外壁材のALCとは?メリット・デメリットと長持ちさせる秘訣を解説

外壁材のALCとは?メリット・デメリットと長持ちさせる秘訣を解説
「外壁の種類の違いを知りたい!」
「ALCってよく聞くけど、どんな外壁?」

といった疑問はありませんか。

ALCとは軽量気泡コンクリートのことで、とてもシンプルに説明すると「軽いので耐震性に優れ、コンクリートのような丈夫な外壁材」です。

こちらのページではALCについて以下の内容を解説しています。

当コラムで紹介する内容
  • ALC外壁の特徴
  • ALC外壁のメリット・デメリット
  • ALC外壁のメンテナンスの注意点
  • ALC外壁のメンテナンス事例

これから家を建てられる方や今まさにALC外壁の住宅にお住まいの方など、ALCについて様々なご不安がある方は是非ご参考にしていただけますと幸いです!

当ページをお読みいただくことでALCについての不安を解消し、適切なメンテナンス方法がわかることでALCを長持ちさせることができるでしょう。

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1.ALC外壁とは

ALC外壁を検討される上で押さえるべきポイントは以下の3つです。

・ALCの特徴
・ALCの構法とパネルの厚み
・ALCと他の外壁材の比較

1つ1つ要点を絞って解説します。

1-1.ALCの特徴

ALC外壁の戸建て住宅

ALCとはオートクレーブド・ライトウェイト・コンクリート(autoclaved lightweight concrete)の略語です。
高温高圧多湿養生を意味するオートクレーブ処理で製造管理された軽量気泡コンクリートの事です。

その高い強度から約50年以上前からマンションや工場といった大規模な建物の外壁によく使用されています。

最近では戸建て住宅の外壁にも使用されており、旭化成建材のヘーベルパワーボードが有名です。

1-2.ALCの取付け構法と厚みの違い

ALCには種類があり、構法や性能の違いがありますので知識として押さえていただくと良いでしょう。

たとえば、戸建てで使用されているALCパネルとマンションで使用されているALCパネルは厚みが異なります。
戸建てで使用されるALCパネルはマンションのALCパネルより断熱性や防音性はやや劣りますが、より軽量で材料費も安価です。

構法
ALCパネルの厚み
ALCパネルのサイズ
縦張り 75㎜以上 600㎜×3000~4000㎜
横張り 35㎜ 1800㎜×600㎜

ALCの縦張り

まずは縦張りの写真です。

ビルや大型物件もこの縦張りがほとんどで、厚みも75㎜以上の強度が高いパネルが使用されています。

ALCの横張り

次に横張りの写真です。

最近のALCの戸建て住宅はほぼこの横張りが多い印象を受けます。

こちらは厚みが35㎜ほどと、マンションやビルに使用されるものより薄型パネルの部類です。

これまで工事を施工した経験上、パネルが薄い分マンションのALCパネルより断熱性や防音性はやや劣りますがより軽量で材料費も安価な傾向があります。

1-3.ALCと他の外壁材の比較

代表的な3つの外壁材の比較を紹介します。

外壁材 初期コスト メンテナンス
コスト
耐久性 防火性 断熱性 遮音性 耐震性

ALC

ALC

サイディング

サイディング

モルタル

モルタル

いずれの外壁材に共通しているのは、どれも防水性は塗装依存ですので定期的な外壁塗装工事が必要です。

たとえば全国シェア率80%以上を誇るサイディング外壁は高いデザイン性が魅力ですが、ALCより厚みがないため外壁内部に雨が侵入すると外壁材が浮いてしまうケースがあります。

