セメント瓦とはどんな瓦?住宅等の建物に使用される屋根材シリーズのご紹介その②はセメント瓦です。
セメント瓦とは
その名の通りセメント(モルタル)を型に流し込んで成型し表面を塗装でコーティングした瓦材で、和瓦や洋瓦等の粘土を成型し窯で焼いた瓦にくらべて大量生産が可能な分安価で施工出来ます。
また粘土瓦に比べると軽量で、形も豊富なことから一時期は流行しました。
洋瓦と似たような形状のものが一番多いです
こういった平たいタイプのものもあります。
このように筋の入ったタイプもあります。これらは全てセメント瓦の一種です。
またカラーバリエーションも豊富なので、日本瓦を代表とする粘土瓦にとって代わると思われていましたが、より軽量で形状や色も豊富なスレート瓦のほうが広く使用されるようになりました。
セメント瓦も塗装メンテナンスが必要
セメント瓦の耐久性は、粘土瓦がメンテナンス無しで約50年以上もつのに対し、セメント瓦はスレート瓦と同じでその防水性は表面の塗装に依存しており、紫外線や雨風・温度の変化等で表面の塗膜が劣化がすると、セメント中のカルシウムが流出し強度が落ちていき、割れやすい状態になってしまいます。
流れ出た成分は塗装で復活できるわけではないので、そうなる前に10年から15年に一度ぐらいのペースで定期的なメンテナンスが必要になります。
セメント瓦もスレート同様高圧洗浄を必ず行います。表面の劣化した塗膜やコケ・カビ等を除去します。
またモニエル瓦という乾式コンクリート瓦の場合、スラリー層という着色料を徹底的に除去しないと、すぐにめくれが発生してしまいます。
セメント瓦の塗装の際はあまり厚膜を張らない様に仕上げていきます。どちらかといえば素材に浸み込ますように塗っていきます。(特に下塗り)
セメント瓦用の塗料も発売されており、代表的なものは大同塗料のハイルーフシリーズや、オリエンタル塗料のマイティーシリーズ等です。
粘土瓦に比べて耐久性で劣り軽さや初期費用でもスレート瓦に劣るため、現在セメント瓦の製造は行われていません。
また新築から30年以上経過している場合は塗装メンテナンスでも対応しきれないこともあり、ガルバリウム鋼板やスレート瓦への葺き替えが必要になります。