喘息持ちの方・ご家族に喘息がある方に向けて、外壁塗装の喘息の影響や注意点について解説しています。
外壁塗装の喘息への影響は粉塵や塗料の臭いの影響でゼロではありません。
ですがどの工程が喘息に影響するか理解をしていれば、喘息の方でも安心して外壁塗装が可能です!
こんにちは!外壁塗装専門店 南大阪ペイントセンターのマナベと申します。
「家族に喘息持ちがいて外壁塗装中の影響が心配」
そのお気持ち、痛いほど分かります。
実際にわたし自身、喘息持ちです。
吸入ステロイド薬を手放せない日々なので、自宅で外壁塗装をするとなると不安要素がつきまといます。
そこで本コラムでは、外壁塗装と喘息との関係性や影響についてお伝えしたいと思います!
1.外壁塗装は喘息に影響する
1-1.外壁塗装のケレン作業で発生する粉塵が喘息に影響
1-2.喘息を引き起こす可能性のある塗料の存在
2.喘息と外壁塗装に使用する塗料の関係性
2-1.外壁塗装に使用する油性塗料と水性塗料
2-2.油性塗料には有機溶剤を使用するので注意
2-3.水性塗料が100%安全というわけではない
3.喘息でも外壁塗装を安全に実施する方法
3-1.塗装期間中は家を離れるのがベスト
3-2.塗料を使用するときだけ避難
3-3.マスクの着用
4.喘息に配慮ができる外壁塗装業者を探すことが重要
外壁塗装は喘息に影響する
外壁塗装が喘息に影響することは本当です。
理由は2つあります。
理由1.外壁の汚れが喘息に影響
理由2.喘息を引き起こす可能性のある塗料の存在
外壁塗装のケレン作業で発生する粉塵が喘息に影響
外壁塗装の前に実施する、ケレン作業(研磨)が喘息を引き起こす可能性があります。
外壁塗装をする際に、塗装をする場所の清掃をします。この清掃の工程の多くは、水を使った高圧洗浄が一般的です。水を使うので汚れが粉塵のように舞い散る心配もありません。
喘息に影響があるのは、その後のケレン作業という研磨をする工程です。
塗料の密着を良くするために、サンドペーパーや電動サンダーなど工具を使って塗装面を削ります。
この削るときに細かい汚れや粉塵が舞う可能性が高いです。
ケレン作業のときに発生する汚れや粉塵が呼吸器系に影響して、アレルギー反応である喘息を引き起こす恐れがあります。
喘息を引き起こす可能性のある塗料の存在
外壁塗装の塗料の一部に含まれる”有機溶剤”が喘息によくない影響を及ぼす可能性があります。
喘息の原因はストレスやたばこ、激しい運動や食品添加物など様々です。
その原因の1つに”有機溶剤”があります。
実際に「約4年間、有機溶剤が含まれる塗料の吹付け作業を行ったことにより、気管支喘息が発症したと推測」という事例も厚生労働省に報告されています。
この事例は約4年間という長期間ですが、外壁塗装の短期間だけでも影響しないとは言い切れないですよね。
ですので、外壁塗装中は有機溶剤が含まれる塗料には注意が必要と認識されていた方がいいでしょう。
出典:「有機溶剤による中毒等」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei10/29.html)
喘息と外壁塗装に使用する塗料の関係性
では喘息に影響がある有機溶剤が含まれる塗料と、そうでない塗料の違いについてご紹介します。
外壁塗装に使用する油性塗料と水性塗料
油性塗料(溶剤系塗料) | 水性塗料 | |
希釈材 | シンナー | 水 |
臭い | 強いシンナー臭 | 無臭に近い |
油性塗料(溶剤系塗料)と水性塗料の大きな差は希釈材の違いによるものです。
喘息に大きく関係するのが、シンナーを希釈材にする油性塗料(溶剤系塗料)です。
油性塗料には有機溶剤を使用するので注意
油性塗料に含まれる有機溶剤(シンナー)には強い臭いがするので、長く吸いすぎると健康被害を引き起こす可能性がでてきます。
健康被害の中には、吐き気・めまい・鼻や喉の粘膜に刺激を感じる、といった症状があります。
