阿倍野区にて、築17年が経過した窯業系サイディングの目地のコーキングの劣化が気になるというお客様からお問い合わせをいただき、点検にお伺いさせていただきました。
コーキングが劣化し、はがれ落ちている状態
向かって右側が空地となっており、目地や外壁が長年にわたり風雨や太陽光にまともにさらされている状態で、築年数の割には多くのダメージが見られました。
3Fの目地はコーキングがはがれ落ち、下地の青いテープ(ボンドブレイカー)が見えてしまっています。
コーキングがはがれ落ちても、内側に防水シートが貼ってあるためすぐには雨漏りしませんが、何度も水が侵入するとやがて防水シートや下地の木材が腐り始め、やがて雨漏りにつながってしまいます。
コーキングの全面的な打ち替え工事が必要です。
窓枠廻りも目地ほどではありませんが劣化しています。
窓枠廻りのコーキングが劣化しはがれ落ちると雨漏りに直結しやすいので、こちらも全て打ち替え工事をすることが重要です。
外壁の窯業系サイディングボード表面を手で触ると、劣化した塗膜が白亜化して粉のようになるチョーキング現象が起きています。
表面塗装の役割である水を弾く力が弱まり、ボード自体に水が浸み込みやすい状態でした。
この状態を放置するとボードに反りが出始め、ボード間の隙間が大きくなり、やがて建物内部にダメージを与えてしまいます。
ただしこれぐらいの状態であれば、再塗装して外壁を保護することで劣化現象から建物を守ってくれます。
正面外壁の目立つ部分に大きなひび割れ
外壁の大部分は窯業系サイディングですが、正面のみモルタルにジョリパット塗装という仕上げでした。
その目立つ正面の外壁に割と大きなひび割れが発生していて、お客様もかなり前から気になっていたようです。
こちらは3F部分のひび割れの状態です。3Fなのに下から肉眼でみてもわかるぐらいの大きなひび割れです。
小さいひび割れの場合はコーキングを充填すればOkですが、これだけ大きいひび割れとなるとVカット補修をしておかないとまたすぐに割れが発生してしまう可能性があります。
その他の点検
ガレージ天井はケイカル板にリシン吹付です。
こういった天井に外壁用の塗料を塗ると、内部からの湿気の排出により塗膜がめくれてきてしまう可能性がありますので、天井専用の塗料を塗ります。
外壁と基礎の間の黒い金物部分は水切りといい、サイディングボード内部に入ってしまった水をここから排出します。また、地面から基礎を伝ってくる水分もここでシャットアウトします。
目立ちませんが、建物を保護するのに意外と重要な部位です。
お隣との境界のブロック塀も現状で塗装してありましたので、今回も再塗装でご提案させていただきました。
このブロック塀も塗装していない裏側から水が侵入しますので、外壁用の塗料は不向きです。
ベランダ床はFRP防水です。表面がやや劣化している程度なので、トップコートの再塗装で問題無さそうです。
スレート屋根はコケの発生が見られます。
ガレージが隣接しているので、塗装する際には飛散防止にカーシートで養生する必要があります。
適材適所が重要
今回も塗料の耐久性や機能別に4プランご提案させていただきました。
高額で性能の良い塗料を塗る事でお家をより長持ちさせることが可能ですが、一番重要なのは大きいひび割れにはVカット、ケイカル板に天井用の塗料、裏側から水が浸み込んでくるブロック塀にはカチオン系塗料といったように、適材適所の施工を行うことが重要となります。
そうした判断は長年の経験で培った知識を持つ塗装のプロにしか出来ませんので、是非南大阪ペイントセンターにご相談下さい!