モルタルについては左官で形成していく外壁材なので、強度はありますがわずかな揺れや温度変化でひび割れしやすいといったデメリットがあります。

そういった他の外壁材に比較してもALCは浮いてしまうことも滅多になく、しっかりとメンテナンスをしていればひび割れも起きにくい外壁材です。

2.ALC外壁のメリット

ではALCのメリットについて、深堀りして解説していきます。

2-1.補強材が入っているので耐久性が高い

補強材が入ったALCパネル

画像出典:ALC協会

ALCはパネルの内部に特殊防錆処理を施した鉄筋マットやメタルラス(スチール製の金網) が組み込まれています。

ALCパネルの耐用年数は立地や仕上げの塗料によって異なりますが、正しいメンテナンスをした場合は50年を超える長期使用も可能というデータがあります。

出典:ALC協会|ALCパネルQ&A

2-2.軽量で耐震性・断熱性に優れる

軽量なALC

コンクリートと比べて重さが約4分の1程度と軽く、耐震性に優れてます。

軽量気泡コンクリートという名前とおり、細かな気泡が存在することで軽量化を実現しています。

又、気泡があることでALCパネル内部に空気の層ができるため、夏は涼しく冬は暖かいといった断熱効果もあります。

2-3.耐火性が高い

耐火性に優れたALC

画像出典:ALC協会

ALCパネルは不燃材料なので高い耐火性を誇ります。

又、無機質の原料からつくられるため、火災の際にも有毒なガスや煙を出すことはありません。

以下はALC協会のホームページの内容を抜粋したものです。

1963年の販売開始以来、ALCパネルは一貫して有害物質ゼロ。
アスベストはもちろんトルエン、キシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)とは無縁です。
また、クロルピリホスやホルムアルデヒドをまったく含んでいないため、使用面積の法規制を受けることはありません。
出典:ALC協会

2-4.遮音性に優れている

駅のホームで使用されるALC

ALCパネル内部の細かな気泡が空気の層となるため、遮音性に優れています。

実際に遮音性が求められる駅のホームや病院や図書館などでALCが使用されているケースを多く目にします。

3.ALC外壁のデメリット

メリットが多いALCですが、どのようなデメリットがあるかも押さえておきましょう。

3-1.水分を吸収しやすい

水分を吸収したALC

ALCは水分を吸収しやすいという特徴があります。

ALCもサイデイングと同じボード張りの外壁材ですが、ALCの場合気泡があるためそのままでは水がすぐに浸み込んでしまいますの。

そのため必ず表面の防水塗装が必要で、サイディングやモルタルに比べると早めの塗り替えが必要となります。

そのためサイディングボードやコンクリートに比べると早めの塗り替えが必要となります。

3-2.目地が多いので雨漏りのリスクが高い

目地が多いALC

ALCパネル同士の繋ぎ目となる目地が多いため、雨漏りのリスクが高いです。

目地が多ければコーキングが劣化することで雨漏りが発生する可能性が増えます。

そのためコーキングも防水性・耐久性の強い物を使用する事や、コーキングの劣化が起きたら増し打ち・打ち換えを行いましょう。

3-3.初期費用・メンテナンス費用が他の外壁に比べて高額

ALCは建築時の初期費用が他のサイディングなどの外壁に比べると高額になる傾向があります。

又、外壁塗装やコーキング工事といったメンテナンス費用も、他の外壁材に比べると高額になりやすいです。

実際に近い条件でALCとサイディングを塗装した事例を比較してみました。
こちらの表からもALCの外壁塗装の方が費用が高いことがわかります。

外壁 費用 外壁塗装面積 屋根塗装面積 使用塗料 築年数
ALC 157万円 155㎡ 64㎡ 無機塗料 16年
サイディングの外壁塗装の事例サイディング 126万円 173㎡ 48㎡ 無機塗料 17年

なぜALCの方が高額になりやすい理由はコーキング工事費用にあります。

ALCの目地

前述したとおり、ALCは目地が多いです。

ALCのコーキング工事

ALCはサイディングの約1.5倍の長さの目地があるため、他の外壁材に比べるとコーキング工事費用も高額になりやすいのです。

4.ALC外壁は外壁塗装によるメンテナンスが必須

ALCの外壁塗装工事

ALCは水に弱く吸水性が強いという面もあるため、防水性・耐久性を復活させるために外壁塗装によるメンテナンスは必要不可欠です。

張り替えなどの大掛かりな工事は50年程必要はありませんが、ALC自体に防水・耐久性はないので10~15年に一度塗装によるメンテナンスを怠らなければ永く使っていただく事ができます。