そのため、有機溶剤(シンナー)の臭いを吸い続けると、喘息の原因になる恐れがあるのです。
水性塗料が100%安全というわけではない
水性塗料はシンナーを使用していませんが、まったく無臭ではないので100%安心というわけではありません。
水性塗料の希釈材は水ですので、有機溶剤(シンナー)を使用していません。ですので、その点シンナー臭の心配はないです。
ですが完全に無臭というわけではありません。
ここからは自分の体験談なのですが、自宅マンションの外壁塗装をする際に水性塗料が使用されていました。
「なんだか嗅ぎなれない臭いがする」
という印象でした。まったくの無臭ではないというのが正直な感想です。
一緒にいた子供も「変な臭いがするね~」と、水性塗料の臭いに気付いていました。
水性塗料の使用希望の落とし穴
水性塗料は雨樋などの付帯部の塗装には不向きなので、有機溶剤が含まれる塗料を使用される可能性があります。
「臭いを抑えたいので水性塗料を使用したい旨を塗装業者に伝えればいいのでは?」と思われるかもしれません。
意外な落とし穴が、水性塗料は金属系の雨樋などの付帯部には不向きなのです。
水性塗料の使用希望の理由を「臭いを減らしたいだけ」と認識した業者さんが、付帯部の塗装に有機溶剤を使用した塗料を使用、なんて事例も起こり得るのです。
ですので、必ず業者さんには「喘息があるので水性塗料を使用して欲しい」旨をハッキリと伝える必要があります。
喘息でも外壁塗装を安全に実施する方法
塗装期間中は家を離れるのがベスト
難しいかもしれませんが、塗装期間中は家から避難をされているのが一番安全です。
戸建て住宅の一般的な塗装期間は約2週間です。
外壁塗装は在宅が必須ではありません。もちろん留守でも問題ないのです。
ですので、少しでも喘息を気にされる場合は家から避難されているのがベストです。
塗料を使用するときだけ避難
現実的に2週間も家を離れるのが難しい方も多いでしょう。
そのような場合は、塗料を使用するときだけ家を離れる方法もあります。
塗装工事期間の約2週間あるうちの、実際に塗料が使用されるのは約6日間です。
ですので6日間だけ、家を離れるという選択肢もありますよ。
マスクの着用
家から避難できない場合は、臭い対策を徹底的に行いましょう!
防塵マスクを着用して臭いをガードします。
調べてみますと、有機溶剤系の防毒マスクも1,000円~2,000円ほどでネット購入が可能です。
ですが見た目があまりに大きく、長時間の使用はしんどくなるかもしれません。
臭いを気にされる皆さまがされている例としては…
・不織布のマスクを重ねる
・空気清浄機をフル活動(ただし少量でも有害なシンナー臭にはほとんど効果は低い)
ご自身が一番快適に過ごされるような工夫が必要だと思います。
ちなみにわたしが自宅で外壁塗装を経験したのはコロナ禍でしたので、常にマスク着用でシンナー臭はほぼ気にならなかったです。
喘息に配慮ができる外壁塗装業者を探すことが重要
喘息の不安があるときに、外壁塗装業者さんにどんな配慮があるとありがたいですか?
実際に喘息持ちの自分ならこう考えます。
・外壁と屋根は水性塗料の提案
・塗料の安全性を立証する資料の提示
・付帯部の溶剤系塗料を使用する日程を伝えてもらう
・換気できるタイミングは声をかけてもらえる
・臭いが気になる塗料缶を目に見えるところに置かない
主観ですが、ここまで配慮してもらえると喘息の不安があっても、安心して塗装をお任せすることができます。
「喘息だから配慮してもらって当たり前」では決してないのですが、喘息に関わらず伝えた不安要素に対して汲み取った提案をしてもらえると信頼感や安心感が生まれますよね。
ですので事前にしっかりと要望や不安要素は業者さんに伝えましょう!
その伝えた内容を汲み取ってくれるか否かで、良い業者さんか相性が良くない業者さんか判断ができるものです。