こんにちは!
南大阪ペイントセンターキタヤマです
Q 突然ですが、笠木(かさぎ)について詳しく知っていますか?
はい、詳しく知っています!と自信を持ってお答えできるお客様は少ないのではないでしょうか?私自身も塗装会社で働くまでは笠木という言葉も、その役割についても何も知りませんでした。
ですがこの笠木、実は建物にとってはとても重要な部位なのです。笠木が劣化してしまうと建物の寿命にも影響をもたらしてしまうため、外壁塗装やお家のメンテナンスをご検討中の方にはぜひ笠木の重要性を知っておいて頂きたいです。
こちらの記事では
・笠木とは?
・笠木の役割と重要性
・こんな笠木の劣化には注意したい
など、笠木に特化してお話していきたいと思いますのでぜひご一読ください😊
2. 笠木の役割わかりやすく教えて!
役割1. 防水性のため
役割2. 外壁を腐食から守るため
役割3. 見た目やデザインのため
3. 実際にあった笠木の劣化症状とメンテナンス方法
劣化1. 塗膜の剥がれ・色褪せ
メンテナンス1. 防錆塗料での塗装
1. 笠木について詳しくご説明します
笠木とは手すりや塀などの一番上に被せる仕上げ材のことを言い、こちらのお写真の赤く囲んだ部分のことを指します。ベランダやバルコニーその他にもご家庭の階段手すり上部にも笠木はあります。
笠木として使用される仕上げ材は、木材、セメント製、金属製、モルタル製、ガルバリウム鋼板など使用する場所によって異なります。
屋上やベランダ、バルコニーなどの笠木は雨に直接あたることが多く防水性が求められます。そのため、金属製や最近ではガルバリウム鋼板を使用した笠木が好まれます。
2. 笠木の役割わかりやすく教えて!
笠木が設置されていることはわかったけれど、” なぜ笠木が必要なのか? ” その役割についてお話していきたいと思います。
役割1. 防水性を高めるため
笠木の1つ目の役割、それは” 防水性を高める ” です。
笠木が設置されていることによってダイレクトに雨水が侵入することを防いでいます。特にベランダやバルコニーの笠木は雨漏りを防ぐために設置されており、防水性を高めるという意味でも重要な役割を担っております。
つまり…笠木が劣化してしまうと雨漏りのリスクが?!後ほどご説明したいと思います。
役割2. 外壁を守るため
笠木の2つ目の役割、それは” 外壁(躯体)を守る ” です。
笠木を取り付けることによって外壁に直接雨水が当たるのを防ぐことができます。そのため、雨垂れや雨染みなどの汚れを予防することができ、外壁の天敵=水分を分散させ外壁の劣化や腐食を防止することができます。
役割3. 見た目やデザインのため
笠木の3つ目の役割、それは” 見た目やデザインのため(美観) ” です。
塀の上に洋瓦や煉瓦を被せているお宅をご覧になられたこともあるのではないでしょうか?こちらも笠木の一種です。
塀のみでももちろん美しいかと思いますが、瓦を被せた方が素敵な仕上がりになり、かつ直接外壁に雨があたらないので汚れ防止にもなります。
3. 実際にあった笠木の劣化症状とメンテナンス方法
笠木の役割についてはわかりました。
では次にご紹介したいのが ” 補修やメンテナンスが必要な笠木の劣化症状とそのメンテナンス方法 “についてです。笠木の隙間を埋めているシーリングの寿命は約5年、笠木交換のタイミングは25年程度とされております。
さっそく実際の笠木の劣化症状とその対処法についてみていきましょう!
劣化1. 塗膜の剥がれ・色褪せ
こちらの笠木は塗装が剥がれ色褪せてしまっています。塗装が剥がれ色褪せてしまっているということは塗膜が剥がれてしまっているということです。
塗膜の剥がれ=防水機能低下のサイン!
防水機能が低下してしまうと、第一段階としてサビなどの発生、第二段階として雨を弾く力がなくなり水分や湿気はどんどん吸収されます。
中の防水シートにまで浸透してしまいますと、雨漏りの原因や腐食の原因になることも…。ではどのような対処をしたらよいのでしょうか?
