングのひび割れ・剥がれ
- ALCパネルのひび割れ・剥がれ・浮き
また、ALCにカビや藻が発生している場合は、保護機能が低下しているサインです。ひび割れなどの症状がなくても、ひび割れの一歩手前だとご認識いただきたいと思います。
ALC外壁には二次防水機能がないと留意いただき、劣化症状を確認したら早めのメンテナンスをおすすめいたします。
3つ目:モルタル
モルタルの外壁の場合、どのような疑問をお持ちでしょうか。
- モルタルって何?
- モルタル外壁で使用する塗料は何がいい?
- 気を付ける劣化症状は?
以上の疑問を解決する為に、詳しくご紹介いたします。
特徴
モルタルは、一般的にセメント・砂に水を混ぜ硬化することで頑丈な表面が形成されます。モルタル外壁は耐久性・防水性・断熱性があり、タイルなどの材質に密着して保護機能を強化します。
また、モルタルは仕上げの種類によって外観が異なり、デザイン性の高い材質になっています。
▼モルタルの仕上げの種類▼
リシン | |
スタッコ | |
吹付タイル | |
ジョリパット |
モルタルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になさってください。
外壁塗装のモルタル補修が必要かの判断方法と費用相場をチェック
モルタルの外壁塗装で抑えておくポイント
モルタル外壁の塗料は、下塗り塗料を適切に選ぶ必要があります。前項でご紹介した仕上げの種類によって材質の性質が異なる為、選ぶ下塗り塗料も気を付ける必要があるのです。
▼モルタルの仕上げ種類別で選ぶ塗料の性質▼
仕上げ方法 | 特徴 | 選ぶ塗料の性質 |
リシン | 浸透性・通気性に優れているがひび割れしやすい。汚れ付きやすい。 | 弾性塗料 |
スタッコ | 空気をため込みやすい。汚れが目立つ。 | 浸透性塗料 |
吹付タイル | 種類によって通気性に優れているものと優れていないものあり。カビ・コケが発生しやすい。 | 弾性塗料 又は 浸透性塗料 |
ジョリパット | 空気や水を吸収しやすい。汚れが付きやすい。 | 浸透性塗料 |
モルタルだからと言って、同じ塗料を選ぶのは危険です。
塗料選びは「外壁の材質」や「選ぶ上塗り塗料」によっても異なる為、下塗り塗料は専門知識のある業者に任せるのが正解です。
外壁塗装が必要なモルタルの危険な劣化
モルタルの劣化で特に気を付けていただきたいのが、ひび割れになります。ひび割れの隙間から雨水や湿気が侵入し、雨漏りの原因になる可能性があります。
0.3mm以上の大きな構造クラック(ひび割れ)がある場合は、危険性の高い劣化になります。名刺や紙のポイントカードが0.3mmの厚みに近いので、ひび割れの幅を確認してください。
0.3mm未満で外壁の表面に凹凸がないひび割れは、塗料が十分に密着しているので早期の補修は必要ないかもしれません。0.3mm未満であっても広範囲にある場合は、塗装が必要な可能性が高いので外壁塗装業者に相談する必要があります。
- 0.3mm以上の構造クラック⇒早期の補修が必要
- 0.3mm未満のヘアークラックでも広範囲で塗料の剥離がある場合⇒外壁塗装必要
- 0.3mm未満のヘアークラック⇒経過観察
0.3mm未満のヘアークラックでもひび割れが進行してきた場合は、早めに塗装業者への相談をお願いいたします。
マンションのクラックについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になさってください。
マンションのクラックは放置厳禁!放置するリスクや補修方法を紹介
4つ目:窯業系サイディング
窯業系サイディングの外壁の場合、どのような疑問をお持ちでしょうか。
- 窯業系サイディングって何?
- メンテナスを怠るとどうなるの?
- 窯業系サイディングはどんなメンテナンスが必要?