5.ALC外壁の塗装工事の2つの注意点

ALC外壁を長持ちさせるためには塗装工事は必須ですが、単純に塗装をすれば長持ちするというわけではありません。

工事を検討する上で、以下の注意点を押さえておきましょう。

・コーキング工事は必ず実施
・2回目のコーキング工事は1回目より高額になる傾向

5-1.コーキング工事は必ず実施

コーキング工事後のALC

塗装工事の際は必ずコーキング工事を実施しましょう。

パネル状になっているALC外壁の継ぎ目を埋めるのがコーキングの役割。

継ぎ目はいわば雨水などが侵入する可能性のある、お住まいの弱点ですよね。
その弱点を解消するのに左右するのがコーキングの耐久性なのです。

サイディングなどの外壁材の場合は、その下に防水シートが貼られることで、万が一ひび割れをしても防水シートが二次防水の役割を担っています。
しかしALCの場合は防水シートが貼られておらず、コーキングの劣化やひび割れが雨漏りに直結しやすいです。

だからこそ、ALCは特にコーキングのメンテナンスが重要なのです。

5-2.2回目のコーキング工事は1回目より高額になる傾向 

初回のコーキング工事よりも、2回目のコーキング工事の方が費用が高額になる傾向があります

なぜかというと、初回と2回目ではコーキング工事の工法が異なるからです。

工事回数 コーキング工事の工法 単価
初回 増し打ち 450円~750円/m
2回目 撤去・打ち替え     750~1,100/m

このように2回目の工事は撤去・打ち替え工法になるため、コーキング工事の単価も高額になります。

初回の塗装工事のALCの目地

こちらは初回工事をされるALC外壁です。

ALCの増し打ち工法

ALCは目地の溝が深いので、既存のコーキングの上から施工できる増し打ち工法が可能です。

亀裂など症状が酷い場合を除き、表面のみひび割れの場合は増し打ち工法で実施します。

2回目の塗装工事のALCの目地

こちらは2回目の塗装工事をされるALC外壁です。
初回工事でコーキング増し打ちを実施したことで、目地の溝がほとんどないのがわかります。

ALCのコーキング撤去打ち替え工法

ALCの2回目の工事では、撤去打ち替え工法を行う必要があります。

そのため、撤去打ち替え工法の方が増し打ちより1mあたりの単価が高いことで、2回目の工事の方が高額になりやすいのです。

▼ALCのコーキング工事については以下のページでも詳しく解説しています▼
ALC外壁コーキングの工事方法と打ち替え・増し打ちの費用相場

6.ALC外壁の塗装工事の事例

実際にALCの外壁に塗装工事を実施した事例があります。

いずれのお客様もコーキング工事を実施しています。

7.ALC外壁のメンテナンスなら南大阪ペイントセンターへご相談ください

ALC外壁の塗装工事なら南大阪ペイントセンターにおまかせください!

ALCの外壁塗装ではコーキング工事をはじめとした注意点があります。
知識のない業者に任せてしまうと、どれだけ頑丈なALCでも寿命を縮める原因となるのです。

実際に2回目のALCの塗装工事を建物を拝見したときに、初回工事でコーキング工事をされておらずALCがひび割れてしまったという事例もありました。
初回工事できちんとコーキング工事ができていれば、防げたはずのひび割れです。

またALCは吸水性が高いという特徴から、透湿性のある塗料を使用しないと塗膜の中で湿気が籠ってしまい、塗膜の膨れなどの不具合に繋がります。

このように正しいコーキング工事の知識、ALCにぴったりな塗料の選定が必要なのです。

南大阪ペイントセンターではALCの塗装工事の事例も多数ありますので、工事をご検討の際は是非ご相談いただけますと幸いです!

8.まとめ

  • ALCは軽量気泡コンクリート
  • ALCのメリット

    1.補強材が入っているので耐久性が高い
    2.軽量で耐震性・断熱性に優れる
    3.耐火性が高い
    4.遮音性に優れている

  • ALCのデメリット

    1.水分を吸収しやすい
    2.目地が多いので雨漏りのリスクが高い
    3.初期費用・メンテナンス費用が他の外壁に比べて高額

  • ALCは外壁塗装によるメンテナンスが必須
  • ALC外壁の塗装工事の2つの注意点

    1.コーキング工事は必ず実施
    2.2回目のコーキング工事は1回目より高額になる傾向 

他の外壁材より初期費用やメンテナンス費用がかかるALCですが、きっとALCを導入された背景には「長持ちさせたい」という願いがあったと思います。

少しでもご自宅のALC外壁が長持ちするお役に立てれば幸いです。
ALCに限らず外装のあらゆるお困りごとに対応していますので、ご不安があればどんな些細なことでも是非お声がけください!

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