メンテナンス1. 防錆塗料での塗装
防錆効果の入った塗料で塗装していきます。
塗装の前にケレンで細かい傷をつけ塗料が浸透しやすいよう下地処理をしていきます。ケレンが完了しましたら防錆塗料で塗装をします。この塗装は10年に一度を推奨しております。
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劣化2. シーリングの劣化
こちらの笠木の赤丸部分にご注目ください。赤丸で囲んだ部分は隙間を埋めるためにシーリング材が充填されていましたが、ひび割れが起こり隙間が確認されます。
このシーリング材は日々の雨や紫外線で徐々に劣化していきどんどん硬化していきます。硬化し硬くなったシーリング材はやがてひび割れや破断を起こしてしまいます。
シーリング材が劣化したらどうなるの?
ひび割れや破断が起こってしまったシーリング材は、その隙間から雨水が侵入してしまい中の下地まで傷んでしまいますと雨漏りの原因にもなります。
実際に屋上笠木のシーリング劣化が原因で天井に雨染みができてしまった様子です。
こうなってしまいますとかなり大掛かりな工事になってしまうことも…。そうなる前にあらかじめメンテナンスを行う事が大切ですね。では、シーリングのメンテナンス方法についてお話していきたいと思います!
メンテナンス2. シーリング補修
既存の硬く硬化してしまった劣化シーリング材を撤去します。撤去した後、新しいシーリング材を丁寧に充填していきます。その後専用のヘラで押さえ平らにし完成です!
ビス穴の隙間などの細かい箇所までシーリング材でコーキングしていきます。
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劣化3. 笠木自体の破損
こちらは台風21号の被害を受けた屋上笠木です。屋上やベランダに設置されている笠木は風の影響を受けやすく昨今の大型台風の被害のお声も多く寄せられております。
こちらのお宅の笠木は強風により笠木がめくれあがり破損してしまっていました。
笠木が破壊されたらどうなるの?
笠木は笠木内部に防水シートを設置しその上に鋼板などを被せビス止めしています。しかし今回の台風被害のように一番上の表面部分がめくれあがってしまっては、中の防水シートなどに直接雨水があたり腐食の原因になります。
笠木が腐食してしまいますと、笠木自体の機能が成り立たず外壁材や躯体に影響を与えたり(役割2. 外壁を腐食から守るため)さらには雨漏りの原因にも繋がります。
今回のお宅でも中の防水シートにまで雨水が浸透しておりましたので、笠木補修では間に合わず笠木交換をさせて頂くことになりました。
メンテナンス3. 笠木の交換
笠木がグラグラする、変形してしまったなどの場合は笠木交換を行う必要があります。中の防水シートが破れていないか、部材が変色・腐食していないか確認しながらの作業が必要です。
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4. 笠木のメンテナンスは塗装や防水工事と同時がおすすめ
こちらの項目では笠木メンテナンスを塗装や防水工事と同時に行うことをおすすめする理由についてお話します。
笠木の浮きや剥がれなど劣化を直す際には板金専門業者に依頼するかもしれません。その際外壁が汚れてしまうリスクや、笠木内部から腐食してしまっている場合はもちろん外壁にも悪影響を与えます。
雨漏りの原因は外壁や屋根にあると思われがちですが、先ほどもご説明させて頂いた通り笠木からの雨漏りも多発しております。
外壁塗装や屋根塗装のメンテナンスは10年に一度、ベランダや屋上の防水層の耐用年数も約10~15年程度。つまり雨漏りの原因を探る場合や建物の寿命を延ばすためには外壁などの点検と同時に笠木の点検も必要になってきます。
南大阪ペイントセンターでは、外壁塗装+屋根塗装+防水工事+笠木補修 一度に施工することができますのでお気軽にご相談ください😊
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5. 笠木の役割や劣化症状について まとめ
・防水性の向上
・見た目やデザイン性
・外壁を守るため
・塗料の剥がれや色褪せ→防錆材塗料での塗装
・シーリング材(ビス穴も)の劣化→コーキング打ち
・笠木の破壊や腐食→笠木の交換