以上の疑問を解決する為に、詳しくご紹介いたします。
特徴
窯業系サイディングとは、セメントや繊維の素材を使用して造られた外壁材の一種です。サイディングボードを繋ぎ合わせて、目地にコーキングを施工しています。タイル調やレンガ調などの凹凸のあるデザインで、デザイン性が高く高級感のある雰囲気が感じられます。
耐火性に優れていて、近隣の火事などが燃え移りにくいメリットがあります。しかし、外壁の浮きやひび割れが起こりやすく、凹凸のあるデザインなので汚れやすいというデメリットがあります。
窯業系サイディングは外壁材の中でも、こまめなメンテナスが必要な外壁材になります。10年に一度を目安に、メンテナンスの時期をお考えいただきたいと思います。
窯業系サイディングの外壁塗装で抑えておくポイント
窯業系サイディングの劣化が激しく塗装でメンテナンスが不可能な場合は、張り替え工事が必要になるかもしれません。張り替え工事とは、既存の外壁を撤去してから新しい外壁を張る工事になります。
既存の外壁を撤去するので撤去にかかる費用も必要になり、費用が高額になってしまいます。張り替えの費用の目安は以下の通りです。
- 金属サイディングに張り替える場合=¥25,000/㎡~
- トタンに張り替える場合=¥23,000/㎡~
マンションは規模が大きい為、外壁塗装と比べるとかなりの高額が予想されます。
費用を低く抑える為にも、劣化を確認したら早めのメンテナンスを考慮いただきたいと思います。
外壁塗装が必要な窯業系サイディングの危険な劣化
窯業系サイディングはメンテナンスサイクルが短く、前項でお伝えしたように10年に一度を目安にしていただく必要があります。10年経っていなくても劣化症状があれば、早期のメンテナンスが必要になります。
以下の劣化が確認できたら、メンテナンス時期を考える必要があるでしょう。
▼窯業系サイディングのメンテナンス時期を判断する劣化▼
劣化症状 | 危険度 | 写真 |
コーキングの劣化 | ★★★★★ | |
ボードの浮き | ★★★★ | |
ひび割れ | ★★★★ | |
塗膜の剥がれ | ★★★★ | |
チョーキング現象 | ★★ | |
色褪せ | ★★ |
早期のメンテナンスが住宅を長持ちさせる最大の方法となります。以上のような劣化を確認したら、早めのメンテナンスをお願いいたします。
5つ目:コンクリート打ち放し
コンクリート打ち放しの外壁の場合、どのような疑問をお持ちでしょうか。
- コンクリート打ち放しで気を付けることは?
- コンクリート打ち放しのメンテナンス方法は?
- どんな劣化症状が起こるの?
以上の疑問を解決する為に、詳しくご紹介いたします。
特徴
コンクリート打ち放しの外壁とは、外壁材を被せずコンクリートが剥き出しになっている状態を言います。耐久性があり、自然な風合いや意匠性の高いデザインが際立ちます。
堅くて丈夫な作りで、防火性にも優れています。しかし、汚れが付きやすく、適切なメンテナンスが必要な外壁材になります。
建築のスタイルなどに合わせて採用され、モダンでシンプルな外観を演出する外壁材として人気があります。
コンクリート打ち放しの外壁塗装で抑えておくポイント
コンクリート打ち放しは何も塗装しないイメージをお持ちかもしれませんが、外壁塗装が必要になります。コンクリート打ち放しは、汚れが蓄積し経年劣化から美観が悪くなってしまいます。建物を長持ちさせるには、外壁塗装が欠かせないのです。
コンクリートのデザインをそのままにした塗装が可能です。
- 撥水剤の塗布⇒防水性を高めてコンクリートの質感を維持する
- クリア塗装⇒クリア塗料で塗装し艶を出して保護機能を高める
立地環境や選ぶ塗料によって異なりますが、10年に一度を目安にして塗装をお考えいただきたいと思います。
外壁塗装が必要なコンクリート打ち放しの危険な劣化
コンクリート打ち放しは雨風の影響を受けやすく、劣化の速度が比較的早い傾向にあります。
メンテナンスが必要なコンクリート打ち放しの危険な劣化は以下の通りです。
▼コンクリート打ち放しの劣化▼
劣化症状 | 原因 | 塗装方法 |
ひび割れ | 乾燥と収縮の繰り返しで発生 | コーキング補修 |
カビ | 日当たり・風通しが悪いと発生 | 防カビ塗料で塗装 |
黒ずみ | 水垢などの汚れ | 低汚染型塗料で塗装 |
コンクリートにひび割れが発生すると、危険度の認識が高いかもしれません。しかし、黒ずみやカビの発生は外壁の保護機能が低下しているサインです。放置せず早期のメンテナンスをおすすめいたします。
まとめ
マンション外壁の種類には主に5つの種類があります。
- タイル
- ALC
- モルタル
- 窯業系サイディング
- コンクリート打ち放し
外壁の種類によって特徴が異なるので、塗装方法や注意点も違ってきます。
マンションの寿命を長くする為に、特徴を理解し知識と経験のある塗装業者にメンテナンスを依頼する必要があります。
南大阪ペイントセンターでは、マンションの施工実績が多数ございます。
私たちの施工実績をお確かめいただき、ご相談からでもお問い合わせをお待ちしております。